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お兄ちゃん・慎くん2


そのとき、お兄ちゃんがドライバーを持って戻ってきた

「ひな、だれ?」

電話の相手を聞いてきたお兄ちゃんに答えるのはちょっと気が引ける

「まえの、おくさん?だって」


だって、ひなはお兄ちゃんに違うママがいることを知らない


驚いたお兄ちゃんは私から受話器を奪った

・・・ただ受話器をとられただけだが、こんなにもお兄ちゃんが乱暴な行動をするのは初めてみた


「なんのようだ」

早くも声変わりの終わったお兄ちゃんの低い声


電話の相手、お兄ちゃんのママの声は聞こえない


お兄ちゃんの顔をのぞきこむと

真っ青な顔をしていた


少し話すと

お兄ちゃんは私の視線から逃れるように下を向き、早口で喋る

「・・・もうこっちに電話するな、・・・わかった、俺の携番を教える」


電話を切った後、お兄ちゃんは私に言った

「ひな、間違い電話だったよ」

「間違い電話?ひなのおうちにご用があったんじゃないの?」

「違うよ、間違い電話だよ」

「ふーん」

「電話に出れてえらかったね、でもママやパパに出てって頼まれたときだけでいいんだよ」

「えへへ、はーい」

すこし自慢げに笑って素直に返事をした

「お兄ちゃん!早くくまさんの電池換えてよー」

「うん、」

私が騙されてくれたことに一安心した様子のお兄ちゃんだったけれど


今度は

お兄ちゃんの携帯が鳴った


「・・・」

「お兄ちゃんの鳴ってるよ?」

「・・・」

携帯を手に取ったお兄ちゃんは電話に出ることなく、切ると

「アラームだよ。さぁ、電池換えようか」

「うん・・・」


それから

お兄ちゃんは忙しく過ごすようになった

家に帰ってきても

部屋に閉じこもりぱなしで

部活が終わった後もどこかで寄り道をしてくるようになった



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