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第34章 そして誰もいなくならない Day1(4)

さて、解決編です。


「まず、女性は10:07、BTB駅で特急えんとうち3号を下車し、急いで駅近くのリストランテ・リストラへ。徒歩だと3分だが、走れば2分くらいで着くだろう。そして例の料理を食べ、店員の目を盗んで料金未払いのまま店を出る。注文に2分、料理が出てくるまでに3分、食べるのに5分で、店での滞在時間がおよそ10分としよう。そしてまた2分でBTB駅に戻ってくる。この時点で10:21。もちろん特急えんとうち3号は10:09にとっくに発車している。そこで女性は10:23、BTB駅を出発する快速『きらら397号』に乗る。この快速は、特急えんとうち3号が走る『富本線』とは別の『換気線』を走る電車だ。そして10:32、換気線の『ベネジクト駅』に到着。ここで『消火線』に乗り換え、10:35発急行『ななつぼし23号』で『ヨウソ駅』へ。ヨウソ駅到着は10:43。そして『自己推線』10:45発超特急『ゆめぴりか1号』でフェノールフタレイン駅まで。この列車がフェノールフタレイン駅に到着するのは10:58。これで、11:00フェノールフタレイン駅着の特急えんとうち3号に再び乗ることができる」

「おおーーーーっ!!所長、ブラボーです!!」

「ニャオーーーーン!!」


いかがでしたか。

読者の皆様はこのトリックを解明することができたでしょうか。

・・・・・あ、やめて> < 石投げないで(泣


「とりあえずこのことを黄島先輩に連絡しておこうか」


黄島キンツバはタルト所長の大学時代の先輩で、現役刑事です。


「そういえば、所長。黄島刑事って、刑事なんですよね?」

「うん。もちろんそうだよ」


「何課なんですか?この前は傷害事件の案件を持ってきてたじゃないですか。今回みたいな食い逃げ事件とかは担当じゃないんじゃないですか?」

「ジャペンの警察の刑事部には捜査課が1課しかないんだよ。だから、殺人だろうが横領だろうが薬物だろうが食い逃げだろうが全部捜査するんだよ」

「ジャペンの常識ニャ」


「ああ、でも総務部は153の課に分かれていて、その中の清掃課はさらに2648の係に分かれているらしい」

「どういうこと?!」

「『モップの先取り替え係』とか『ゴミ袋の口結び係』とかニャ』


タルト所長はデッキに出て、黄島刑事に電話しました。

早速、次の停車駅近くの警察署に連絡してくれるそうです。


「次の『酢酸カーミン駅』に到着次第、警察官が乗り込んで、犯人を確保してくれるそうだよ」

「黄島刑事は来ないんですか?」


「さすがに遠いからね」

「この前のお礼もしたかったんですけどねー」


「この前のお礼ニャ?」

「うん。捜査のヒントをもらったから」

「ああ、あの『依頼人は嘘をつく』ってやつか・・・って、君あの時、推理間違ってたよね?”ピコーン☆”と間違った推理閃いちゃってたよね?」


「むぅぅー・・・・ま、いいです。黄島刑事には何か旅のお土産を買って帰りますよ」

「コメディアン島にはお土産はありそうにないかな。プライベート島だし」

「島に流れ着いた流木拾って仏像でも彫るのはどうかニャ」



~~~~~~~~~~~~~



♪~♪次は~酢酸カーミン駅、酢酸カーミン駅。お出口は左側です。


ガタンゴトンガタンゴタン ガタンゴトン カタン コトン・・・


プシューーーー


ドタドタドタドタドタドタドタ


「逮捕だーーーー!!!」


「いやーっ!!」


ドタンバタンドタンバタンドタンバタン


「逃げたぞー追えーー!!」


「私にはアリバイがーー!!」


バキューンバキューンバキューーーン


「無駄な抵抗はやめろーーー!!」


「アリバイの証人もいるんですーーー!!」


モミュンムニョンピョピュンチョポン


「確保ーーーーー!!!」


「きぇぇぇぇぇーー!!」




「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・ニャ」


~~~~~~~~~~~~~


酢酸カーミン駅を出発した列車は、さっきの喧騒からすっかり落ち着きを取り戻し、山間から海岸沿いへと進みます。


「淵戸内海沿岸に出たな」

「よし!次は『食べっこ昆虫』と『チベットヨーグル』のお弁当箱だな」

「オレっちはお待ちかねの淵戸内カブトガニ弁当ニャ!!」


「君たち、食べることしか知らないのかね」

「もぐもぐ・・・いやあ、海沿いで食べるおやつって何でこんなにおいしいんですかねー所長!」

「もぐもぐ・・・いニャあ、淵戸内海で食べる駅弁って何でこんニャにおいしいんですかニャータルト所長!」


「所長もぐもぐなんかもぐもぐ暇なんでもぐもぐトランプでももぐもぐしませんかもぐもぐ」

「食べるか喋るかどっちかにしなさい、スフレ君」

「トランプは誰も持ってきてないニャンね」


「わかったよ。じゃあ、簡単なゲームをしよう」

「やったぁ!ワクワク!!」


「年齢当てゲームだよ。では、スフレ君、まず好きな数字を1つ思い浮かべてみて」

「はい!568204です!!」


「思い浮かべろっていったでしょ?!何で口に出すの?!そして数字が大きすぎる!」

「大きいとだめなんですか?」


「だめではないけどこの後ちょっと計算するから、あまり大きい数字だと大変でしょ?」

「大丈夫ですよ。ほら、ここにスーパーコンピュータ”京”持ってきてるんで」

「それ、リュックのどこに入ってたニャ?!」


「本当は”富岳”の方を持って来たかったんですけどちょっと重かったんで・・・」

「気にするところはそこなのかニャ?」


「・・・・いや、そんな人類の叡智の手を借りるほどのものじゃないから、京さんにはお引き取りいただきなさい。・・・・で、とりあえず簡単な数字を頭の中で想像して。1桁の数字がいいよ。口には出さないで」

「・・・・・・ふむふむ・・・・はい!1桁の数、想像しました所長!」


「では、その数字に7を足して」

「・・・・・・・はい」


「その数字を9倍して」

「・・・・・・・・・・・・はい」


「その数字の各位の数を足し合わせて」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい・・・?」


「ん?意味わかる?例えば235の場合、2+3+5=10ってことだよ」

「なるほどーーー!!わかりました!!」

「さっきはわかってニャかったんかい」


「足しますねー・・・・むむむ・・ということは・・・・・ふむー・・・・・うんうん・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」


「・・ぬぬーー・・・・ふぐーーーー」

「・・・・・・」

「・・・まだかニャ」


「・・・・ピポーン☆足せました!!」

「・・・う、うん。そしたら数字が1桁になるまで、さっきの足し算を繰り返して」


「・・・みゅぎゅー・・・もへー・・・・(以下略)」

「・・・・・・」

「・・・・・・」


「・・・・ピポーン☆できました!!」

「じゃあ、その数に君の年齢を足して」


「足しました!」

「できたの?!」

「今回は激早だニャ」


「最後にその数から9を引いて」

「・・・・・・むむむ・・・・・・むにゃ・・(中略)・・・はい」

「いくつになったかニャ?」


「79280です!」

「なるかっっ!!」

「ニャらんわっっ!!」


「・・・・ていうか、所長、私の年齢知ってますよね?」

「ま、まあね」


あ、みなさん。そうこうしているうちに目的地『フェーリング駅』に到着しましたよ~

お降りの際は、お忘れ物をなさいませんようご注意ください。

本日も『私と猫と迷探偵と』をお読みくださいまして、誠にありがとうございます。

スフレさんが最初に頭の中で想像した数字、何だったと思いますか?

え?「4」しかありえない?

いいえ。「1」なのです。

それがスフレさんというものです。

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