10 ネネリさん 一休みするなど
まあ、一息ついて、香草茶でも入れようかね、とモモエが立ち上がりました。
ススミがお湯を沸かし、モモエがたくさんの椀を並べ始めました。
多くないですか? とネネリは聞きました。
たくさん来るからね、とモモエが答え、お湯の中にひとつかみの香草を入れました。
とても良い香りがあたりに漂います。
椀にお茶を注いでいると、炊事場にどやどやと人が集まりはじめました。
集まってきた人たちは、皆大きな包みを抱えてきておりました。
周りの人に怪しまれないのだろうか、とネネリが疑問に思っていると、影も包みを抱えて炊事場に入ってきました。
影さん、そんなに大きな包みを持って歩いていると、変に思われないのですか?
ネネリは香草茶をススミから受け取った影に聞きました。
影は、一口お茶を飲み、
今日はこれからお祝いだからね。皆何かしろ物を持って準備のためにうろうろしている。大丈夫だよ。と答えました。
なるほど、とネネリは思いました。
みんな集まったみたいだねえ。
モモエは言いました。
香草茶を入れた椀は、来た人皆の手に渡りました。
すみません、僕にもお茶をください。
ぜえぜえと肩で息をしながら若い男性が炊事場に入ってきました。
ニニム、アンタどうしたんだい? 祝言の準備をしているんじゃないのかい?
モモエが聞きました。
ティティカがニニムに香草茶を渡しました。
お兄さん、大丈夫?
ニニムはお茶を一気に飲み干すとむせました。
影が背中をたたいて落ち着かせました。
遠くへ行くのですよね、僕も一緒に連れて行ってください。
炊事場にいる人たちは、顔を見合わせました。
親父さんを支えるんじゃなかったのかい?
年配の男性がいました。
ニニムは首を振りました。
花嫁さんの村からたくさん人が来て、出て行くように言われたんだ。
街長に大きい子供がいるのは邪魔なんだ。わかるだろう? って。
年配の男性は、花嫁の村に街は乗っ取られるのだろうな、と言いました。
炊事場に集まった人たちはだいたいお茶を飲み終わりました。
ネネリはそろそろかな、と再び小さな包みを開けました。
待たせたね、と小さいお館様が出てきました。
準備は出来たかい?
ネネリは後ろを向き、炊事場にある待った人たちに聞きました。
準備は出来ましたか?
それぞれ皆うなずきました。
お館様の姿や声は、ネネリと影にしか届きません。
影は、先ほどは失礼しました、とお館様に声をかけ、どのようにしたら良いかを問い、お館様の言葉を皆に伝えてくれました。
出口をトトルとリリエが開墾している場所に作ってきたので、ここに入口を作る、と。
出口と入口? と人々が首をかしげているところに、
リリエ、リリエは元気なんだね? とモモエが言いました。
ススミもササメも目に涙を浮かべています。
小さな子が言いました。
トトルお兄ちゃんに会えるんだね!
ネネリは喜ぶ人々の中で、ニニムが一人目を曇らせたことに気がつきました。
小さなお館様が、では入口を作るよ、何か布があると良いのだけれど、と言いました。
余っている布ってあるのですか?
ネネリは聞きました。
皆、布で荷物を包んでいます。
布をほどくと、荷物を置いていくことになります。さてどうしたものか。
実家に謎の薬草茶の缶があって、一時期飲んでいました。
桑の葉とか黒豆とか入っていたような。




