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1.ネネリさん、太陽のランプの館に行く

Xでミニサイズのルーズリーフに毎日書いて投稿していた、「太陽のランプ」のお話です。

2024年8月26日から9月22日までの分です。


次回はある程度まとまってから投稿します。

会話文にかぎかっこ「」がないのは仕様です。

むかしむかし、とある館に太陽のランプと呼ばれるものがありました。

ランプから太陽が出て行くと日が昇り、帰ってくると日は沈みます。

太陽が気まぐれだったので、いつまでも昼が続いたり、夜が続いたりしたのでした。


昼も夜もあいまいで、困った人々はお館に人をやり、太陽にもう少し計画的にランプに戻ってきて欲しいとお願いすることにしました。

ですが、誰が行くか、なかなか決まりません。

館までが遠いものや、そもそも自分には関係ないと思うものばかりだったのです。


大人たちが決着のつかない話し合いをする中、炊事場の下働きのネネリが手を挙げました。

炊事場のものたちは、ネネリがいないと大変なことになると反対しました。

しかし、里の人たちの大半が賛成したために、ネネリがお館に行くことになりました。


ネネリはお館に向かい出発しました。

途中、カドカドの木の下に、二人の赤ちゃんがすやすやと眠っているところを見つけました。周りを見回しても、親らしき人が見えません。しばらく待って、ネネリは二人を拾い上げました。


二人を抱えたネネリは、次のカドカドの木の下で、少し休むことにしました。

休んでいると、何者かが背後に忍び寄ってくることに気がつきました。

ネネリが振り向くと、そこに太陽がふわふわと漂っていました。


こんにちは、太陽さん。

ネネリは挨拶をしました。そして、館に帰るのであれば、赤ちゃんと一緒に連れて行って欲しいとお願いしました。

太陽は、仕方ないなあと動き始めました。


太陽とネネリたちは、館にたどり着きました。

そこには、かんかんに怒っているランプが待っていました。


太陽よ、いったいどこをほっつき歩いていたんだい?

ランプの怒りを浴びて、赤ちゃんが泣き出しました。

太陽も泣きそうな顔になりました。


赤ちゃん泣いちゃったじゃない!

ネネリがランプ以上に怒ったので、ランプはちょっと反省しました。

3人(?)で赤ちゃんをあやし、なだめました。

そのまま寝かしつけようと思ったのですが、明るすぎるのではとネネリは思いました。


赤ちゃんをゆっくり寝かせてあげたいの、とネネリは太陽にいいました。

仕方がないなあと太陽はいい、ランプの中に帰りました。

世界は夜になりました。


ネネリはランプに聞いてみました。

どうしたら、太陽は決まった時間にランプから出たり戻ったりしてくれるのかしら。

昼が長すぎても、夜が長すぎても人々は困ります。


うーん。

ランプも考えます。


フタを開けて太陽が出ていく時間と、

フタを閉めて太陽が帰る時間をヒトが決めたらいいと思うんだ。


そんな責任重大な!


時間が決まっていたら、ランプも楽なのです。


ネネリが悩んでいると、赤ちゃんたちが泣き始めました。

そういえば何も食べさせていません。

ネネリはランプに、赤ちゃんの食事になるものはあるかたずねました。

ランプは答えました。

あるけれど、館のものを食べたら、館から帰ることは出来なくなるよ。

ランプはさあどうぞと、ランプの中から容器に入った液体を取り出しました。

ネネリはどうしようと悩みました。


ネネリは腹をくくりました。

ランプにもらった食べ物を赤ちゃんたちに与えました。

あのままカドカドの木の下にいるよりは、館にいる方が安全だと思ったのです。

ランプがもう一ついるよね、とにゅるんと容器を取り出しました。


ネネリ自身は、里から持参したものを食べるつもりでした。

ですが、カドカドの木のところに自分の荷物を置いてきてしまったことに気がつきました。

夜、歩くのはさすがに怖いです。

ランプがいいました。

荷物、出してあげるよ。


ランプから荷物と一緒に出てきたのは、ネネリの荷物にあった食べ物をもぐもぐ食べている青年でした。


何ー!!


拾い食いはだめですよとランプはいいました。

違うそういう問題ではない、とネネリは思いました。

青年は、自分はほとんど食事を必要としないのだけれど、おいしそうでつい。ごめんね。と謝り、ネネリに荷物を渡してくれました。


ネネリも食事をとり、水場と厠の場所を教えてもらい、寝る準備をすると、赤ちゃんのそばで丸くなって眠りました。


ほやぁあ、ほやぁあ


赤ちゃんが一人泣いていて、ネネリは目を覚ましました。


泣く赤ちゃんをあやしながら、ネネリはランプのそばに行きました。

ランプから太陽が顔を出しました。

眠れないじゃない。目が覚めちゃった。


太陽はそのままふら~っと飛んでいきました。


世界に朝が来ました。


ネネリはおなかがすきました。


ネネリは里から持ってきた荷物からゴハンを出して食べようと取り出したとき、なにやら視線を感じました。

昨日の青年が物陰からネネリのゴハンを見ています。

ネネリはランプに水とゴハンを入れ、おかゆを作りました。


できあがったおかゆをネネリと青年とランプで分けました。

しみじみおかゆを食べる青年に、ネネリは聞いてみることにしました。

どうしたら太陽は決まった時間にランプに帰ってきてくれるのでしょうか。

青年は、決まった時に、フタを開けしましたらいいと思うよ、と答えました。


どうやって決まった「時」を決めれば良いのでしょうか。

ネネリは考えました。

おなかがすいたらにしたら? と青年が言いました。

おなかをすかしているところを見られて事を思い出し、ネネリは恥ずかしくなりました。

デリカシーがない、とランプが言いました。


ランプは二対の置物を出しました。

これはケッコーとモウケッコー。ケッコーは朝くらい、モウケッコーは夜くらいに鳴くんだ。これに合わせて開け閉めしたらいいんじゃない?

ネネリはケッコーとモウケッコーを受けとってからふと気づきました。

私が開け閉めすることになっていない? と。


ほやあ、ほやあと泣く声が聞こえます。

赤ちゃんもゴハンの時間です。

謎の食事を挙げようとすると、赤ちゃんがケッコーとモウケッコーを見つめていることに気がつきました。

渡してあげるとうれしそう。

しっかりつかんで離さなくなってしまいました。

ネネリはどうしたものかしらと考えました。


赤ちゃんそれぞれに食事を挙げたいのですが手が足りません。

ランプさん、さっきのお兄さんは?

お館様? あのヒト役に立つかなぁ。

ひどい言いぐさではないか。

青年がやってきました。

青年ことお館様は

食事をあげるのが大変? じゃあ一人で食べられるくらい大きくしたらいいじゃない。

ぽんぽーん。

赤ちゃんが幼児になりました。

ネネリは思いっきり えー! と声を上げました。

いやいやいやいや。


ネネリは頭を抱えました。

とりあえずゴハンは食べさせてあげないといけません。

ランプにおさじとおわんを出してもらい、よそったゴハンを二人の前に置きました。

上手におさじを使って食べ始めたのを見て、ネネリはほっとしました。


食事が終わった二人を、ネネリは水場へ連れて行きました。

おさじとおわんを洗います。

二人も一緒に洗います。

洗っているうちに遊びだして、二人はぬれてしまいました。

赤ちゃんの時は楽だったのにな。

ネネリは二人を洗って乾かしました。


二人が乾くまで、ネネリは太陽のランプのフタについて考えることにしました。

ケッコーを持つ子に朝、モウケッコーを持つ子に夕方フタを閉めてもらえば良さそうです。

でも、思い通りにいくでしょうか。


乾いた二人を回収して、ネネリは二人にお話をしました。

ケッコーが鳴いたら、ランプのふたを開けるの。

モウケッコーが鳴いたら、ランプのフタを閉めるの。

わかったー。

二人のとても良いお返事が聞こえました。

不安だなー。

えてしてそのような不安は当たるものです。


ぐ~~~~。

ネネリのおなかが鳴りました。

そろそろ太陽に帰ってもらってもよい頃です。

モウケッコー! と鳴く声も響きました。

ぼくがしめるの!

わたしがしめるの!

二人が言い争いを始めてしまいました。

結局ネネリがフタを閉めました。

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