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がらくたたちのじょおう

彼女の名前はエリ。

彼女はいきなり、「この“がらくたたちのくに”の女王として君臨する」とせんげんした。

当然、おおさわぎ。

「ハナ、エリの下僕に選ばれたんだよね……だいじょうぶ?」

「だいじょうぶだよきっと。メイこそ足、だいじょうぶ?」

メイはさっきエリに不自由な左足をおもいっきりけられていた。

「あたしはだいじょうぶ。左足、もとから動かないし感覚もないもん」

「そっか、でも気をつけないとだね」

そろそろエリのところへもどらないと。

エリはからだと動くためのプログラムは正常だから、つよい。逆らったらなにされるか……


「遅いじゃない、ハナ」

「……ごめんなさい」

エリはそれほどきげんがわるいわけじゃないみたいだった。

「それにしても、あんた、見れば見るほどあたしの所有者(マスター)に似てるわ……」

……これ、おこられるの?ほめられてるの?

「今日はいい子だったから、もう行っていいわ。充電しなきゃいけないし」

……なんだったんだろうか……


エリから解放されて、することもないからぼうっとねころんでた。

「ハナー?動いてるかー?」

ロウだ。ボクよりすこしせんぱい。めずらしい男性型だ。

「動いてるよー、ロウ、なにかよう?」

体をおこす。

「や、エリのやつ、ハナにひどいことしてねーかなって」

「さっきおきてからは何もなかったよ」

「そうか……」

「めずらしいね。ロウが他人のしんぱいするなんて」

「おいおい、これでも俺は勉強してるんだぜ?」

「そっか、ロウは“れいせいむじょう”だからおちたんだっけ」

「ヒデーなハナ。いつの話だよ」

ロウはボクのとなりにすわってはなしだした。

「エリのやつ、アマミが目が見えねえって知ってて無茶させてやがんだ」

「アマミがさいきんずっとおびえてたのはそのせい?」

「だろうな。多分、あの調子だとあまりもたねえ。だから、俺は考えた!」

「……なにを?」

「……と、その前にだ。お前は、俺が何を言ってもエリに告げ口しないか?」

「うん……やくそくする」

ロウは、それをきくと、いった。

「エリを、破壊するんだ。バッテリーを抜き取る」


「……え?」

「だから、エリのバッテリー抜き取るんだよ」

「かんたんに言うけどね……むちゃだよ、バッテリーぬくなんて」

エリは外でくらしてたぶん、どうすれば“いたい”かしってる。

ケンカはエリのほうがゆうりだ。ここのみんなはケンカなんてしたことないから。

「止めるなよ、ハナ」

ロウのしんけんな目に、なにもいえなかった。


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