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何も知らない  作者: 梅子


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9/9

写真

「僕なんか見てるんなら、教科書見た方がいいですよ。」

「……。そうかもね。」

「はい。じゃあ。」

「山谷君!」

「……。」

祐介君は、振り返ってはくれた。でも、感情は、分からなかった。いや、私へ向ける感情が、そもそもなかったのかもしれない。

「私…」

私は、何を口走るか、分からなかった。

「落ち着いてください。ちょっとした気の迷いですよ。」

「……。祐介君。」

私は、祐介君が、私を止めてくれたことに感謝しながら、名前を呼ばずにはいられないくらい、飛び出しそうなくらい、壊れそうなくらい、祐介君に、何か言いたかった。

「は、はい…。」

「写真、撮っていいですか?」

「写真?僕の?」

「うん。」

「……。いいですけど、他の人には見せないでください。」

「はい。…。ありがとう。」

パシャリ

「これ、ほんとどうするの?」

祐介君は、写真を確認する私を見て言った。

「見ます。祐介君を。私は…。いや、大丈夫。ありがとう。」

「……。」


「じゃあね。」

「はい。」

「うん。…。また明日。」

「また明日。」

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