59話「原因」
「話とは一体何だ?」
シリルは気になって仕方がない。だが、どこか心配もある。複雑な心境だった。
「ここって応接室ですよね?」
キースが言った。
そう、ここは離宮の応接室だ。
「ええ。ここなら秘密話ができますから。なんせこの部屋は離宮でも一番の防音性を誇る部屋ですからね。」
そうらしい。
というか、ヘレナはどうしてそんなことまで知っているのだろう?
「何の話だ?」
シリルは少し食い気味に聞いた。
「殿下。」
ルーカスが横でシリルを制した。
「説明を始めましょうか。」
いきなり空気が淀んだ。
「先程の、息が苦しい・関節痛・視界の歪みは、魔力が体内で暴走しているときに現れるものです。まぁ、視界の歪みは高熱を出せば誰でもそうなります。でも、アル様とエマ様は違う。37℃台でそんな症状が現れるわけがないのです。つまり、すべての原因は魔力暴走なのです。」
名医ヘレナが言うのだ。ほぼ間違いない。
「ところで、なにか感情が大きく揺れるようなことがございましたか?私はその場にいませんでしたし、本人に聞くと余計に刺激してしまうので、貴方がたに。」
これが本題だ。
ヘレナは原因を特定したいのだ。
「足手まといだと言われて、戦わずに離宮へ避難した。」
「陛下はアル様とエマ様が心配だったのです。」
「戦いたかったのに無力だったと。」
3人は身振り手振りで必死に伝えた。
「なるほど⋯原因はそれですか。」
ヘレナは納得した様子だった。
「シリル様。私も万能ではないですからね?覚えておいてくださいね⋯」
ヘレナは意味ありげな言葉を残した。
「リンのところへ戻りますか。あまり遅いと怒られてしまう。」
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