俺の高校の人魚 1
駅から数キロ 太陽の熱を纏ったアスファルトを歩いて行くとある一つの小さな高校がある。
大泳高等学校
見渡すと広大な海が広がり水泳選手輩出No. 1
大会優勝回数No. 1、水泳強豪校であるこの高校に今日から転校してきた青年がいた。
先生 「転校生を紹介する」
モブA 「お、転校生ってどんなやつだー」
モブB 「楽しみだぜー」
「 炎城 走太(えんじょう そうた )です。名前に走がついてますけど50m走は8.7秒です」
走太の渾身の自己紹介。いや事故紹介に他の生徒からは変な目で見られるようになった。
事故紹介も終わり誰も話しかけてくれない状況に走太は寂しかった。
そんな寂しい気持ちをよそに授業は始まる。
次の授業は水泳だった。
「締めた!次の授業は水泳だ。挽回のチャンス来たじゃん!」
水泳は走太の得意な分野なのだ。
----プール----
大泳高等学校のプールは50mある。
「今から6レースことに分かれてクロール 50m×4本泳いでもらう。それではよーいスタート」
先生の声で一斉に泳ぎ始める生徒たち。みんな順調に泳いでいく。
気がつけばあっという間に走太の番が来ていた。
「ここで 決めれば 卒業まで安定だ! 」
何としてもここで高評価を走太は得たかった。
そして走太の番になる。走太は自分の力を出しきり
精一杯腕を回し、思いっきりバタ足をした。
がむしゃらに泳いだ走太は速かった。
そしてその速さに他の生徒たちは驚いた。
自分が思っていたよりも高評価を得た走太は嬉しかった。そしてその評価を聞きつけた1人の女子生徒が走太の前に現れた。
彼女は大泳の人魚と呼ばれている 速水 海奈 (はやみ みな)だった。




