↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ドラグニカ ~剣と契り~【1stシーズン】  作者: 三城谷
第3章【黒き龍を纏う者】
32/887

第三十一話「霧原 零Ⅵ」

 白衣を身に纏った少女は、水無月――この施設でのドラグニカの研究員。

そして彼女もこの施設に居る者同様、身体のどこかに龍紋を刻んでいる者である。


 「……水無月さん!いったい何を!」

 「あ、くぅちゃんだ!!相変わらず可愛いなぁ~、ほれほれ!」

 「うぎゃぁ!この非常時にどこ触ってるんですか!?」

 「あれ~?少し大きくなったぁ?寄せてあげちゃったのかにゃ~?ん~?」

 「んん……うぅ……やめっ、やんっ!……んあ!」

 

 水無月は咲の身体全体に触れ、胸の辺りを重点的に弄っていた。

みるみる赤くなる咲の様子が楽しいのか、水無月はニヤリと笑みを浮かべて言った。


 「……会いたい人には遭えましたかにゃん?」

 「っ!?いつまで触ってるんですか!!」

 「おっと、怒った?ごめんにゃぁ~?けどね、くぅちゃん……こんな所で油を売ってていいの?」

 「今すぐ、あなたを捕らえれば丸く収まります!生徒会長であり、執行部の名に懸けて!水無月さん、あなたを拘束します!」


 執行部と名乗った瞬間、九条咲の周囲には、黒服に身を包んだ者が現れる。

数人しか居ないが、全員が全員、ドラグニカとしての能力を使う事が出来る。

そして水無月の後ろには、銃を構える藍原桐華の姿もあった。


 「……はぁ~あ、くぅちゃん?それじゃ足りない。その程度の人数じゃ、私を止める事は出来ないにゃぁ!!」

 

 だが水無月はそう言って、いとも簡単に挑んだ黒服を吹き飛ばした。

吹き飛ばした彼女の首から頬には、龍紋が浮かび上がっていたのである。


  ◆


 「……ん、うるせぇな……警報?」


 零は起き上がると、苛立たしげに電子手帳を眺める。

そこには赤く「EMERGENCY!!」という表示が出されていた。


 「何かが遭った、ってのは間違いないみたいだな。まぁ俺には関係無いよな……」


 そう呟いたが、零の脳裏に少女の泣き顔が浮かび上がる。

零は溜息を吐きながら、自分の手を眺めて言うのだった。


 「おい、ウロボロス……」

 『…………』


 声への反応は無い。だが鼓動を打つように龍紋が点滅を繰り返す。

これは意志の受信をしている証拠であり、内側に居るそれと会話が出来る状態。


 「手短に話すぞ。お前の力を俺に寄越せ」

 『…………』

 「チッ……無視か。じゃああの時と同じだ。次はそうだな」


 零は目を細めて、警報の鳴り響いた場所を眺める。

そして何かを含んだ笑みを浮かべて、自分の中に居るそれに言うのだった。


 「――お前が侵食してる部分の中で、需要性の高い物を一つくれてやるよ」

 『…………ッ』


 ドクンと脈が大きく跳ねて、零の目の前に黒く包まれた剣が出現した。

まるで魔法で召喚されたみたいに、床から波紋を立てて突き立っている。

零はそれを握り、寂しさが混ざった笑みをして言った。


 「んじゃ、ヒーローってのをやってみようか。行くぜ、ウロボロス」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。