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融合した世界  作者: 安藤ふじやす
4.それぞれの三年間
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4-74.【初詣】

 前話あらすじ

 連日で訪れたストラトスにより、邪神の眷属ポルヌアが何かをやっているらしいと彰弘は知るのであった。





 皇暦三年の元日。

 朝も早くから央常神社へ向かう参道の両端には様々な出店(でみせ)が並んでおり、そのどれもが参拝客で賑わいを見せている。

 元日の初詣、それに伴う参道を挟むようにして並ぶ出店。このような文化は世界融合前のサンク王国にはなかったわけだが、神社の存在、元日本人、心の拠り所等々と公人私人様々な思惑が絡み合い、結果として二百メートル近くの渋滞という今の状況を作り出していた。

 そしてそんな参道を歩く人々の中に、彰弘たちの姿もある。彼らの目的は勿論参拝だ。

「去年はそれほどでもなかったが、今年は段違いの混み具合だな」

「央常神社の規模を考えますと去年くらいが良かったのではと思いますが、仕方のないことかもしれません」

「時間がかかりそうですね。でも、こういうのも偶になら悪くないかもしれません」

「うんうん」

 央常神社は元々宮司や神主が常駐しない小規模な神社であった。そしてその小規模というところについては今も変わっておらず、比較的空いている参道の中央であっても牛歩のような進みしかできない今の状況を見ると、神社の規模に対する参拝客は多すぎるといえる。

 なお、央常神社への参拝客が大幅に増えたことには理由があった。国之穏姫命の神域であるこの央常神社の境内は季節問わずに過ごしやすく、人の気持ちを穏やかにさせる効果がある。それ故か、商売に失敗した後でこの場所に立ち寄った商人のささくれ立った心を鎮め次の商売を成功させる手助けとなったり、ささいなことで頭に血が上り喧嘩別れとなる寸前だった恋人同士を仲直りさせたりといったことを、この場所はしてきたのである。そしてそれは人々の噂に上るようになり、結果として参拝客の増加に繋がったのであった。

 ちなみに世界の融合による影響で、未だに心に不安を抱えている人たちを何とかしようとしているライズサンク皇国の公人である総合管理庁の職員たちの思惑も、この参拝客増加にひと役買っている。

「二人の言うとおり、偶になら良いかもしれないが……来年からは人が少ないだろう時間帯にしようか」

「もっと朝早く、というのがいいかも。行くときにお店はないかもだけど、帰りには寄れるし」

「まだ出店も出ていない早朝にお詣りして、のんびりした後で帰る、ですか。良いかもしれませんね。のんびりする場所は、この後で影虎さん夫妻や穏姫さんに相談ですが」

「だな。後、団体行動は今回限りにしよう。多くても一桁台か。この視線の中を歩くのは疲れる」

 牛歩のようにゆっくりと進みながら、来年の初詣をどうするか話す彰弘たちに向けられる視線は、驚きやら何やらで多種多様だ。

 現在、彰弘は二十名ほどの人たちと一緒に参道を歩いている。彼の両隣には六花と紫苑がおり、その紫苑側の隣にはクリスティーヌとエレオノールがいた。そしてその後ろには彰弘とストラトスの下で働く、それぞれが揃いの使用人服を着た男と女が規則正しく並んで歩いている。

 これで目立たないわけがない。

 特に女の使用人が来ている服は、元日本人には馴染み深いわけではないが余程情報に疎い者でなければ知っているだろう所謂メイド服――当然、ロングスカート仕様である――であり、その趣味がなくても街中で見かけたら思わず目を向けてしまうだろうというものだ。

「想像して然るべきでした、すみません」

「私たちがご一緒しなければ……申し訳ありません」

 経験がなかったために、今の状況を想像することに考えが向かなかった紫苑が口を開き、使用人と一緒に行動することに慣れているクリスティーヌが彰弘たちのことを考えて謝罪を言葉に出す。

 しかし、彰弘はというと、そんな二人へと首を横に振る。

「気にする必要はないさ。使用人も一緒であることを否定しなかったのは俺だ。まあ、来年は後ろは後ろで個別に行ってもらうとして、こっちはこっちで来れればいいかな。瑞穂や香澄たちもとなると十人になっちまうが、そのくらいなら問題はないだろ」

 今更こんな話題を出してしまった自分に彰弘は苦笑気味に笑う。そんな彼に六花が親指を立て紫苑が頷く。そしてクリスティーヌはほっとしたような微笑を浮かべて、エレオノールが軽く頭を下げる。

 それから暫し談笑しながら、ゆっくりゆっくりと参道を進んだ彰弘たちは、やがて央常神社へ続く石階段前へと辿り着く。

 ちなみにどうでもよいことだが、彰弘とストラトスの下で働く門番を除く使用人の中で全獣人のロソコムだけは初詣に来ていない。彼は折角の一日丸々の休暇だからと惰眠を貪ることを選択したのであった。









 神社の境内も外と同じで賑やかであった。

 社務所では臨時で雇ったのだろう巫女装束の少女が破魔矢やお守りを売っており、なかなかに人気のようだ。また参拝を終え帰る者へと、こちらも臨時雇いと思われる巫女が甘酒を振舞っていた。

 なお、破魔矢やらお守りやらの価格は辛うじて利益が出る程度で、甘酒に至っては完全に無料である。学習所で働く給金に神社への賽銭、そこに総合管理庁からの心の拠り所にできないかという願いがあり、最終的に神主である影虎が価格をそう設定したのであった。

 ともかく、そんな裏事情はともかく、賑わいを見せる境内の片隅に彰弘たちは祈りを捧げ終えた者から順に他の参拝客の邪魔とならないように移動していた。

「さて、これからだが、君らは自由に行動して構わない。俺らはここの神主に話があるから残るが、下の出店を見て周ってもいいし、そこらの公園でのんびりしてもいい。勿論、家に戻ってゆっくり休んでもいいぞ。ともかく、今日は丸一日休暇だから日が変わるまでは自由にして問題はない。では解散」

 洗練された所作で非常に規則正しいこと意外は、どこぞの団体観光客か修学旅行生かという様子の使用人たちは、彰弘の「解散」という言葉で思い思いにその場を立ち去っていく。

 ストラトスの下で働く使用人たちも彰弘の言葉に従ったのは、事前に今日のことをかの先代伯爵も知っており、自分のところの使用人に話をしていたからである。

 それはさておき、使用人各々が立ち去る様子を見ていた彰弘たちに声をかける存在がいた。瑞穂と香澄、そしてその家族である。

「いやー、何というか話しかけづらかったねえ。主に周囲の視線のせいで」

「それは言わなくてもいいよー。……すみません、そんな理由で今まで待ってしまいました」

 半笑いの表情で近付いてくる瑞穂と香澄に、彰弘は自分でも近寄り難いと感じていたため、気にするなと声を返す。

「その様子だと、そっちはもう終わった後だな」

「うん、終わったよ。何となく変な感じだったけどねー」

「改めてお詣りすると変な感じでしたけど。はい、終わりました」

 この央常神社は国之穏姫命を祀る神社だ。そして彰弘もそうだが変な感じと表した瑞穂と香澄、ついでに言うなら六花と紫苑も、その一柱と顔見知りであるだけでなく相当に仲が良いので、今更普通に参拝するという行為にどことなく違和感みたいなものを感じていたのである。

「ま、分からないでもない。それはそれとして、明けましておめでとう、今年もよろしくな二人とも。正二さんたちも、去年はいろいろと世話になったけど、今年もよろしく」

 二人に同意しつつ彰弘は新年最初の顔合わせということで、お決まりの挨拶を行う。すると、それまですっかり忘れていたというような慌てぶりで瑞穂と香澄が挨拶を行った。

 その様子に失笑しつつ、この場に来た、またこの場に残った面々がお互いに新年の挨拶を交し合う。

 そうして挨拶が一段落ついたところで正二が声を出した。

「では、私たちはここらで失礼します。正志が新年早々アリーセちゃんたちと遊ぶ約束をしてまして、送ってきます」

「なかなかやるじゃないか。まあ、分かった。またな」

「ふふふ。ほんとーに」

「ええ。それでは瑞穂と香澄をお願いします。二人とも、暗くなる前には帰って来るんだよ」

「「はーい」」

 笑みで了承する彰弘に夫婦揃って笑顔を見せる正二と瑞希。そしてそれに声を揃えた瑞穂と香澄。

 名前を出された正志は恥ずかしいのか、そっぽを向いていた。

「ああ、そうそう彰弘さん、影虎さんからの伝言です。お話したいことがあるので、裏口から社務所へ来てくださいだそうです。では、今度こそ本当に失礼します」

 言い忘れていた伝言を彰弘に伝えた正二は、瑞希と正志と一緒に石階段へと向かう。

 その背中を見送り、姿が見えなくなったところで彰弘は残った面々へと向き直る。

「さてと、どうするか。元々影虎さんたちには挨拶をするつもりだったが……態々ご指名となると俺一人の方がいいんだろうな」

「おおー、なんだろ?」

 彰弘が悩むそぶりを見せ、六花が小首をこてんと傾げる。

 そしてその場の皆が、何の用事なのかと思っているところに聞きなれた声がかけられた。

「別に彰弘さんが一人でなくても良いのですが、金銭に関わることですので、大勢の前で話すものではないということなのよ。明けましておめでとうございます、皆さん」

「おめでとうなのじゃ!」

 彰弘たちが顔を向けると、そこには影虎の妻である瑠璃と央常神社に祀られている国之穏姫命の分身体である穏姫が立っていた。

 そして再び挨拶合戦となるも、それはすぐに終わる。

「金銭ねえ……さっきちらっと見ただけだが、お守りやらの売上げってわけじゃなさそうだし、賽銭あたりか? まあ聞けば分かるか」

「ええ、そうしてくださいな。男が面倒な話をしている間、私たちはお喋りしながら家でお料理でもしてましょう。もうすぐお昼ですからね、どうせだから一緒に食べましょ」

 にっこりと笑う瑠璃に彰弘は頷いてから六花たちの顔を順に見る。

 どうやらおおむね問題はないようであった。

 人によっては嫌な顔をしたりするかもしれないのだが、六花たちにとっては彰弘に手料理を振舞う滅多にない機会であったのだから、気合が入ることはあれど断る理由はなかったのである。

 ただ、困惑の表情を浮かべている者もいた。それはクリスティーヌとエレオノールである。この二人はこの神社に来るのも初めてで、瑠璃や穏姫と会うのも初めてであった。そのため、自分たちも参加しても良いのか判断ができなかったのである。

「あらあら、ごめんなさいね。馴染んでいて違和感がなかったものですから、つい。どう、あなたたちも一緒に。料理はともかくとして、一緒にお喋りしましょ」

 瑠璃の言葉にそんなに馴染んでいたのだろうかと考えつつも、断る理由もないためクリスティーヌが笑みが戻った顔でまず頷き、それを見てからエレオノールも「よろしくお願いします」と頭を下げる。

 そんな感じで話は纏まり、六花たちが気合の入った顔で影虎夫妻と穏姫が生活する家へと向かう。その姿を軽く見送った彰弘は、その後で影虎が待つ社務所へと足を向けるのであった。









 社務所の裏手にまできた彰弘は裏口のドアを拳でノックする。

 すると待ち構えていたかのようなタイミングで、そのドアが開かれ影虎が顔を出した。

「明けましておめでとうございます。今年もよろしく、ってとこですが、もしかして待っていたり?」

「明けましておめでとうございます。こちらこそよろしく。いえいえ、ちょうどトイレの帰りでして、通りがかったらノックの音が聞こえたんですよ。それはそれとして、どうぞ中へ」

 妙に良いタイミングだと失笑しつつ彰弘は、ブーツを脱ぎスリッパに履き替えて社務所へと上がる。

「とりあえず、いつもの部屋で待っていてください。私は来客中であることを手伝ってもらっている方々に伝えてきます」

 そういうや否や売り場にもなっている社務所の正面へと歩いていく影虎を目で追いつつ、彰弘は先ほど彼から言われた部屋へと移動する。

 彰弘が入った部屋は畳敷きだ。部屋で中央にちゃぶ台が置かれており、座布団がそれを囲むように置かれている。既に何度も訪れており、その度にこの部屋で雑談などをしているため、ある意味で新しく自分の家となった場所よりも余程落ち着くことができる。

「さてさて、どんな話なんだろうな」

 座布団の上に座り、ちゃぶ台に肘を乗せて思わずそんなことを呟く彰弘。

 そしてそんな呟きは、来客を告げて戻ってきた影虎に聞かれたようだ。

「そう、あなたが悩むような話じゃありませんよ。今、お茶を入れますね」

 やってきた影虎は座らずに部屋の端に行き、急須に新しい茶葉を入れる。そしてそこにお湯も沸かすこともできる魔導具の保温ポットからお湯を注ぐと、彰弘の正面に急須と湯呑みを乗せたお盆を持ってきて座った。

 湯冷ましやらを省いてはいるが、今回影虎が急須に入れた茶葉はこれで十分に味も香りも楽しめるものだから特に問題はない。そしてそのことは頻繁にここを訪れている彰弘も知っていた。

「やっぱ、こういうのが落ち着くよな」

「新しい家はまだまだ馴染みませんか」

「広いし、使用人はいるし、隣は先代領主だからな。時間がかかりそうだよ」

「あはは。それはそれは。まあ、いずれ慣れるでしょう」

 そんな感じで雑談を彰弘と影虎は続けていたが、頃合いを見て彰弘が本題は何かを問う言葉を出す。

「最初に言いましたが、あなたが悩む話じゃないですよ。話というのは二つです。まずあなたに直接関係のあることですが、これは穏姫からの伝言です。『とりあえず、まだ一つも壊れていないから大丈夫じゃ』だそうですよ」

「流石は神様お見通しってことか」

 昨年のストラトスと話たことにより、彰弘は自分が感じた視線が邪神の眷属であるポルヌアのものだと知った。そしてそれにより、実は自分が気づかぬ内に何らかの攻撃を受けているのかもしれないと考えていたのだ。

 ポルヌアの攻撃を防ぐことのできる魔導具は、その攻撃を受けると消滅してしまうので目で見れば実際にどうだったのか分かるのだが、魔導具は一部を除いて防具に完全に埋め込んでいる。確認するためには一度防具を壊すと同等の段階まで解体する必要があるので彰弘は今まで確認をしなかったのである。

 なお、防具が完成した後で魔導具が使用される順番を穏姫が設定していた。最初に首から下げたものが効果を発揮し、その後グローブ、ブーツと続いて胴体部分のものが最後に効果を発揮という順番である。このことがあったので、彰弘は多少の不安を抱えながらも大丈夫だろうと他の魔導具を確認することなくきたのであった。

 ちなみに、魔導具を簡単に確認できるような防具にするという案もあったが、それだと防御力などに不安が出るために見送っている。彰弘が相手をするのは何もポルヌアだけではないため、それだけのことを考えるわけにはいかなかったのであった。

「ん? もしかして俺一人だけを呼んだのはこのためか?」

「ご明察。彰弘さんはあの子たちに余計な心配をさせたくないでしょう? いずれはバレてしまうかもしれませんし、知ったら怒るかもしれませんが……とりあえず今は、ね」

「そうだな。助かる。(穏姫、ありがとな)」

「(どういたしましてじゃ! と、ぬあ、指切った。うう、集中するからこれ以上の念話は不要じゃぞ。というかいらぬからな、ではな。影虎とともに楽しみにしておれ)」

「……」

「どうかしましたか?」

「穏姫にお礼を言ったら、そのせいか指を切ったらしい」

「念話ですか。それにしても、穏姫は相変わらずですねえ」

 そう言う影虎の声と表情は、見方によっては苦笑しているようにしか見えないが、そこには確かな慈しみがある。

 神の分身体である穏姫を、間違いなく自分たちの愛する娘として受け入れている証拠がそこにあった。

「まあ、楽しみにしていろと影虎さん向けにも言ってたから、楽しみに待つとしようか」

「そうですねえ。不器用ではありますが、少しずつすこーしずつ上達はしていますから、今回も楽しみにしていましょうかねぇ」

「なんか先が長そうだな」

「ははは、そうかもしれません」

 そんなこんなで彰弘と影虎の話は進んでいき昼飯時となり、二人は影虎たちが生活する家へと向かう。

 そこで待っていたのは不安気な顔の少女たちと微笑む瑠璃がおり、その前のテーブルには多少大きさが不揃いな野菜が入った豚汁――豚の肉ではなくオークの肉だが――と、これまた少し形が歪なコロッケに付け合せのキャベツ、それから白米という定番に挙げられる料理が並んでいた。

 なお、この料理は普通に美味かったようだ。形が不揃いであるにも関わらず均等に火が入っており食感も悪くない。味付けにしても濃すぎず薄すぎず丁度良いときている。彰弘と影虎が完食し満足したそれは、少女たちの想いと瑠璃の技術の賜物なのであった。









 さて、それはそれとして、この流れでは余談となってしまうが、影虎が言っていた話の二つある内のもう一つは賽銭箱に入れられた賽銭についてである。

 ここ数か月、央常神社の賽銭箱には結構な額の賽銭が入れられていた。それは商売に失敗したが持ち直し成功することができている商人や喧嘩別れを回避した男女。それ以外でも神社の境内で穏やかな気持ちになれたことで何らかの成功をした貴族やら何やらがお礼などの名目でお詣りに定期的に来て入れているのだ。更にはそれらの噂を聞き自分もあやかろうとする人々なども、それぞれの懐具合に応じてお金を入れていく。その結果が預けに行くにも、持ち歩くのが怖くなる程度には高額な現金であった。

 影虎の話とは、現金を総合管理庁に預けに行くときに彰弘に一緒に付いてきてもらいたいというものである。ついでに言えば、この世界には硬貨しか存在しないため、持ち運びもお願いしたかったのだ。

 神主としての役割だけでなく学習所の仕事もあり、賽銭のことをすっかり忘れていた影虎たちの落ち度ではあったが、運ぶのはマジックバングルがあるため手間ではないし、護衛についても街中を移動するだけなので別に面倒でもなんでもない。

 そのため彰弘は特に反対意見を出すこともなく、影虎のお願いを引き受けたのであった。

 ちなみに更なる余談だが、ライズサンク皇国での金銭の預入は総合管理庁や各ギルドなどで必要な手続きをすれば誰でも可能である。ただし、あくまで預け賃を支払うことで預かってもらうことができるだけで、利子が付くようなことも別の街で引き出すこともできない。利点としては預けた金銭は全額が保障されるということだが、それ以外は本当に預けることができるだけの機能しかないのが、ライズサンク皇国の、いやこの世界の標準的な仕様であった。

 ともかく、彰弘は影虎の頼みを引き受けて、今の賑わいが一段落ついたら影虎の護衛をすることにしたのである。

お読みいただき、ありがとうございます。



次回はグラスウェル魔法学園編。

それはそれとして眠いねぇ。

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