第五層:強欲なオーク
前回までの女神ダイスは――
・ゴブリンが一杯いて大変だった。
・月読様のスキルは意外と効果がある。
・GMは神 (すごくかわいい)
第五層についた。
「第五層、到達ボーナスじゃ」
「へえ、また原点の巫女服系に立ち返ったんですね」
「こういうの好きじゃろ?」
「天照様と月読様の魅力が限界突破しています」
「もっと言え」「ふふふ、お上手ですわ」
「身体にフィットする事で出る曲線も美しい」
「来たぞ」「来ましたね」
「女性本来の美しさであるボディラインを巧みに引き出している」
「はいセクハラ」「もう着替えますねー」
「待って!デザイナーに会わせて!」
「?」「?」
「彼とは絶対に良い仕事ができる。上等な梅酒を酌み交わしたい」
「何いっとんじゃこいつ」
「もっと捻ることで曲線美を最大化して欲しい。もっと殺す気で!」
「ダブル早着替え!」
「あー凡巫女服じゃん。許せねえ。デザイナーを侮辱してる。彼に謝って」
「ダブルインビジブル!」
「透明にならないで。あれでも逆に想像力が刺激されるかも」
「わらわも月読もこのままで問題無いぞ」
「天照!天照!」
「ジェネリック天照やめろ。わらわたちが見たいなら見たいと言え」
「正直、高い可能性でこの迷宮で死ぬと思ってるんですけど」
「?」「!」
「死ぬ前に見るのは天照様と月読様がいいなあ」
「しょーがないにゃあ」「月読ですにゃあ」
「急に猫属性を盛り込むの止めて貰っていいですか。わけがわからない」
「天罰!」「神罰!」
「でも好き」
「……はぁ」「……もぅ」
「あっちょっと!静かに!敵がいる」
壁際からそっと覗くを繰り返している内に、巨大なオークを発見した。
それは身長三メートルを優に超えるオークだった。
禿げた頭、
樽のような身体。
丸太のような手足。
そして背後には、錆びた鉄扉。
おそらく宝物庫か第六層に続いているのだろう。
「一度、引き返します」
「また?」
「さっきのゴブリンを片付けます」
「ボス目の前じゃぞ!?」
「戦闘の経験数を増やします。戦い慣れすれば勝ち筋が増えると思うので」
四層に戻り残ったゴブリンを各個撃破を狙う。
### 1d100
成功範囲:1~60
――52。
「成功!」
なるべく一体ずつ倒す。
銀貨。
酒。
焼いた肉
干し肉が手に入った。
何の肉かわからないのは不本意だが背に腹は代えられない。
食べて体力を回復する。
酒はうええ、変なにおいがする。
そして。
「もう一度、これまで来た層を徹底探索します」
「本当に行くのか?」
「行きます」
「主様、一階の猛毒ネズミには気をつけてくださいね」
そんな名前だっけな。まあいいか。
隠し部屋を発見した。
金貨を発見した。
食料鑑定<初級>を手に入れた。
保存食を見つけた。
ドライフルーツを見つけた。
仮眠を取った。
毒ネズミから逃げた。
青いスライムを倒した。
無色スライムを倒した。
岩塩を見つけた。
ゴブリンを倒した。
ゴブリンキングを倒した。
体温調整のスキル<初級>を手に入れた。
磨き石を見つけた。
金貨を見つけた。
食べられる茸を見つけて焼いて食べた。
泉で水分を補給した。
空き容器を水筒にした。
「磨き石は地味に効果が大きいぞ」
「そうなんですが」
「使えば武器が強くなる」
「終盤までとっておきたくなるやつですね」
「これでオークに挑めますね」
「うーん。もったいないなあ。ちょっと考えます」
---
オークの前。
道具袋を見る。
「お金を利用します」
「え?」
### 1d100
成功範囲:1~80
――68。
「成功!」
銀貨をオークから見えるところまで静かに転がした。
オークは不思議そうに拾う。
その視線の先に次の銀貨がある。
オークはまた拾いにいく。
それを繰り返していくと、珍しい!オークは黄金に光る金貨を見つけた!
強欲なオークは大喜びで金貨へと向かう。
急いで屈んで、満面の笑みで金貨をさわったと思った瞬間。
一閃。
オークの首の骨は無事、砕けていた。
「通路に隠れて目の前の首をチェストするだけの仕事」
「無音チェストじゃな」
「首筋狙ったのに、骨を断つまでで精一杯か。オーク固すぎる」
「強いからオークと呼ばれておる。オーガと間違われることもある」
「一種の鬼みたいなものですか」
「そうですわ」
「鬼のように強かったです」
【獲得】
・鉄扉の鍵
・オークの巨大戦斧
・オークの厚鉄鎧
「オークシリーズの武具、サイズがデカすぎて持って行けませんね」
「リアリティあるじゃろ」
「誰得」
「急にちっちゃくなるのはおかしい」
「わかる」
そして鉄の扉の向こうへ。
「宝箱だ!」
「良かったな」
「ふふふ。すごく大きいですね。」
「きっといっぱい入っとるな」
「蓋が凄く重い」
「主様こまりましたねえ」
「キングベッドサイズの鉄の宝箱かよ。なんで蓋がこんなに重いんだよ!」
「オーク専用じゃな。鍵が無いのが潔い。自信に満ち溢れとるな」
「蓋、全然動かねえ。人間で何とかなる重さじゃない。重機がいる」
「あるわけなかろう」
「単純な仕組みだけどセキュリティ完璧じゃん。すげえなあのオーク」
「リスペクトは大事ですわ」
「もう少し様子みて、宝箱の蓋を開けるまで泳がしておけば良かった」
「倒す機会を逃す思考じゃ」
「ダイス! 腕力判定でダイス振らせて!」
「無理じゃ、蓋然性の欠片もない」
「ダーイス!」
「ふふふ。四面ダイスでいいですか」
「次の階層で重機ゲットしてやる」
「無いものを願うな」
すごく面白い次の話に続く。
【世界観の解説】
・天照 (あまてらす)
すごくかわいい。
おだてられると弱い。
・月読 (つきよみ)
すごくかわいい。
おだてられると強い。
・食料鑑定<初級>
試行錯誤の繰り返しで到達した。
鑑定によりぎりぎり食べられる事にも挑めるようになった。
結果、食べても体調を崩さない、「悪食」の範囲が強くなった。
・体温調整のスキル<初級>
人間の生存可能な温度範囲はせまいので凄く重要なスキル。
主人公は最初このスキルがもたらす快適さに驚いたが
慣れてこのスキルの存在を段々認識しなくなった。
・オーク
恐ろしく強い。
ちょっと賢い。
正面から挑んで人間が勝てる相手ではない。
・オークの宝箱
単純に蓋が重くて開かない。
ゴブリンによる解錠や盗みへの対策を繰り返す内に、不敗の宝箱に到達した。
実はオークがいなくても、ダイス次第で開ける方法がある。
貴方の知恵とダイスは、オークの宝箱に勝てるかな?
(もちろん、ダイスを使わない方法もあるかもしれない)
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