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12月15日(木) アコーダンス

 あの韓国料理屋は当たりだった。トーピードもいたく満足していたようで何よりだ。彼女は辛いものが好きだからな、もっともこれは、ヴァンピールの特性として味覚が俺達より鈍いせいもあるだろうが。

 あと、酔ってたのはお前も変わらんだろうが。あっちの焼酎は甘いから、気付けば酔いが回って危ない。


 以前、アンシャンテと話してた時に彼女が言っていたが、曰くミスター・モナコは「絶対に非童貞、寝なくても分かる」だそうだ。淫魔が言うんだから間違いない。

 韓国料理屋で飲んでいた時、トーピードが笑いながら「モニーが可愛いと思わねえか?」と尋ねてきた。つまりは、そう言うことだ。


 確かに、南の島へ緩んだ体へ行くのもだらしないな。

 さっき事務所でシングルレッグ・プッシュアップをしていたら、妖精達が乗ってきたのは糸屑が付いているほども堪えないから、それはいい。途中で面白がったロベルタとマルキまで背中に跨ってキャーキャー笑ってるものだから、俺がクロックにどやされた。おかげでたった127回で中断だ。

 あんな雑種吸血鬼、誰かを乗せるどころか、ウォール・プッシュアップですら、3回もすれば指一本動かせなくなるに決まってる。


 ここのところ寒くなってブランケットがよく出ているから注意しろ。マルキがうっかり、品切れなのにオーダーを受けたもんだから、ピクシー達から散々嫌味を言われていた。あの小人ども、労働争議が失敗して以来、益々性格が悪くなったように思わないか……いや、奴らは元々扱いにくい存在だ。


 金曜からVIPが宿泊する。1315号室から1318号室まで。この前トーピードと一緒に立ち会いをした、あのミラノから来た吸血鬼兄妹だ。連中だけじゃなく、ソノラとスティンガーのモルナール兄弟を始め、街のヴァッピーや古株吸血鬼がかなり集結する。

 とは言っても、いつもながらの乱痴気騒ぎをする訳じゃないらしい。今回もまた、ボディガードとして参加するトーピード曰く、ブランディング(編註:吸血鬼等が獲物に対して自分のものだと言う印をつけること。眷属化より拘束力は弱いが、ブランディングした相手に他者が手を出すことは非常なマナー違反とされる)をやるそうだ。


 そして、驚くなよ。あの兄妹にブランディングされるのが、他ならぬミスター・モナコだという。


 つまり、こう言うことだ。フランスで慈善活動に勤しんでいたファーザー・モナコは、不運にも自分が救うべきゾンビに噛まれた。そのままヴァチカンの手でへ闇に葬り去られるところだったのを、直前に生きたいとの思いが信仰を上回り、かつて敵対したトーピードに助けを求めた。で、トーピードが話を持ち込んだのが、ミラノの夜に咲く花、シンフォニーとファンタジアのネビアーニ兄妹って訳さ。

 もちろん、既に教皇側とは約定が結ばれている(それがこの前の会見って訳だ)過酷な透析実験の被験体になりながら、残虐な吸血鬼の玩具にされる。兄妹はしばらく(つまり少なくとも数十年は)ニュー・アンジェに滞在するそうだから、その間、ヴァチカンは彼に手を出せない。同時に吸血鬼は、このスキャンダルに対する全責任を負う。


 今思えば、ゾンビをブランディングすることは可能だと言うことが驚きだ。確かに吸血鬼の連中は俺達以上にゾンビ・ウイルスへの耐性が強い、と言うか、奴らも肉体的には死体だからな。血を吸っても感染することはない。なら逆はどうなんだ。


 それにしてもミスター・モナコ、こっちの世界へ取り込まれて、よくものうのうと生きてられるもんだ。俺なら間違いなく誇りと死を選んでいる。

 

 ホームページはサーバー落ちしたんだろう。それにホテルのWi-Fiは電波が弱いからな。ポーンハブもしょっちゅうおかしなところでフリーズして萎えることこの上ない。


$1,592.54

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