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母へ  作者: 火水
25/25

あの時の母へ

私が幼い頃、怖くて大好きな『ゴジラ』を上映していた 

古い映画館を思い出す


最後に観に行ったのは、

私が、息子と娘とともに観た

『ジュブナイル』だった 


あの頃は、父の容態も悪く

母は、私たちを映画館まで車で送り届けてくれて

映画も観ずに戻って行った


古い映画館にいたのは、私と娘と息子

そして、もうひとつの家族の3人くらいだった


幼い娘と息子に、トイレに行く事を促し

自分も入ったトイレに


夏を感じさせる、カマキリがいた 




映画が、終わる

しかし、そのエンドロールをしっかり観ていた私たちに

母は、その映画館に登場したのだ


『さぁ、帰ろう

じいちゃん待っているから、

終わったんでしょ?帰りましょうよ』

と、

『ええ?やめろよー』

と、私は思い

その思いが伝わったのか

娘と息子は、母に向かって  

『『シー!』』

と、している

声も、出ている


母は

「え?何で?」

と、エンドロールの余韻は分かっていない

「おじいちゃんが、早く迎えに行ってやれと言っているし…」


あの状況で、本当に申し訳なかったのは、

あの場所で私たち家族と、映画を観ていた

あのご家族だ


とても、柔らかく去っていかれた

(時を重ねても、未だに申し訳ないと思う)


母も、自分の厚かましさを悔いたところもあったと思うのだけれど

映画館の方と少しお話する事ができた

この映画館は、近く閉館するという事


その話に

母はとても寂しそうであった事



とても失礼な母に対して

私は、来るべき母の死を思い

この、迷惑な思い出も又

彼女の事を懐かしむのではないか

と、思った






その映画館は閉館され

最後に上映したのは

『ドラえもん』

と聞きます

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