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母へ  作者: 火水
20/25

火葬場 4

少女の顔は、

少し笑みをもっていて、

それが、大人の私にはとても痛々しく


「大丈夫、何もしなくても大丈夫だよ」

と、伝えるのが精一杯だった


火葬されるまで待つ時間は、長く

大人も、無言の時が流れた


『どうぞ』と、促され

骨揚げの儀式のその時には、

小さな弟は、遊び疲れたのか眠ってしまったようだ


私は、その少女と共に骨揚げをした


少女の母の命を奪った『乳癌』だったと聞く

綺麗で大きな骨に

母としての、無念さを想う

(まだ、頑張れると思っていた)



関東の、全骨の入った骨壷

小学生の小さく細い腕には、とても重かっただろうに


当時小学中学年の少女は、ブレる事なく重さを感じさせないくらい

しっかりと、母の遺骨を抱き


遺影を持つ父親と、その父親に寝ぼけてぶら下がるような弟と共に

最後まで残った、私たち参列者に一礼をし

去って行った









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