83.女王救出
自動で壊れた橋を直した。
俺たちは橋を渡って、マギア・クィフの西側へと向かう。
ウェンストランドという、西側の中心都市へと向かって竜車を進めている、そのときだ。
ぴくんっ、とハーフエルフのミュゼが、耳を動かす。
「ヒラク様」
「わかった。フレイ」
「わかりました!」
どうやら敵が、誰かを襲ってるようだった。
俺はフレイにそこまで道案内を頼む。
「ちょ、ちょちょ、なになに!? わかる言葉で話してよ!」
「アーネット、ちょっと出てくる。君はミュゼとあとから来てくれ」
「え、え!?」
俺は窓から降りる。
フレイがフェンリル姿へと変化した。
そのまま俺を背中に乗せて、目的地へと走り出す。
俺はスキル、天網恢々を発動。
周辺のマップが表示される。
「ふむ、ここか」
複数体の魔物が、一人の人間を取り囲んでいるのがわかった。
俺はフレイに指示を出し現場へと急行。
しばらくすると生い茂る木々が密集する、森にさしかかった。
フレイは木々の間を実になめらかに、かつ迅速に現場へと俺を連れて行く。
『父上さま!』
「ご苦労」
俺は飛び上がる。
そこには、複数体の小型ドラゴンが居て、少女を襲っているところだった。
「目標視認。転移門」
俺の目の前に、転移門が複数個出現。
聖剣レーヴァテインを手にとって、一閃。
氷の槍が転移門をとおり……。
竜だけを正確に絶命させた。
俺は地上へと降り、少女の元へと向かう。
「ケガはないか?」
「え……? あ、はい……ありがとう、ございます……」
一見すると10歳蔵の少女だ。
丸眼鏡をかけている。耳が人間よりも尖った形をしていた。多分人間ではないのだろう。
「あぶないところを、助けてくれて、どうもありがとね」
「ああ」
しゃべり方から、見た目より年齢が上なのだと直感した。
「ケガしているな」
「え? ああ、これくらいたいしたことないよ」
ステータスを開く。
~~~~~~
エイダ(2300)
【状態】
骨折
~~~~~~
……ふむ。
ツッコミどころはおおいが、とりあえず後回しだ。
俺はステータスを書き換える、すると……。
「わっ、わわ! なんだい、ボクの腕が、治ってる……?」
「やはり骨折していたのではないか」
「あはは……ごめんね……てゆーか君、すごいね!」
エイダはキラキラした目しながら、俺に顔を近づけてくる。
「今のは治癒魔法じゃあないよね!? 完全回復薬でもないし、え、なに!? 何をしたんだい!? 教えてくれよ!」
……ふむ、どうやら知的好奇心の強い子みたいだな。
いや、2300歳の時点で、子、ではないだろうが。
「ヒラクくーん! 大丈夫だったー?」
ミュゼたちを載せた馬車が近づいてきた。
アーネットはそして、俺が今直した女を観て、ぎょっ、目を剥く。
「え、えええ、エイダ様!?」
「ふむ、知り合いか?」
「し、知り合いもなにも……その人はハイ・エルフのエイダ女王陛下じゃあないの!」
……ふむ。
女王……だと。この、ちびっこが……?
「そう! ボクがここのトップ、エイダ・サリンジャー。よろしくね!」




