82.自動修復
西の町ウェストランドへと向かう。
ガラガラと竜車に揺られていると……。
ぱきんっ!
「ふむ。結界が壊れたようだな。ここが街と街の境目か」
「ほんと、自動結界破りやばすぎるでしょ……」
俺の【開】は現在、弱い結界なら自動で開くことができるようにまで進化してる。
「あのねヒラクくん、簡単に破壊してるけど、マギア・クィフの結界魔法って凄い高度で、硬度なのよ?」
「わかっているさ。俺の力が強いだけだと。だがより強力な敵が来る可能性を加味するなら、もっと結界を強化しないとな」
「いやあんた以上に強いやつなんて……」
「いるさ」
邪神ギンヌンガガプ。
そして、【閉】ことトザース。
やつらが攻めてきたときに、対処できるようにせねばな。
「理想高すぎる……」
「そうだろうか。君たちなら出来ると思うが」
「できない……と言い切れないのがね。【開拓者】だっけ? 潜在能力をひきだすやつ」
【開】の進化した力、【開拓者】。
俺はサザンの街を出る前に、街の人たちの潜在能力を引き出してきたのだ。
「サザンのみんな、凄いやる気出してたなぁ」
「ああ。いずれ凄い結界を構築するようになるだろう」
「なんかサザンの街へ行くの、怖いな……どんな風に変わってるのか見たくない……」
ややあって。
大きな橋にさしかかった。しかし……。
「ふむ、橋が壊れてるな」
幅広い川が広がっている。
そこにかかっているはずの橋は、途中で壊れていた。
「ヒラクくん、どう……えええええええええええええええええ!?」
壊れている橋が、時を巻き戻すかのように、戻っていったのだ。
「なにこれなにこれ!?」
「ふむ、これも【開】の進化した力だな」
俺は自動で、結界破壊できるようになってる。
それは元を正すと、ステータスを自動で書き換えてるってことだ。
「破損してる物のステータスを、自動で書き換えて、元に戻したのだろう」
「…………」
「どうした?」
頭をかかえて、その場にうずくまるアーネット。
「自動修復とか……なんというか、もう……なに? 何なのヒラクくん? 神さまなの!?」
「いや、勇者だが」
「自動で結界を破壊したり、物を治したりできる勇者がどこにいるのよ!」
「ここにいるが」
「そうじゃなくてさぁああああ!」
何をきれてるのだろうか。
まあ、文献に出てくる勇者とは、魔王を倒すものであって、こんな変な力はもっていないだろうが。




