第1話:転生錬金術師は確かめる
「……ん」
あれから何時間が経ったのかわからないが、信じられないことに俺は目を覚ました。
十トンはありそうな大型トラックに跳ねられれば、ぐちゃぐちゃになっていてもおかしくないのだが、不思議なことにまったく痛みを感じない。
それどころか、身体中を見回してもどこにも怪我はなかった。
「どうなってるんだ……? っていうか、ここはどこだ……?」
どうやら、俺はどこかわからない森の中でさっきまで眠っていたようだった。
全部夢だったのか……? いや、それはないな。
俺が寝る場所といえば会社のオフィスか自宅なのだが、明らかにここはそのどちらでもなかった。
さすがに疲れた俺でも無意識に森に行って眠るようなことはしない。
——ということは、異世界転生か?
漫画やアニメではありふれた話である。
子供に転生する形ではないが、あの時は確実にトラックに跳ねられて死んだし、少し若返っている気もする。
この活力は、高校生の頃を思い出す。
近くにはウルフの魔物のような生き物もいるようだし、少なくとも日本のどこかというわけではなさそうだ。
と、それはともかく。
もしここが異世界だというのなら、試しておかないといけないことがあるな。
『ステータス・オープン』と念じることで能力値を確認できるという噂を聞いたことがある。
試してみよう。
——ステータス・オープン。
すると、目の前にまるでゲームのウィンドウのようなものが現れた。
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◆ステータス
名前:佐藤慎也
ジョブ:錬金術師
レベル:1
保有SP:4320
保有スキル:
○特殊スキル
『錬金術Lv.∞』『アイテムスロットLv.∞』
攻撃力:F
防御力:F
攻撃速度:F
移動速度:F
魔法攻撃力:F
魔法抵抗力:F
生命力:F
魔力量:F
[Page2へ]
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本当にステータスを見ることができた。
名前以外に関しては全て見慣れないものだ。
俺のジョブは錬金術師という、さっきちょうどソシャゲのガチャで出てきたキャラと同じものになっている。
……偶然かもしれないが。
スキルはLv.∞なんて付いていて少し強そうだが、ステータスはFばかりが並んでいて、とても強そうには見えない。
そもそもまだレベルが1なので、レベルアップすることで上がっていくものなのかもしれない。
アイテムスロットLv.∞というのは、無制限にアイテムスロットを使うことができるスキルらしい。
もう一つの錬金術Lv.∞はスキルを強化したり、アイテムを調合したりすることができるスキルだということもわかった。
[Page1]をタップすると、ウィンドウが切り替わった。
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◆スキルツリー
○攻撃魔法(習得可能)
『火球Lv.1』『水球Lv.1』『風球Lv.1』『地球Lv.1』『聖球Lv.1』『闇球Lv.1』
○物理攻撃(習得可能)
『基本剣技Lv.1』
○パッシブスキル(習得可能)
『攻撃力強化Lv.1』『防御力強化Lv.1』『攻撃速度強化Lv.1』『移動速度強化Lv.1』『魔法攻撃力強化Lv.1』『魔法抵抗力強化Lv,1』『生命力強化Lv.1』『魔力量強化Lv.1』
○その他(習得可能)
なし
[Page1へ]
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現在習得可能なものはこれだけだが、これらのスキルは『錬金術Lv.∞』を使用することで覚えたり、強化をすることでアンロックができるようになるらしい。
スキルの取得や強化にはSP——スキルポイントを使うようだが、どうすれば手に入るのかは謎である。
全てのスキルがそれぞれ1SPで覚えられるようなので、試してみる。
4320SPもあるので、多少使うことは問題ないだろう。
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◆ステータス
名前:佐藤慎也
ジョブ:錬金術師
レベル:1
保有SP:4305
保有スキル:
○特殊スキル
『錬金術Lv.∞』『アイテムスロットLv.∞』
○攻撃魔法
『火球Lv.1』『水球Lv.1』『風球Lv.1』『地球Lv.1』『聖球Lv.1』『闇球Lv.1』
○物理攻撃
『基本剣技Lv.1』
○パッシブスキル
『攻撃力強化Lv.1』『防御力強化Lv.1』『攻撃速度強化Lv.1』『移動速度強化Lv.1』『魔法攻撃力強化Lv.1』『魔法抵抗力強化Lv,1』『生命力強化Lv.1』『魔力量強化Lv.1』
攻撃力:E
防御力:E
攻撃速度:E
移動速度:E
魔法攻撃力:E
魔法抵抗力:E
生命力:E
魔力量:E
[Page2へ]
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パッシブスキルを習得したことで、各種能力値が上昇している。
アルファベットの評価だけじゃなく、少し身体が軽くなり、身のこなしがよくなった感じがする。
一瞬のことだけに、違いがわかりやすい。
スキルのレベルを上げることでさらに強くなることもできるのだろうが、ひとまずこれでどの程度戦えるのか試してみようか。




