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「4番、ピッチャー、勇者」  作者: イベリコ・ザ・ブッチャー


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第1 話 異世界勇者ドラフト指名第一位

 初めまして。イベリコ・ザ・ブッチャーと申します。


 ノクターン方面で少々活動しておりましたが、なろうの方でもデビューさせて頂きます。


 思い付きのアイデアと勢いだけの作品ではありますが読んでいただけると嬉しいです。


 なろう初挑戦用に書いた作品ですので短めですが楽しんで頂ければ幸いです。


 全14話 執筆完了済み まずは3話まで投稿します。

 俺の名は田中 一郎 そこそこレベルの大学に通うごく普通の大学二年生である。


 今、俺は非常に困惑していた。気が付いたら、高校の教室の様なこの部屋で70インチのモニターを前に椅子に座っていた。ついさっき今日の講義が終わり、アパートへ帰って来たはずなのに。


 しかも隣りには全く知らないオッさんが腕を組んで、俺と同じくモニターを見ていた。




「あ、あの…… 」


「静かに……君の運命が決まる瞬間だ。しっかり見ておけ。」


「はあ……?」


「それでは異世界勇者ドラフト指名一位 「田中 一郎」勇者の獲得抽選を行います。」


 あれ?俺の名前……勇者? 


 オッさんが見つめるモニターには、ホテルのパーティ会場の様な場所が写り、スーツ姿の男性三人がくじ引き箱から一枚ずつくじを引くと横並びに立っていた。


 司会?の人の「どうぞ!」のアナウンスで三人は一斉にくじを開け内容を確認する。すると直後に真ん中の男性が右手を突き上げた。


「指名権獲得は「精霊魔導世界 ユグドラシア」!おめでとう御座います。」

 

 画面の中で権利を獲得した男性に大きな拍手とフラッシュの嵐が巻き起こる。その直後、ブッと音を立ててモニターが消えた。


 隣りを見るとオッさんがリモコンでモニターを消していた。


「さて…… 君の召喚される世界が決まった。ユグドラシアか…… 緑豊かな美しい世界だったが今となっては随分と荒れてしまっている様だ。


 相手は……邪神率いる魔族軍か。まあオーソドックスなタイプだな。」


 なんだか俺を置き去りにして話が進んでいる。流れ的になろう系異世界召喚ぽいのだが……


「なんだか勝手に召喚されるぽいんですが、拒否したいんですけど?」


 オッさんにそう伝えると、本当に申し訳無さそうな顔で


「済まない、コレは運命だから拒否は出来ないんだ。その代わり悪い様にはしないから。私の力で圧倒的パワーで活躍出来る様にして送り出すから。心配はいらないぞ?」


いやいや、そうじゃねえ! 俺は嫌だって言ってんだ。


「いや、運命だからって、困りますよ。明日も大学の講義あるんですから。と言うかココ何処なんですか?」


 そう文句を付ける俺を横目にオッさんは何処からか取り出したパッドを見ながら一人云々と唸っていた。


「君の気持ちは良く判るが…… 済まない。私にはどうにも出来ないんだ。ただ君が居なくなった事に関しては心配無い。神より上位の存在が作った君の完璧なコピーが君の人生を全うしてくれる。あ、因みにここは地球側の神界だよ。君だけでは帰れない。私はそこに住まう神のひとりだ。」


「お、俺のコピー?ふざけんな、それならそのコピーを異世界へ送ればいいじゃないか!?」


 思わず口調が荒くなる。


「確かにそれは一理あるんだが…… コピーされた魂では駄目なんだ。勇者の力を発揮するにはオリジナルの君の魂の輝きが必要なんだよ。」


 ぐっ、何ともそれっぽい理由だが、そんな話で納得いく訳が無い。行き場の無い怒りに思わずオッさんを睨んでしまう。


「私が選んだ訳では無いのだが、本当に申し訳無いと思っている。君は……我(・)々(・)神(・)よ(・)り(・)上(・)位(・)の存在に選ばれたんだよ……まあ、実感は湧かないだろうが、非常に名誉な事なんだ。」


本気で申し訳無さそうなオッさんの表情を見て俺は少し落ち着いた。神より上位の存在とやらの決定は神であろうと覆す事は出来ないのだろう。思いがけず見た神界の中間管理職の悲哀が自分の父の姿に重なって見えた。


 俺の父はそれなりな企業の中間管理職だ。その父がよくこぼしていた。「中間管理職は理不尽だらけだ」と。そう思った途端、少し怒りが収まった。


「納得は行きませんが、覆す事が出来ないのも、貴方も苦労してるってのも分かりました。ズバリ聞きますけど、俺のコピーが用意さるてるって事は…… 異世界行ったら帰っては来れない……って事ですよね?」


 オッさんの目を強く見て質問した。


「 理解してくれた上に察しが良くて恐縮なんだが……済まない。正直、勇者として送り込まれたらこの世界には帰っては来れない。

 だが心配しなくていい。たとえ異世界で活躍出来なくても、次の魂の転生時に大幅に査定がアップして、上位世界へ転生出来る様になる。それが選ばれた特典。」


「え?活躍出来なくても? 次回転生?」


「まあ……勇者っても出会い頭の事故とか有る訳よ。特に召喚したての時とか。ほら育つ前にやられる的な?」


「ええっ……」


 テンションの下がって行く俺を置き去りにして、パッドを見るオッさんの独り言が続く。


「ん?うわ〜、ユグドラシアもう陥落寸前じゃ無いか。良く召喚申請通ったな?コレ。召喚場所と日時は……ん、時間無い?あ、コレ駄目なヤツだ。「即戦力」が要るな。特例申請してパラメータポイント倍増っと。


 おっ!! 君運がいいな。ポイント5倍増が通ったぞ?

やっぱユグドラシアが陥ちるのは上的にもマズいんだろうな。」


「あの……」


「ん?ああ、ちょっと静かにしててくれ。大事な所だから。


 まずは……バッティングのパラメータを上げて、「パワーヒッター」と「ジャストミート」「選球眼」を付けとこう。

 ピッチングの方は……「豪腕」と「変幻自在」「コントロール抜群」で行くか。


 守備には「壁際の魔術師」走力には「盗塁王」、スタミナには超回復」って所か。


 で、総合スキルは「二刀流」「逆転王」と、「即戦力」が無いとマズいよな。後、コレとコレ。

 そうそう、道具が無けりゃ始まらないからな。「金属バット召喚」「グローブ召喚」「硬式級無限召喚」


と、まあこんなもんか


 オッさんんの呟きを聞いていたのだが…… どうやら俺の能力をビルドしてくれているのは判るのだが、どうにもファンタジー世界向けでは無い用語が聞こえて来た様な?


 不安を感じた俺は恐る恐る聞いてみたのだが……


「心配無用だ。これだけの能力が有ればどんな世界でも通用する。 因みに異世界ユグドラシアは美人女性が多くてな、君を召喚しようとしている姫も美人でボインだ。で、コレは俺からの餞別だ。「魅力的」と「ホームラン王(夜)」も付けといてやる。姫と仲良くするといい。」


「えっ、マジっすか?」


 美人でボインに反応した俺にオッさんは立ち上がり、右手を差し出して来た。


「そろそろ召喚発動の時間だ。召喚されて即初戦になるだろう。初戦を勝ち抜ける様にしておいたつもりだ。己を信じて本能に従え!そうすれば道が開けるだろう。」


 まだ半分くらいは夢じゃ無かろうか?と思っていた俺だが…… 自分のために色々やってくれたオッさんの言葉にグッと来た。俺も立ち上がり、オッさんと握手する。


「ありがとうございます。この御恩は一生忘れません。ですから最後にお名前教えて頂けますか?」


ガッチリと握手を交わしたオッさんが良い笑顔で答えてくれた。


「私はベイズ ヴォール。地球界では「野球の神」をやっている。本来の異世界転移担当の神がスケジュールのバッティングで来れなくてね。バッティングだけに「野球の神」の私が代打を務めさせてもらった。


 さあ、どうやら時間の様だ。君の活躍に期待しているよ!野球の素晴らしさを異世界で広めて来てくれたまえ!!」


 なんか上手い事言った感あるが、え?野球の神様? 代打? ちょっと待ていい!!


 そう思った瞬間。足元に現れた魔法陣によって、俺の体は異世界へと旅立ったのだった。




 読んで頂きありがとうございます。面白い、読んだ事無い様なストーリーをと頑張って書いております。


 面白かった、先が気になる、と思って頂けたら、ブクマ、星評価、感想お願いいたします。おっさんの励みになりますので。


次回予告!!


野球の神からスキルを与えられて異世界へ送り出された田中一郎。 野球用語で縛られたスキル群は果たして役に立つのか!?


 ヒロイン登場! 一郎に異世界の洗礼が襲い掛かる。


 次回 第2話 「規格外大型新人勇者、衝撃のデビュー戦」

で宜しくどうぞ。


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