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転生概念における願望空想論  作者: coll
ニライカナイ編
97/97

師との再会

1ヶ月以上も投稿してませんが、しっかり生きております。生きている限りエタることは基本ないので、安心して待ち続けてください。

投稿頻度が遅すぎて離れるのは仕方ないと思います。こちらが悪いので。

待たせてしまい本当に申し訳ないです。


転生概念 豆知識34

実はムシュフシュは辛いものが大好き。

「光魔法の出力不調、ですか......」


リャナンシーはムシュフシュの発言で、納得した表情を浮かべる。


「これは光魔法を扱う者にしか治せない物。そりゃあソロモン先生も僕を頼るしかないだろうね......」


「ボクの周りで光魔法を高精度に扱える存在なんて、君以外に思いつかないからね...」


手を腰に当て、困り笑いをするソロモン。どこか自分が光魔法を扱えないことを悔やんでいる様子にも見える。


「光魔法だけ特別なんですか?」


「いや、多分光魔法だけじゃなく、闇魔法も特別だと思うよ」


〝多分...ですか?闇魔法はソロモンでも分からないのですか?〟


ソロモンのその答えに少し疑問が残ったのか、そんな質問をするシフィ。


「昔から闇魔法は魔王しか使えないってのは知ってるでしょ?それが影響してね...多分闇魔法にも何らかの異常が生じるはずなんだけど、ボクはそれを知り得ないんだ...」


「そういえばそうだった...。魔王しか闇魔法は出現しないんだった......」


ソロモンの言葉によってカラはその事を思い出す。


「その理由もまだ分かんないけどね...。まだまだわかんない事だらけだよ......」


未だに分からないことだらけな魔法に対し、困った顔でため息混じりに呟く。


「...それにしても、光魔法を使う人間か......。もうそんなに時が経ったのか?」


「仕方ないよ。あれからもう何百年も経ってるし」


皆、声の方を見ると、いつの間にかローレライがそこにいた。


「...ロ、ローレライ!?驚いた...!久しぶりだね!」


「やほ。久しぶり先生」


ソロモンに会えて嬉しかったのか、かなり身体を引っ付かせて抱きつくローレライ。そんなローレライを拒まず、微笑んで頭を撫でるソロモン。


「ライニグがこの世界に現れてから600年が経過したからね...。時が経つのは早いよ」


「そうですね...。あれから600年......やはり時が経つのは早いです...」


ムシュフシュに治療されるリノアを見つめながら、懐かしむような表情をするリャナンシー達妖精王。


〝そういえばナックラヴィーさんは何処に...?〟


「あの人は...」


「あの一ツ目なら一人でほっつき歩いてるよ〜...」


リャナンシーが答えようとしたが、ローレライが代わりに答える。


「...そうなの?やっぱりあの人はお1人がお好きなのね...」


「まぁそれがナックだからな...。仕方ないさ」


ムシュフシュは微笑みながら言う。幼なじみにしか分からないことがあるのだろう。


「そういえばティル・ナ・ノーグにいた時、不思議に思ったことがあったんですけど...」


クゥロがそう言い始めると、ムシュフシュとリノア以外の皆はクゥロの方を向く。


「ムシュフシュさんが暴走している時、謎の力がムシュフシュの片腕を吹き飛ばしましたよね...?あれって...」


そのクゥロの話を聞いて、皆、そのことを思い出す。確かにそんな事もあったと。あの時は皆、ムシュフシュを止めるために必死だったため誰もそのことを追求しなかったが、あれは...?

そう思っていると気まずそうにソロモンが唸り始める。


「えっと...。ボクの魔法だね。魔流感知による未来予知でムシュフシュが暴走状態に入るの見えてたし...あの一撃でマビノギが顕現したから...良いじゃん。ね?」


その時その状況を見ていたクゥロ達は絶句し、妖精王達はやっぱりソロモンかと納得した様子を見せている。


「え、あの時ティル・ナ・ノーグにいたの......?」


「なら何故、入ってこなかったんじゃ?」


「えっと...それは......」


何か言いづらいことがある様子のソロモン。


「単純に会うのが恥ずかしいかっただけだと思われます...。先生は昔からそういった人ですので...」


「......あはは...恥ずかしながらその通りだね...」


「そんなことより、早くここから離れてて欲しいんだが...」


ムシュフシュがこの場で話している他の妖精王やソロモン。カラ達に告げると皆気まずく感じたのか、そそくさとその場から離れて、各々作業を行い始める。


「ほかの魔法使いが居れば、治すのも難しくなるの忘れてました......」


「そうなんですか...!?」


リャナンシーの呟きに、驚きを見せるカラとルヴラ。魔法を扱えないと、そのような話も知らないし感じることも出来ない。


「魔法使いは独特の魔流が発生するから、その影響で他の魔法使いと共鳴しがちなんだ。光魔法の特殊性は内部の魔流が他の魔法使いと全く違う所。けれど、外部の魔流は他の魔法使いと何ら変わらない」


「だから先程みたいに魔粒子を操作する行為をする場合、他の魔法使いがいたら効率が大幅に下がり、後遺症のような物が残る可能性があるんだ」


〝こ、後遺症......〟


しかし、そのような話は最近魔法を使い始めた上に、知識がさほどないシフィからすれば恐怖を覚えてしまう。


「え、えっと...シフィちゃん。光魔法は他の魔法と違って内部の魔流が全然違うから、こういった魔法出力の異常が一生に一度は必ずなる。けど他の魔法は基本ならないんだ。だから安心して欲しい......!!」


怯えるシフィを見て、少し慌てながらも大丈夫だということを伝えるソロモン。それを聞いてシフィは顔を俯かせるが、怯えはなくなっている様子だった。


「とりあえずボクは初めて来たティル・ナ・ノーグを楽しんでくるよ...」


まるで逃げるようにその場から離れるソロモン。ローレライもそれについて行く。


「...私も少し寄るところがあるから行くけど、あなた達はどうする?」


クゥロはカラ達に質問すると、アヴァロンは歩き出しはじめる。


「...妾も少しばかり用事がある。ではな」


そう言い、そそくさとこの場を去っていくアヴァロン。しかしシフィとルヴラは悩んでいる様子。


「じゃあ、今回も魔道具作ろうかなぁ...。僕は特に何か用がある訳じゃないし」


〝シフィも、ルヴラさんと同じで用事ないです...〟


「なら2人は一緒の所にいた方が良いかもね...。カラはどうするの?」


「うーん。リノアの所にいとくよ。魔法使いじゃないから影響は出ないし、もしかしたらカラの力が手助けになるかもだし」


前に界憶の大樹(ユグドラシル)の封印を解いた時、リノアの魔法の出力効率を上げた記憶があった為、それが今回もできる可能性があると踏んだカラはそう答え、リノアの方へ向かう。


「部外者は...ってなんだ君か」


「君は魔法を全く扱えないし、ここに入っても何ら問題ないだろう」


ムシュフシュはカラを視認すると、そう言って追い出すことはしなかった。


「逆に手助けになるかなと思って来たんですけど...」


「...手助け?」


そんなカラの言葉を聞くと、不思議そうな表情でそう聞く。


「はい...。前に神樹にあるとある本の封印を解いた際、私も力を添えたんです。それを今回も出来ないかなと」


「神樹、光......。もしかして僕たちの植えた...1番高い樹かな?」


ムシュフシュはカラの話に心当たりがあったのか、話にある神樹のことを言い当てる。


「あ、そうです!やっぱり覚えてたんですね...」


9万年も生きているのに、よく覚えているなぁと少し驚嘆するカラ。


「もちろんだよ。その時は僕とヴィルジナルとリャナンシーの3人で力を使ったんだ。多分その名残が少しは残ってると思うけど...。あれ?でも本の封印ってのは知らないかな...」


「アヴァロンによれば、本の封印はライニグさんとアヴァロンによるものらしくて、多分妖精王の皆さんは関わってないと思います」


「あ...やっぱりそうだよね。それに、関わってるのがライニグ君...。なるほど、ライニグ君なら確かに納得だ」


(やっぱり、光の勇者と呼ばれた英雄ライニグってとんでもなかったんだな...)


カラはムシュフシュの反応を見て、ライニグの規格外さ加減を再確認する。


「それで、力を添える...って一体どうやってだ?君は魔法を扱えないし...」


「それには"変換"の力を使うんです」


「変換...。そういえば君の力の詳細を聞いたことがないな。その変換の力には何があるんだい?」


ムシュフシュはカラの力について質問すると、カラもその問いに答えていくことに。


「一応この変換にも様々な力があるんですが、主な使い道は物質を根底から変換したりする力です。外的エネルギーをカラの内部で別物質に変換し放出する。そしてこれは魔粒子にも影響する」


「...!!なるほど!それで周囲の魔粒子や微細に漏れ出た魔粒子を君に集めて変換し、魔法の効率を促す。そうすることでリノアを戻す際の魔法出力効率の最大化を図る...ということか!」


カラが自身の力を説明すると、したい事の意図を汲み取り、爆速で理解するムシュフシュ。


「その通りです。流石の理解力ですね...」


ただでさえ妖精王と言う立場、それに付随して魔法帝と呼ばれるソロモンの5人の弟子。と言う物凄い経歴の持ち主を持っている事を改めて感じさせる理解の速さである。


「なら、今から僕が魔法をこの子に対して放つから、その手助けしてくれないか?」


「はい...!」


そう言ってムシュフシュは魔法陣を展開する。よく見ると文字列がクゥロやリノア達が使う魔法陣と文字が違うように見える。そんな中、カラはムシュフシュとリノア、2人の手を握ると、目を瞑って魔流の循環を促し始める。


(な、なんだこの一切乱れのない魔流循環は...。乱れが一切ないお陰で循環効率が果てしなく良い。それに空気中の魔粒子も吸収し、変換してる影響で、こっちに流れ込んでくる本来の魔法発動よりも増している...)


ムシュフシュはカラの力に驚愕する。魔力の奔流を完全制御し、一切乱れる事のない魔粒子。空気中にある、あるいは漏れた魔力がカラの方へ流れ込み、それすらもムシュフシュの魔法へ流しているというその2つに。


しかし、驚いたままではダメだと正気に戻ってリノアの治療に専念していく。




「そ、それにしても凄いなカラの変換の力...」


あの力は便利すぎるよね...


「それどころじゃない...。便利なんで言葉で収まらないよ...」


まぁ...ちょっと強すぎるよね...


「これだけ強いのもなんか理由があるのかい?」


...いや、それは企業秘密でぇ...


「...まぁそうだよね」

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