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転生概念における願望空想論  作者: coll
ニライカナイ編
92/97

神聖への前提条件

1ヶ月ほど投稿できなくて申し訳ないです。

色々重なりすぎて全く進まなかった訳でなんて言い訳はせず自身のペースで投稿していきます。


ですが、実際色々重なってはいましたので、全く進みませんでした。はい。


転生概念豆知識29

ソロモンはフルネームがソロモンで、両親は少し前に亡くなっている為、ソロモンの血筋はソロモン1人しか存在しない。

「アルカディア人は才能特化の人しかいない。これは主の介入によって発現した結果、このような体質になってしまった。事実ボクもそうだ」


〝才能特化...。つまり一つの物に突出してる種族...って事ですか?〟


シフィは、ソロモンが言ったことと自身が理解していることに相違がないか確認する。


「その通り。もちろん皆、人並みの生活能力はあるさ。けれど全員必ず何かの才能に秀でている」


「そういえば、ルヴラのお母さんって魔道具の制作に優れてたね...」


「あ!!確かにそうです!!」


クゥロの話のおかげで一同は思い出す。これまでの旅で色々ありすぎた影響か、脳からすっぽ抜けてた様子。


「そして、アルカディア人は自身の子を産んだ際、自身の才を子に引き継ぎ天寿を全うする。これは産まれた瞬間に起きる事象で、主が決めた因果」


「そ、そうなのですか...!?と言うことは...」


皆、ルヴラの方を向く。つまりルヴラの母親が亡くなった理由は、ルヴラを産んだのが理由と言うアルカディア人の特徴のせいだということ。


「僕が生まれたせい...?」


「ルヴラ。そんな風に考えちゃだめじゃ。お主の母は生まれて欲しくて産んだに決まっておる。自身を卑下するな」


「そうだよルヴラ...!!」


早とちりをしたルヴラを落ち着かせるために、リノア達は慌てながらも冷静にルヴラに話しかける。


「そう、だよね......!!うん!」


皆の言葉のおかげで自身を責めずに至ったルヴラ。そんな様子を見て微笑んだ後、ソロモンは話の続きをし始める。


「ボクらみたいなアルカディア建国の時代の人は第一世代で、ルヴラ。君はおそらく第三世代だと思う。ボクが国王だった時代に君の名を聞いたことはなかったからね」


「第三世代...ですか?」


ソロモンの発言の一部分が気になったリノア。アルカディアの内情を知らないため、第三世代と言った物がなんなのか分からず、その疑問が自然とソロモンに質問する形となる。


「あぁ。先程言ったようにアルカディア人は子を産むと、子供に自身の才を受け継がせるという特徴を持つ。これは大昔に主によって組み込まれた特徴なんだ」


「主によって...!?主が直接介入したんですか?」


「その通り。超長命種なのも主のおかげさ。その上ボクは完全な不死の呪いにかかっているけどもね」


半分諦めのような笑いが出るソロモン。アルカディア人という超長命種族な上に、そのような呪いもあれば、死ぬことも諦めるだろう。


「アルカディアでは建国時にいた者を第一世代。次の子を第二、そしてその子供を第三と呼ぶ。そしてルヴラ。君は僕の見立てだと第三世代の子だと思う」


〝と言うことは、ルヴラさんの天賦の才はルヴラさんのお母さんから代々受け継がれてきた物ってこと...ですよね?〟


「ルヴラ本人が説明できなかった才能ってそういうことだったのか...」


各々、ルヴラの才能の謎に納得する。今まであった本人すら知り得ない謎の才。その理由はアルカディア人の特徴にあったというわけだ。


「僕のこの才能はお母さん譲りだったんだ......」


今は亡き母の才を受け継いでいると言う話を聞き、嬉しかったのかほんのり笑みがこぼれるルヴラ。


「そう思うとクゥロと似てるね。親から譲り受けたものを扱うって」


「もしかしたら、この世界はそういうものなのかもしれんな」


冗談半分なのか、薄ら笑いを浮かべ腕を組みながらアヴァロンは言う。


「そうなると、余計にアルカディアに行かないとですね...」


「まぁそんなことはさておき、シフィの回復魔法を神聖化させる方法を知りたいんだったよね?」


どこかへ向かって歩き続けていたソロモンがいきなり立ち止まると、先程の話の続きを話し始める。


〝そうですけど...。ここは一体......?〟


目の前は金色の光が差す土地と禍々しい赤紫の炎に包まれる土地が半分に分かれている。という相反した光景で、文字通り混沌に見える。


「ここはグソー。全てを含む死後の世界で、君たちが知っている言葉で言うなら、うーん。まぁ天国と同じものだと思ったらいいと思うよ」


「死後の世界...」


その言葉を聞いて、クゥロはピンと来たのか、何かを考え始める。


「クゥロ。また何か分かったのかな?」


ルヴラはそんな様子のクゥロを見て、みんなにそう確認するが、カラ達は首を横に振る。


「もしかしたらそうかもしれんな」


なんて話していると、クゥロの口が開き始める。


「もしかしてだけど、ここに漂ってる魔粒子に似ている物質って、魔粒子が摩耗した後の姿なんじゃないの?」


「魔粒子が摩耗...?」


「簡単に言えば魔粒子が寿命を迎えたという事じゃよ」


クゥロの話を聞き、理解出来ていない様子だったため、アヴァロンは補足するようにリノアに話す。


「魔粒子が摩耗した後の姿...。なるほど......なるほど!!それなら合点が行く!ありがとう!」


齟齬がないかを確かめるために、数秒ほど自身の頭で整理した後、満面の笑みでクゥロに感謝を伝えるソロモン。


「まぁ、そのことは後で追々1人で研究するとして...。この中に神聖化する為の秘密が隠されてるんだ」


〝ほ、本当にあるんですか?〟


「まさに阿鼻叫喚って感じだけど...」


ルヴラの言っている通り、まさに混沌というのに相応しい有様だった。方や悶え苦しむ声が聞こえ、方や楽しげな声がする。何だこの世界は。カラ達はそんな悍ましい世界を見てドン引きする。


「こ、ここを通らないと行けないのですか...?」


「あぁ。その通りだよ」


「ほ、本当に本当ですか?」


ソロモンに2度確認するリノア。行くのが億劫になる程、この世界へは入りたくない気持ちでいっぱいだ。


「んー。仕方ないからアヴァロン。リノアをここで見守っててくれない?カラはシフィとクゥロと一緒にグソーの中に入るからさ」


「わかったが...ルヴラ。お主はどうするんじゃ?」


アヴァロンに質問されたルヴラは顎に手を添え、目をクッと閉じて唸りながら考え始める。


「なら僕はここで魔道具研究したいかな!魔粒子がほぼほぼない状態で作るとどうなるか見たいし!」


「という訳じゃ。お主らはシフィの為に行くが良い。妾は此奴らを守るためにここで待っておくぞ」


優しく微笑んでカラ達を見送るアヴァロン。


「ありがとうアヴァロン。それじゃ2人とも行こうか」


グソーの中へ入っていくソロモンを含めた4人。リノアは心配そうに見つめるが、アヴァロンがリノアの頭に手を乗せる。リノアはアヴァロンの方を見ると、何も心配していないように見えた。


「大丈夫。ソロモンがいれば大丈夫じゃ。それに覚醒したカラとクゥロもおる。何も心配はいらん」


「そう...ですね。そうですよね!!」




「うわ...。なんだここ。エルドラドの魔障よりも濃いな...。シフィ大丈夫?」


〝な、なんとか...大丈夫です...。前にルヴラさんに貰ったマスクのおかげで......〟


しかしエルドラドとは比較にならない濃度のせいで、手先の感覚が無くなり始めていることに気がつくシフィ。それに気づいたクゥロすぐさまシフィの心配をする。


「シフィ、大丈夫じゃないでしょ?この濃度はさすがにキツイはず」


〝...そう...ですね......。シフィもう手先の感覚がなくて......〟


自身の手のひらを数回ほど開閉するシフィ。しかし、その動作にはかなりのディレイがあった。更に言えば、動かす度に精一杯力を込めているようなそんな感じがした。


「もう...。それなら早めにボクに言ってくれたらいいのに...」


そう言うとソロモンは魔法を発動する。それは今まで見たことの無い魔法で、魔法陣から今までのソレとは全く違っていた。


「はい。これで君は魔障の影響を受けなくなると思うよ」


「......え!?」


カラはソロモンの顔を見つめる。そんな魔法があるのかと。ソロモンは不思議な顔をしてカラを見つめる。一体どうしたのかと。


「一応聞きますけど、一体どんな魔法なんですか...?」


「んーとね。この魔法は加護魔法って言って対象に対する耐性、或いは無効の効果を持つ魔法だよ」


「な、なにその魔法ヤバくない?」


クゥロとカラは加護魔法の強さに困惑する。しかしソロモンは続けざまに


「大丈夫、攻撃無効とかは理の壁の影響で存在しないよ。耐性程度ならあるけど」


「耐性はあるんだ...」


〝ソ、ソロモンさん!ありがとうございます...!!〟


勢いよく頭を下げるシフィに思わず笑ってしまうソロモン。そんな彼女にシフィは困惑する。


「大丈夫大丈夫。そんな大層なことしてないから。まぁそんな話はさておき、あの遠くにある黒と紫が混じった塊が見えるかい?」


「あー。見えるね...何あれ?」


ソロモンの言った通り、彼女の指さす遠くの方には、確かに何かが蠢いているのが見える。


「アレがここの主であり、この空間を作り出した元凶さ」


「アレが......」


〝あそこにファイキュリアのヒントがあるんです...よね?〟


シフィがソロモンの方を見ながら質問すると、自信満々に頷く。魔法帝が肯定するのならそうなのだろう。カラ達はそう納得した。


「でも、まぁまぁ遠くない?あそこ」


〝確かにそうですね...〟


「まぁ、歩いていくしかないさ」


そう言いながら、スキーの如く滑っていくソロモン。それを見たカラは楽しそうだと後を追って意気揚々と滑っていく。


「あ......はぁ。私たちも行こう?シフィ」


〝は、はい...!〟


クゥロとシフィも二人の後ろを追いかけるように滑っていく。


「っはは!スキーみたいで楽しかったー!」


「スキー?スキーってそんな楽しいものだったか...?」


「え?だってスキーって...楽しく滑るスポーツじゃ...」


ソロモンの言葉に疑問を抱き、質問をするが、文句を言いながら降りてきたクゥロと抱えられたシフィが降りてきて、何事も無かったように話は流れる。


「それにしても本当に荒廃した世界みたいな場所だな...」


「世界が滅亡した後みたいな...」


「まぁ、死者が還る場所だからね。仕方ない」


話しながらもソロモン達はどんどん下へと飛び降りていく。


〝そういえば、あそこの遠くにいる人の名前って知ってるんですか?〟


「さぁ?知らない。話したことすらないから」


「あ、そうなんだ...」


ソロモンはそれが当然かの様な声色でシフィの質問に答え、カラ達は少しばかり意外に思う。




メタトロン?メタトロンー!


「ん...。なに...?」


最近全く登場してないけど、何してるの?寝てるだけ?


「ん。ねてるだけ...」


え?ほ、ほんとにそうなの?それ以外何もしてないの?


「ん」


あ...寝た......。ほ、本当に寝てるだけなのか...

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