奏でる手。
先週投稿出来なかったなぁ……。
手の温度。手の感触。手の匂い。手の心地良さ。
私の育て上げて来た、私の一部で有ると同時に。
私自身が積み上げて来た、一つの証。
思う事は様々で、考える事も多くて、時間を掛けても掛けても。
じっくりとそうして眺め続けてても、飽きる事も嫌に成る事も無い。
私の物だから。私だけの物だから。
私の全てを掛けて来たのだから。嫌に成る訳が無い。
嫌いに成れる訳が無い。
これは私だけの、私だけが理解出来る。
私だけの物なのだから。
……そんな事を思いながら。
私は改めて改めて。じっくりとその手を見詰める。
少し赤みがかった掌、ぎゅっと拳立てた後に。
もう一度手を広げてみると。
驚く程に赤く成ってて。でもそれは、本の一瞬そうなるだけで。
その後は白み掛かった感じと多少の黄色を織り交ぜた。
私が普段纏って居る肌の色に成って。
その中に所々、赤みが差して居る。
私の普段持って居る手の色へと戻って行く。
そんなどうでも良い行為をした後に、どうでも良い事を何となく認識して居る私は。
どこか可笑しい気分に成って居るのかもと、思いつつも。
何だか手を見詰め続けながら、柔らかく柔らかく。
手を見続けて居る。
これは私だけの手。私だけの手。
誰にも分からない、私だけが知ってる。
私だけが把握して居る。私だけの手。
色々と無茶をさせて来て、迷惑を掛け続けたけど。
手は私に何時も応えてくれて、答えを身に体現させてくれて。
何時も何時も、休ませた事等無いのに。無いのに。
私の手は何時も何かを齎してくれて。何時も何時も時々に合わせて課題を与えてくれて。
そして、自身が解答を導き出したいと言う思考に対して。
試練や問題を叩き付けて来て。
その度毎に。その度毎に、私は何時も何時も求めて居る次元に中々到達出来て居ないと感じながら。
毎日毎日。毎時間毎時間。毎分毎分。毎秒毎秒。
求めて居る世界へと。求めて居る視点へと。求めて居る気持ちへと。求めて居る答えへと。求めて居る思いへと。求めて居る技量へと。求めて居る自身への納得させ得る確かな答えへと。
飽く事も無く、嫌に成る事も無く。
……いや、本当は求めてる事を何一つ達成出来なくて。何一つ到達出来なくて。
そう成れない自分に嫌気が差して。
声を張り上げて、泣き続けて、叫び続けて、苦しみ続けて、無力感に浸り続けて。
それでもそれでも。それでもそれでも。
フッとした時に、……フッとした時に。
じんわりと緩やかに、熱を持ち続けてる何かが有る事に気付いて。
その何かはそう成って居る私に。
私に何時も、驚く程に熱を出しながら。出し続けながら。
諦めるのか? 投げ出すのか? お前は其処迄なのか? この程度なのか? 何で今迄藻掻いて来たんだ? 何でお前はそう迄して無力感に苛まれて来たんだ? 本当に終わるのか? 今迄の努力を無駄にするのか? 良いのか? 本当に良いのか? お前はその程度か?
喋り掛ける訳でも無いのに。言葉等何一つ聴こえないのに。音も何も発して居ないのに。
その熱は。私だけが理解出来るその熱は。
自身が悩み続けて居る全てに。その全てに。
一つ一つ。一つ一つ、叩き付ける様に檄を飛ばすかの様に。
本当はその一つ一つに確かな回答を元から用意して居たかの様に。
私自身が元々経験から積み上げて来たモノを改めて知らせ続けるかの様に。
熱を持ち続けながらも、一つ一つ私を包み上げる様に見守ってくれてるかの様に。
その中に溺れ続けて居た私に少しずつ少しずつ。
私自身の中に入り込んで来る。
……温かい。……温もりを発し続ける私の手を。
そっと頬に宛てがってみる。
私の手。私の手。
苦労を掛け続けて居るのに、嫌に成る程に私は手に何時も負担を強いて居るのに。
私を否定しないで。逃げないで。しっかりと向き合ってくれて。
泣いて居た時も、悲しい事を堪え続けて居た時も。
手は私を励ましてくれた。答えを何時もくれた。
私が出したい世界、私が奏でたい響き、私が求めたい思い、私が届けたい気持ち、私が紡いで行きたい考え、私が広げたい一つの技、私が伝えたい……一つの確かな答え。
今迄研鑽をし続け、求め続けた確かな輝き。
私の手は何時も嫌がらずに、付いて来てくれた。
私の……私の……無茶な動きに。
……今迄の事を思い出しつつ、私は両手を重ねてみる。
そして、胸の前に持って来て何かを確かめる様に。今迄の自身を掲げるかの様に。
ぎゅっとぎゅっと。
全ての力を其処に集約させるつもりで、何かを祈り続ける人の様な姿勢で。
目を閉じ、頭を軽く下げて。
私の手の温もりと力を、自身の全てに行き渡らせる様にそうして姿勢を形作る。
……嫌じゃない? 私は君に無理を掛けてしまって、うっとおしいと思わないかな? 何時も何時も君に負担を掛けて居るよね。でも……私は生き方を変える気が無いよ。これからもそうして行くよ。
嫌じゃない? 嫌じゃないかな? 私はアナタにこれからだってこれからだって。苦労を掛け続けるよ。嫌じゃないかな?
目を瞑り続けて、胸の前に掲げ続けて居る手を感じながら。
答えの無い疑問や問い掛けを。自身の手に語り掛ける。
勿論、答え等返って来ない。
答えて等はくれない。くれないけれど、自身が感じる。感じて居る手は熱を発し続け。
今も昔も、これからも。私に対して。熱と匂いと温もりを届けてくれる。
手は喋る訳でも無いし、答え等くれる筈は無いけれど。
何時も付いて来てくれるその手。……その手に対して自身がじっくりとじっくりと。
見詰め続け。感じ続け。温もりを貰い続けながら、ゆっくりとゆっくりと。
熱を発し続ける手を見詰め続けながら。
その手が見てくれて許してくれる答えを自身で作って行きながら。
私は日々をその手と共に生きる。
その手とこれからの……そう、これからの自身だけが求め続ける答えを奏で続ける。
それが私の。私とその手だけの。
共有出来る触れ合いだから。
何時迄も何時迄も。そうし続ける解答なのだから。
その思考に一旦区切りを付けて。頭を上げて構えを解き。目を開く。
差し込んでくるその光の刺激に目を奮わせつつ。
最後にじっくりと両手を見る。
やっぱり私の手は、何も語り掛けてはくれないけれど。
確かに確かに、私と共にこれからを生きてくれると言う何かを伝えるかの様に。
何かの熱を発し続けて居る。
それが私への答えの様に。それが答えだと。
話し掛けてくるかの様に、私に伝え続ける。
……その事を再認し。私は今日も手を磨き続けて行く。
それが私と手の。……それが私と手の。
奏で続けて来た証だから。
これもまた、メッセンジャー等でよく話してた方から頂いた題材です。この題材を与えて下さった方は音楽家の一人で。
この題材を下さる少し前迄手から手首の近く迄、怪我を負ってしまい。その時に改めて自分が持って居る手の有り難みを感じたそうで、そう言う話題を話して居た時にこの題材で認めてみてくれないかな? と言う話しを頂き、認めて行った物だったりします。
長く述べてしまって申し訳ありませんでした。
それではまた、次回に。




