10◇X04夜闇の女神2 初めてのお遣い
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うひゃあ。と内心悲鳴が上がる。悲鳴つうか歓声つうか、いやいや。
あのな?俺がシーリンて人間担当になった話はしただろ?夜闇様のお遣い役。
それさあ、つまりはセルスト様のお側に上がる機会が増える事でさ。セルスト様は細かい事キッチリ管理なさる訳ないじゃん?て事で………冥王様との機会も増えた。
セルスト様は冥王様に丸投げ為さってる事も多いからさ、つまり冥王様にお遣いを仰せつかったりする訳だよ。ワカル!?この気持ち!!
ああ。わりい。
興奮しちまった。
冥王様と云えば、淫神も惑わす蠱惑のお方。その眼差しに艶が滴り、お声には誘惑の甘い毒。お側に侍るだけで、その媚薬の虜となってもオカシクない。
つうか、とっくに虜だっつうの!
うわあん!冥王様カッコ良すぎ!艶っぽすぎ!俺メロメロ!!!
王様の耳はロバの耳。みたいな。ああう……こんな考えも気持ちも、お見通しなんだろうなあ。
時々さあ、ちらっと俺を見て、微かに笑みを口元に浮かべてらっしゃる訳。
絶対あれだよ。フッ莫迦だな……だよ。そんな意味の笑いだよ。つうか寧ろ嗤い?嘲笑?憫笑?
穴があったら入りたい。
あの極上の紅玉の眸が、冷ややかなのにエロい眼差しで俺をご覧になる訳さ。もう死にたい。死んでも良い。これでも女神だから死なないけど………少なくとも後数億年は。
あ、エロい云うてもうた。くっ。仕方ないじゃねえか。エロいもんはエロいんだもんよっ。
つうか、セルスト様のエロ声よりエロい気がするのは気の所為?俺が冥王様に夢中だからそう感じるだけ?
頭の中身から熔けてオカシクなりそうだ。
冥王様………俺の前でも媚薬調整して貰えませんかね?冥界ではお力封印以外にも、媚薬も微量になる様に調整なさってんですよね?
それでも最強で最凶の蠱惑なんですよね。
俺にも気を遣って下さい。
早くも泣きが入った俺だった。
女神だって、恋した相手には弱いんだよ。しかも相手は相当な上手で、そうでなくとも最強で最凶な蠱惑と呼ばれた方さ。
もはや俺はウブな小娘同然なのである。
女神だから年齢はアレな感じだけどな。大神最強クラスの俺は、当然だが原始の神とも呼ばれる立場だ。大神と違って、初動創造には関わってねえけどな。
はあ。冥王様。
好き。
いかん。意味不明だ。挙動不審で頭がオカシイ部下なんか嫌われる。
しっかりしなければ。
俺は気合いを入れて、冥王様の魅力に対抗した。
うん。惨敗。
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しかし、だからこそ仕事は真面目にコナス!せめてそれくらいは!!
気合いを入れた。
が。
まだ生まれて間もない王子に、お遣いに行っても何も云う事は無かった。
シクッタ!?
来るの早すぎたんじゃね??
赤ん坊の姿を見て、俺は自らの失敗を悟った。
せっかくだからと、俺様が担当する事になった王子を観察した。
正直、冥王様のご説明より、冥王様のお声やその他もろもろに魅了されていた俺だ。
しかし、上司の言葉は一言一句違わず覚えてるぜ!俺は冥王様フリークだからな!!
コレが、トウゼ王を造る材料……かあ。
姿を消して、赤ん坊の寝台の横に降り立った。
マジマジと見下ろす。
赤ん坊には俺の存在が感知出来るらしく、まだよく見えてない筈の眸が俺を追いかけて来る。
プヨプヨの手がパタパタと俺に向かって上下する。
何?捕まえたいのか?ナッマイキ♪つうか、赤ん坊。ちっちぇ〜。かわえ〜。
感知力だけでなく、感応力も高いらしくて、俺が好意を抱いたら、途端に笑顔になった。
何コレ?メッチャカワイイ!!コレホシイ!!!
危うくセルスト神に張り合うところデシタ。
やべえ死ぬし。指先どころか眼差しで消される気がする。俺には冥王様みたいにセルスト様のお力に耐性は無い。
赤ん坊恐るべし!!
つうか……多分。セルスト様の前に、冥王様に殺られちゃうよなあ。部下の失敗に寛容な方じゃないからな………………………うん。仕事、頑張ろう。
過去の出来事、冥王様の配下に対する制裁や制裁や制裁などを、俺は思い出した。
急に、凄く涼しくなった。
いや、マジに仕事ちゃんとしよう。
俺は心に誓ったさ。
どっとはらい。
え?終わるな?
いや。だから別に終わんねえよ?
何となく流れで云ってみてるだけ。
話すのも疲れたし。
今日は此処まで。
そうだな。
次は順当に、ちゃんと「お遣い」した時の話をしようか?
それとも、シーリンが話せる様になるまで、何だかんだ様子見に行った話でもする?
ん?今のシーリン?いや、だから地球。
地球で何してるかって?
ダラダラして過ごしてんじゃね?
喩え違う世界に行こうが、あいつの怠け癖が治る訳がねえよ。
俺は思うんだけどさ。
ヤツは一生怠け者だし、どんな条件下だろうと揺らがないと考える訳さ。
もはや習性どころか、生来の能力だよ。
何の役にも立たねえ能力だよな。
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