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10◇X04夜闇の女神2 初めてのお遣い

☆☆☆


 うひゃあ。と内心悲鳴が上がる。悲鳴つうか歓声つうか、いやいや。


 あのな?俺がシーリンて人間担当になった話はしただろ?夜闇様のお遣い役。


 それさあ、つまりはセルスト様のお側に上がる機会が増える事でさ。セルスト様は細かい事キッチリ管理なさる訳ないじゃん?て事で………冥王様との機会も増えた。


 セルスト様は冥王様に丸投げ為さってる事も多いからさ、つまり冥王様にお遣いを仰せつかったりする訳だよ。ワカル!?この気持ち!!


 ああ。わりい。

 興奮しちまった。


 冥王様と云えば、淫神も惑わす蠱惑のお方。その眼差しに艶が滴り、お声には誘惑の甘い毒。お側に侍るだけで、その媚薬の虜となってもオカシクない。


 つうか、とっくに虜だっつうの!

 うわあん!冥王様カッコ良すぎ!艶っぽすぎ!俺メロメロ!!!


 王様の耳はロバの耳。みたいな。ああう……こんな考えも気持ちも、お見通しなんだろうなあ。

 時々さあ、ちらっと俺を見て、微かに笑みを口元に浮かべてらっしゃる訳。

 絶対あれだよ。フッ莫迦だな……だよ。そんな意味の笑いだよ。つうか寧ろ嗤い?嘲笑?憫笑?

 穴があったら入りたい。


 あの極上の紅玉の眸が、冷ややかなのにエロい眼差しで俺をご覧になる訳さ。もう死にたい。死んでも良い。これでも女神だから死なないけど………少なくとも後数億年は。

 あ、エロい云うてもうた。くっ。仕方ないじゃねえか。エロいもんはエロいんだもんよっ。


 つうか、セルスト様のエロ声よりエロい気がするのは気の所為?俺が冥王様に夢中だからそう感じるだけ?

 頭の中身から熔けてオカシクなりそうだ。


 冥王様………俺の前でも媚薬調整して貰えませんかね?冥界ではお力封印以外にも、媚薬も微量になる様に調整なさってんですよね?

 それでも最強で最凶の蠱惑なんですよね。


 俺にも気を遣って下さい。


 早くも泣きが入った俺だった。


 女神だって、恋した相手には弱いんだよ。しかも相手は相当な上手で、そうでなくとも最強で最凶な蠱惑と呼ばれた方さ。


 もはや俺はウブな小娘同然なのである。


 女神だから年齢はアレな感じだけどな。大神最強クラスの俺は、当然だが原始はじめの神とも呼ばれる立場だ。大神と違って、初動創造には関わってねえけどな。


 はあ。冥王様。

 好き。


 いかん。意味不明だ。挙動不審で頭がオカシイ部下なんか嫌われる。


 しっかりしなければ。


 俺は気合いを入れて、冥王様の魅力に対抗した。






 うん。惨敗。


☆☆☆


 しかし、だからこそ仕事は真面目にコナス!せめてそれくらいは!!


 気合いを入れた。



 が。




 まだ生まれて間もない王子に、お遣いに行っても何も云う事は無かった。


 シクッタ!?

 来るの早すぎたんじゃね??


 赤ん坊の姿を見て、俺は自らの失敗を悟った。

 せっかくだからと、俺様が担当する事になった王子を観察した。

 正直、冥王様のご説明より、冥王様のお声やその他もろもろに魅了されていた俺だ。

 しかし、上司の言葉は一言一句違わず覚えてるぜ!俺は冥王様フリークだからな!!


 コレが、トウゼ王を造る材料……かあ。


 姿を消して、赤ん坊の寝台の横に降り立った。

 マジマジと見下ろす。

 赤ん坊には俺の存在が感知出来るらしく、まだよく見えてない筈の眸が俺を追いかけて来る。

 プヨプヨの手がパタパタと俺に向かって上下する。


 何?捕まえたいのか?ナッマイキ♪つうか、赤ん坊。ちっちぇ〜。かわえ〜。


 感知力だけでなく、感応力も高いらしくて、俺が好意を抱いたら、途端に笑顔になった。


 何コレ?メッチャカワイイ!!コレホシイ!!!


 危うくセルスト神に張り合うところデシタ。


 やべえ死ぬし。指先どころか眼差しで消される気がする。俺には冥王様みたいにセルスト様のお力に耐性は無い。


 赤ん坊恐るべし!!


 つうか……多分。セルスト様の前に、冥王様に殺られちゃうよなあ。部下の失敗に寛容な方じゃないからな………………………うん。仕事、頑張ろう。

 過去の出来事、冥王様の配下に対する制裁や制裁や制裁などを、俺は思い出した。

 急に、凄く涼しくなった。


 いや、マジに仕事ちゃんとしよう。


 俺は心に誓ったさ。





 どっとはらい。




 え?終わるな?

 いや。だから別に終わんねえよ?

 何となく流れで云ってみてるだけ。

 話すのも疲れたし。


 今日は此処まで。



 そうだな。

 次は順当に、ちゃんと「お遣い」した時の話をしようか?

 それとも、シーリンが話せる様になるまで、何だかんだ様子見に行った話でもする?


 ん?今のシーリン?いや、だから地球。

 地球で何してるかって?



 ダラダラして過ごしてんじゃね?


 喩え違う世界に行こうが、あいつの怠け癖が治る訳がねえよ。


 俺は思うんだけどさ。


 ヤツは一生怠け者だし、どんな条件下だろうと揺らがないと考える訳さ。


 もはや習性どころか、生来の能力だよ。



 何の役にも立たねえ能力だよな。


☆☆☆



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