1 星の海の吐露
『地球は狙われている。今、宇宙を漂う幾千の星から、恐るべき侵略の魔の手が。』
ウルトラセブン 第一話 『姿なき挑戦者』
1 星の海の吐露
瀞登呂吐露は夜の街を歩いていた。ネオン輝く夜の街。星空はあんなに遠く、星の光は地上まで届きはしない。今日もどこかでクラックションがなっている。それは争いの音なのか。それとも優しさの掛け声なのか。
どちらにしてもクラックションである。
そんな夜の街を高校生である吐露は歩いていた。高校生なのだから夜歩きなどするだろう。だが、日本の都会は恐ろしい。年何人も行方不明になっているのだ。
その事実を肌で感じて、吐露は昨日見たウルトラセブンを思い出した。
地球は狙われている。
その冒頭の一言は吐露の心を矢で貫いた。
世の中、学生が色々とやらかしていたり、人殺しや事件などが勃発している。でも、テレビや新聞で聞くその出来事は、吐露にとって、遠い現実のように思っていた。だが、それをウルトラセブンのナレーションは指摘した。
すぐそこに、お前の隣に危機は迫っているのだと。
吐露にはそう言われている気がした。
吐露は来年大学生となる。もう十月なのであと三月か四月もすれば立派な帝大生であった。学生運動が盛んなのはその帝大を始めとするエリートの大学だった。まだ合格は決まっていないものの、学問においては優秀でこれなら合格できるだろうと吐露は教師からお墨付きを頂いていた。皆が受験やら金の卵やらで忙しい中、吐露は一人夜の街に繰り出している。別に夜遊びをするためではない。ただ、今一度しっかりと現実を見ておく必要があった。
同級生が慌てふためく中、余裕で町を歩くのは吐露にとって気持ちのいい事だった。ただ開放感を求めてきたことだが、吐露にはその背徳感が気味の悪いもののように思えて、無理矢理社会見学なのだと自分に嘘を吐いた。
今宵は十月。寒さがひどくなり、吐露は真紅のマフラーをしている。それが酒臭い町によく映えた。
ウルトラセブンのやっている頃、この辺りの地元のチームが優勝したそうだった。野球である。父親に何度も番組を変えられそうになったものの、野球は明日の新聞でも詳細は分かるし、小さな妹もウルトラセブンを見たがったので、父親は仕方なく降参した。その父親もセブンを見終わった後、感動して涙を流していたが、どこに涙を流す要素があったのか吐露にはわからなかった。
町は野球のおかげで活気づいていた。どこも酒臭い匂い、おでんの屋台の匂いが充満している。屋台にしがみつくものの多くは工場などで働く労働者だった。吐露の父親は吐露と同じく大学の出なので、有名な商社に勤めていた。そして、吐露もいずれは大きな企業に入るものだと思っていた。だが、迷いもあった。今、この国の経済を支えているのは、酒におぼれる作業着の男たちなのだ。そして、その男たちを顎で指図する立場に自分は立つわけである。それは卑怯なのではないかと吐露は考え始めていた。顎で指図する人間はもし指図される人間がいなくなってしまうとどうなってしまうのか。何もできなくて困り果ててしまうだけではないのか。
「あん?なんでガキがこんなところにいるんだぁ?」
吐露は酔っ払いとすれ違おうとして呼び止められた。
「いいなりして、マフラーたぁ、俺たちをバカにしてるなぁ。俺たちゃ手ぬぐいだぜ?」
男は吐露に手ぬぐいを見せた。その手ぬぐいで吐露の顔をはたく。手ぬぐいからは鼻を塞ぎたくなるほどの油の匂いがしていた。
吐露は逃げた。
そのことを卑怯だと吐露は感じた。それは正確な判断だったにも関わらず、己は現実から逃げ出したのだという情けなさが吐露を蝕んだ。
気が付けば、大きな空き地に来ていた。
そこはつい先日まで民家が数軒あった。だが、取り壊されて更地になっている。工場でも作るのかもしれなかった。ここに住んでいた人はどうなったのか。吐露は考えたくもなかった。
ここ最近、この国では建設が進んでいた。道路や鉄道を敷くという理由で住む家を追われる人々がいることを吐露はよく知っていた。だが、吐露には何もできない。その無力さを抱きながら人はそれを忘れていって大人になるということを吐露はまだ気づいていなかった。
男たちは追ってこないようだった。もとより吐露をどうしようというつもりもなかったのだろう。ただ、目について、自身が常に抱いている不満を吐き出したかっただけに違いない。
空き地から見る空は幾分か暗く、星が見えた。吐露の吐く息はより一層白く夜空に霞となって昇っていく。そして、その霞はそこに息の吐く者など存在しなかったのように溶けてなくなっていった。
「俺は地球が丸いと信じてきた。確かめもせずにそれが当たり前のように考えてきたんだ。」
吐露は空き地に寝そべった。乾燥した地面はひんやりとしている。星は少しずつ動く。だが、それは吐露が動いていると知っているから動いているように見えるだけなのかもしれない。本当は動いておらず、ずっと同じ位置で止まっているかもしれなかった。
「俺は星が動いているのかどうかを確かめよう。ずっと目を開いて見て居よう。」
寒さの中、それは難しいことを吐露はよく理解していた。それでも、できるところまでやってみる気になったのだ。
星が瞬いた。それは流れ星だった。
「こんな明るい空で流れ星が見えるなんて。」
すると、何個もの流れ星が瞬いた。
「今日は流星群でもあるのか。でも、新聞ではそんなこといってなかったぞ。」
吐露は不審に思った。ふと、宇宙人が攻めてきたのかと思い、そんなことあるまいとバカバカしい考えを切り捨てた。
だが、流れ星は流星群が訪れているとしか思えないほどに輝いていた。それも、特大の流星群である。むしろ、彗星が近づいているとしか思えないほど、大きな星が向かってきていた。
「俺は夢でも見ているのか。それとも、寒さで頭がおかしくなって、見えないものが見えているのか。」
すると、一筋の赤い星が吐露のいる場所に近づいているような錯覚を得た。それはどんどんと近く、大きくなっている。太陽が落ちてきているかのようだった。
「これは」
どういうことなのか、という言葉を吐露が吐く前に、赤い星は吐露の体に衝突していた。
吐露は目を覚ました。すると、そこは己の家であった。どこをどう見ても己の家で、空き地ではない。その証拠に、襖に昔吐露が墨で落書きした跡が残っている。
「俺はとんでもない夢を見ていたのだろう。」
荒ぶる息を鎮めて、吐露は障子から覗く陽の光を見る。朝になっていた。
己は家から出たのだろうか。どこからが夢なのか。吐露には判然としなかった。
「しかしまあ、それが夢じゃないんだなぁ。」
「誰だ!」
吐露は体をびくりと震わせながら叫んだ。部屋には吐露の他に誰もいないことを確認していた。それに、ついさっきの声はどう考えてみても、家族の誰かの声ではない。
「誰かと言われると説明が難しいのだが、私はパライソス星からやってきた王族直属の近衛兵団師団長の0-KENという。気軽にオーケンと呼んでくれ。」
その声は男なのか女なのかさえ釈然としなかった。モールス信号を己で解読しているような、そのような声なのである。つまりは、吐露の頭の中で響いてる声なのであった。
「一体誰だ。何を分からないことを言っている。」
己は頭がおかしくなったのだ。己はもう、あの労働者たちのような生活をするしかない。ただ、ひたすら働き酒を飲むだけの存在に。
「まあ、混乱するのは仕方がない。すぐに理解しろなどとは私も言わないさ。だがね、吐露くん。これは現実なんだ。それから逃げてはいけない。」
「ああ、あああああ!」
吐露は頭を掻きむしる。畳に頭を殴りつける。そのようにしても己の中の声は消えてくれそうになかった。
「まだ受け入れられないようだ。このまま自殺してもらっても仕方がないので、ここは一つ、私の存在を受け入れてもらうことにしよう。自分の背中を触ってみてくれないか。」
吐露は背中を恐る恐る触る。そこには肌の感触はなく、底冷えするような固く冷たい感触があった。
「それは私の顔だ。私は色々と事情があって君の体にお世話になっているんだ。」
吐露は部屋にあった姿見で自分の背を写す。首を伸ばし、自分の背中をよく見て、よく見て、再びよく見た。何度よく見てもその事実は変わりようのないものであった。
「俺の、背中が、ブリキになっている!」
吐露は信じられなくてもう一度亀のように首を伸ばして背中を見た。だが、そこにあるのは肌色の背中ではなく、ブリキの甲羅だった。
「ブリキって。私はガンダムのような顔だと自負していたのだが。」
「なんだ、その、ガンなんとかというのは。」
吐露は夢だと信じた。信じると少し気が楽になる。
「うむ?まさかガンダムも知らない現代っ子がいるとはな。確かデータではseed destinyが放映されたころと聞いていたのだが。吐露。今は何年の何日だ。」
「昭和42年の10月2日、じゃなくて、日をまたいだから10月3日なのか?」
「昭和だとうぅ!」
頭の中の声が急に叫びだすので、吐露は心臓が飛び出すほどの驚きを感じた。
「ええっと、何と言ったか。そうだ、桶。俺の夢の中の住人。お前はもっと静かにできないのか。」
「桶ではなくオーケンだよ。吐露くん。瀞登呂吐露くん。舌を噛みそうな名前だなぁ。君は。」
吐露は幼いころからその名を連呼していたので滑舌だけは自慢できた。
「それで、なんなんだ。オーケンとやら。用が済んだら早く俺を夢から冷ましてくれないか。」
「残念ながら、夢ではないのだが、だが、夢だと思っていてくれればいい。決して冷めない夢だがね。」
そのようなことを言われると吐露は恐怖を感じざるを得なかった。
「ともあれ、なんで昭和なんだ!というか、昭和だといつか分からない。君、西暦で言うと何年だ。」
「67年だけど。」
「67年?昭和は72年で終わるんだっけ?あれ?でもさっき、昭和58年と・・・」
「昭和は42年。西暦は1967年だ。」
「なんと!なんと!ちょっと分からなかったから、西暦だけお願いできるかな。」
「西暦は1967年。1967年だ。もう一度言おう。1967年だ。」
「何度も言われると頭が混乱するじゃないか。つまり今は何年だ?」
ブリキの背中は知恵遅れの様だった。もしくは数学が得意でないのかもしれない。吐露は部屋にあったカレンダーを見せる。ブリキが見えるように服を剥がした。
「ああ、それは要らない。というか、むしろ見えない。私は君と視覚を共有しているんだ。今見えているのは古臭い家屋だけだ。」
「なにが古臭いだ。」
まだ築10年も経っていない新居だった。父親の趣味で日本家屋にはなっているが。
「癇に障ったのなら謝ろう。とにかく、君の視点でカレンダーを見てくれないか。」
吐露はカレンダーを見た。まだ9月のままだったので、10月に切り替える。
「なるほど。確かに1967年らしい。だが、それなら困ったぞ。とてつもなく困ったぞ。途方に暮れてしまったぞ。」
「一体どうしたんだ。」
ブリキが困っているようなので、吐露は心配になって尋ねた。
「いやね、君。私は2005年の地球に来るつもりだったんだ。だけど、逃げているうちにワープホールの穴に落ちてしまったようでね。なんと、30年以上も前の地球に来てしまったようなのだ。本当にたまげた。たまげて球でも落ちてしまいそうだ。」
「ブリキに玉があるのかよ。」
「そこは真面目に答えないで欲しいな。真面目に答えるとないけど、まあ、そんなことはどうでもいいんだ、この際。しかし、本当に困ったぞ。私は後30年以上も君の背中で生きて行かなければならないらしい。」
「冗談じゃない。」
夢にしては冗談が過ぎた。己はこのブサイクなブリキを死ぬまで背負わなければならないのか。
「まあ、まあ。成り行きなのだから仕方がない。」
「一体何があったというんだ。順を追って説明してくれ。」
吐露は頭が痛くなった。よく分からないことがグルグルと回転して、整理が付かない。
「そうだな。君にはきちんと説明しなければな。」
オーケンはゆっくりと語りだした。
私の母星はここから何万光年も離れたところにある。そこには一人のお姫様がいた。パライソス星のクローズ姫というお方だ。そのお方は生まれながらにして恐ろしい力を持っていた。銀河そのものを滅ぼすことさえ可能な兵器、「ダイコーン・ブレイド」の鍵だったのだ。
そこ、胡散臭い目をしない。
その兵器を巡って、我が星では戦争が起きた。
私は近衛兵団の師団長として、姫様を星から逃がしたのだ。姫様は宇宙船を使って、2005年の地球へと逃げ去った。私は姫様を追って2005年の地球に向かう途中に敵に襲われ、どうもワープホールの穴に落ちたらしい。そこが地球であることを知って安心したのだが、敵も一緒に私と1967年の地球に来てしまった。私は攻撃を受け、致し方なく地球に不時着というか衝突してしまったわけだが、その際、地球人を一人巻き込んでしまったようなのだ。私の体はドロドロに溶け、その地球人の体もドロドロに溶けた。私はやむなく、お互いが助かる方法として、融合処置をした。そして、お互いの命は助かり、私はその地球人の背中に間借りすることにしたのだ。
「ふむ。その地球人を助けてくれたのか。同じ地球人として感謝するよ。」
「それ、君のことだよ。吐露くん。」
吐露はオーケンの言っていることが理解できなかった。頭が真っ白になる。そして、動くことを拒む頭は徐々に血の気を取り戻していった。
「嘘、だろ。嘘だといってよ。」
「バーニィ。」
吐露はその様なことを信じられるはずがなかった。頬をつね、足の小指を箪笥にぶつける。
「痛い。痛いんだが、どうして痛いんだ。」
痛みがなくなるまで箪笥に小指をぶつけようとしたが、それをオーケンは止めた。
「すまない、吐露くん。私は私が助かる方法としてこれしか取れなかったのだ。」
「もしかして、わざと俺にぶつかったのではなかろうな。」
「まっさかぁ。そんなわけないじゃない。」
とてつもなく胡散臭かった。
「だが、吐露くん。これは君にも無関係な話じゃないんだ。ダイコーン・ブレイドが心亡き者の手に落ちれば、この地球も破壊されてしまう。だから、クロ姫を探すのを手伝ってはくれないだろうか。」
「バカなこと言うなよ。そもそも、姫だとか、大根だとか分からないんだよ。なんなんだ、それは。俺に関係ないじゃないか。」
吐露は先ほどまでのことはなかったことにして、居間へと向かった。
「あら。おはよう。吐露。昨日は大変だったのよ。」
「兄者、ぶっ倒れてたって。」
朝食ができていたので、吐露はまだ四歳の妹の隣に座る。
「そうなのか。迷惑をかけてすまなかった。」
「最近は物騒なのだから、気をつけなさい。」
父親は困ったような顔をして新聞から目を離し、吐露を見た。
「俺はどこに倒れていたんだ?」
「どうも路地に倒れてたって。覚えてないの?」
母親に尋ねられ、吐露は首を横に振る。
「そう言えば、昨日、物凄い流星が飛ばなかった?」
「いいえ。頭がちかちかして、そんなものを見た気がしたんじゃない?」
そう言われればそんな気も吐露はした。背中のブリキも、あの奇妙な体験も夢だと言われれば簡単に信じることができた。
「さあ。早く食べて学校に行ってね。」
「うん?土曜日に学校があるのか?」
急に背中のオーケンが話し出すので、吐露は家族の様子を見る。どうも家族には聞こえていないらしかった。
「当たり前だろう。」
吐露は家族に聞こえないように小声でつぶやいた。
「そうなのか。やはり40年も時代が違うと何もかも違うのだな。またこの時代のことを教えてくれよ。」
その様なことを言われても吐露はオーケンに何を教えればいいのか分からない。吐露は今の世界の隅々まで知らないのだし、もし、未来の知識だけをオーケンが手に入れていたとしても、今の吐露よりもオーケンの方が詳しくなければおかしいはずだった。
「兄者。どうかした?」
「いいや。なんでもない。」
背中のブリキは本人が申す通り、紛れもない現実であるようであった。現実と非現実の狭間に無理矢理放り出されたような気持が吐露はした。まるで白昼夢の中にいるようである。
だが、時は進む。やらなければならないことはある。早くオーケンには帰ってもらいたかったものの、休日に合間を縫って成し遂げなければならなさそうだった。
「今の新本はとにかく何もかもが急速に変わり始めているんだ。」
テレビ、冷蔵庫、洗濯機。そのどれもが急速に売れ始めていた。経済がよくなり、人々の収入が増え始めたからだろう。しかし、その一方で、未だ電化製品もなく、野ざらしで生きている人々もいる。
吐露は昨日の町を歩いていた。学校への道すがら、昨日の傷跡を眺めておこうと思ったのである。その道中、道路で寝ている人々がいた。帰る家さえないのかもしれない。そんな彼らを吐露は悲哀と侮蔑の気持ちで見ていた。
「池田勇人ってこの国の王様がでっかいことやろうぜって言ったらしい。その途端、なんか、何もかも変わっちまった。」
急速な変化の中、吐露は疎外感を覚えずにはいられなかったのである。
自分だけがどこかに置いて行かれるような恐怖が人々を見ていると襲って来た。まるで獣のように商品を買いあさる人々。誰も吐露のことなど気にかけない。買いあさる主婦の傍らで、蹴り飛ばされた子どもが泣き声を上げていた。吐露はその子どもが気にかかったが、目を逸らし歩き出した。
「うーん、何となく記憶にあるようなないような。新幹線が開通した時期かな。」
「3年前に開通した。」
「じゃあ、新本中に早くで行けるんだね。」
「いや、統京と逢坂だけだって聞いてるけど。」
逢坂と少し離れたこの町には少し遠いところの話だった。新幹線とかいう、物凄く早いディーゼル車の影響で、逢坂の駅周辺は大分土地が値上がりしているのだとか。この辺りでも、逢坂に移り住んで商売を始めようという人がいるみたいだった。
「なるほど。オリンピックはまだかい?」
「終わった。そのギリシャから輸入された大運動会の影響でその弾丸列車が作られたんだ。」
「つまりは、あれだね。オールウェイズとか、20世紀少年の時代なのか。売れない作家とか、東京タワーとか、仮面をつけた子どもとかがいるわけなんだね。」
「そこらは知らんよ。」
はた目から見ると吐露は危ない人間かもしれない。独り言をつぶやきながら歩いているのだ。しかし、町は大洪水で活気があふれている。誰も、ちっぽけな小石である吐露のことなど気にも留めない。
そうしてオーケンと話していると、吐露は目的の場所にたどり着いた。昨日の事件の跡地である。その光景を見て、吐露は絶句した。
空地いっぱいに大きな穴が空いていた。何かの図鑑で見た、外国の隕石が落ちたとされる場所そっくりである。そして、何より驚いたのが、そこはすでに穴を埋めようと機械が仕事をし始めていることだった。何事があったのかと多少のやじ馬が集っている。その中に吐露は見知った顔を見た気がした。
「山吹か?」
「吐露ちゃん。」
愛らしい顔をした少女であった。名前は山吹桔梗。吐露の幼なじみである。
「吐露ちゃんはよしてくれよ。」
吐露は気恥ずかしくなって、顔をポリポリと掻く。
「どうしてこんなところに?」
「うん。ここ、パパの会社が管理してるところなんだ。何かあったみたいでパパが急に家を飛び出して行ったから、心配で。どうも戦争の時の爆弾が爆発したんだって。」
「そうだよな。」
そう考えるのが妥当だった。今でも戦争の爪痕は残っている。昔の木にはまだ爆弾が挟まっているかもしれなくて、子どもを持つ親は木に近づいてはならないと注意していた。時々、戦争の時に埋没して爆発しないままの爆弾が見つかることがあり、アパートの住人が一斉に非難するということもよくあった。
「事実は都合よく改ざんされるということの代表例みたいだな。」
オーケンは何か言っていたが、吐露は無視することにした。
「でも、そろそろ学校に行かないと間に合わないぞ。」
「そうだね。いこっか。」
桔梗と吐露は並んで学校へと向かいだした。
「そう言えば、吐露ちゃんはどうしてここに?」
流石に背中にブリキが引っ付いていることや、そのブリキにぶつかって体がぐちゃぐちゃになったなどとは言えない。
吐露は改めて起こったか分からないことを想像して吐き気を催す。液体のようにくじゅぐじゅになった己の身体。飛び散る肉片。つまり己は三輪車に轢かれた猫のようになっていたのか、と。
「どうしたの?顔色悪いよ。」
「大丈夫。なんともない。昨日、俺はこの辺りで倒れたみたいで、何か落とし物でもしたんじゃないかと思って見てたんだ。」
むしろ、拾い物をして困り果てているのではあったが。
「そうなの?大丈夫?吐露ちゃんが倒れるなんて珍しい。でも、最近は工場から色々危ないものが出てるから気をつけなさいってパパが言ってたから、吐露ちゃんも気をつけてね。」
桔梗は心配性だと吐露は思った。けれどもそれが吐露には嬉しかった。自分を見てくれている人間がいることが吐露には嬉しかったのだ。
「私は貧血で良く倒れるけど、吐露ちゃんもそうなのかな。大丈夫?体はいたくない?前なんて、私、倒れる時に箪笥に小指を当てちゃって。」
むしろ、自分で当てていた。
「大丈夫だよ。それよりも桔梗は受験、大丈夫なのか?」
「言わないでよ。毎日徹夜で倒れそうなんだから。」
吐露は桔梗が羨ましいと思った。桔梗は裕福になっていく世の中についてきている。吐露は電気を夜も使うという行為が後ろめたくて、勉強など手につかなかった。
「まあ、頑張れよ。」
遠い未来、新本はどうなるのだろう、と吐露は考えた。オーケンなら知っているかもしれなかった。でも、尋ねる気にはならなかった。ウルトラセブンのような世界なのだろうか。宇宙人に狙われるほど裕福な世界なのだろうか。
そう言えば、すでに宇宙人がこの地球に来てしまっていることに今さらながら吐露は気が付いた。
吐露が教室の椅子に座った時である。
「ひゃわっ。」
「うおっ。」
オーケンが急に変な声を出すので、吐露は驚いてオーケン同様声を上げてしまった。
「どうしました。トロくん。」
「い、いえ。」
学校では吐露は略してトロと呼ばれていた。遅刻ギリギリで学校にたどり着いたせいで吐露は教師に睨まれていた。
「なんで変な声出すんだよ。」
「いや、背中に何か当たったもんで。つい。」
背中に当たったものとは椅子の背もたれである。
「背中に何かつける時は一言声をかけて欲しい。」
「ああ。気を付けるよ。」
やけに敏感なブリキだと吐露は思った。工事現場のトラックなどのようにもっと頑丈なイメージが吐露にはあったのだ。
「服装が違うだけで、学校というのはいつの時代も変わらないんだね。」
「そうなのか?」
今から40年後ならばもっと変わっているように吐露は思っていた。新幹線で全国から生徒が登校してくるようになると思ったりしていたのだ。
「まだこの時代について何も知らないけど、それほど大きくは変わってないかな。今はまだ高価なものが当然のように手に入って、携帯電話なんてものが普及してるくらいだね。新しい進化なんて、携帯電話くらいかな。」
ということは、つまり、今の時代のように常に裕福で発達した文明ではないということだった。
「私の知識ではそろそろ公害問題が表面化してくるだろう。あまり未来のことについて教えるのはあれだけど、でも、私もそれほど詳しくはないからなぁ。」
授業の間、時々オーケンは様々なことを口走るが、吐露は基本的に無視しておいた。むしろ、その方がいいように思えた。オーケンは独り言のように何かを言い、吐露に意見を求めることは少なかった。それはこの時代の知識を取り入れる作業のように吐露には思え、それが楽しそうに吐露には思えた。吐露は時々、オーケンに質問したり、逆にオーケンが吐露に質問することもあった。
「そう言えば、まだ太平洋戦争から二十年も経っていないんだね。」
「今年で22年だな。」
新本が米帝に負けてから、そのくらいしか経っていなかった。ラジオで天皇陛下が敗戦を宣言された後に、吐露たちは生まれた。吐露たちは戦争を全く知らない子どもだと言われていた。だが、吐露が幼いころはまだ戦争の傷跡が深く残っていた。吐露の父親は、吐露の祖父が有力者であり、跡取りであったから、戦争を免れていたが、宣言される一か月後には戦地へと赴くことになっていたらしい。財閥解体後、父は普通の人間に戻った。その時は大分苦労したことだろう。その時の背中を吐露はまだ覚えている。汗まみれで、つやつやとした、でも、肉はなく骨ばった背中だった。
今、米帝は他の国で戦争をしている。米帝自身が戦うのではなく、他の国に代理させている状況だった。北の連邦と意地を張っているらしい。吐露自身、その戦争に色々と思うことがあったが、戦争を忘れ、なるべく明るく生きようとする家族の前では考えないようにしていた。
「新本という国はすごいね。流石、もはや戦後ではないだね。」
「そうだな。」
黄昏が町を照らした。その町にはもはや、戦後の名残はない。しかし、負けたという負い目はまだ人々の心の中に深く突き刺さっている。そのことを忘れてはならないと吐露は思った。
「この後、新本は戦争をするのか?」
吐露は恐る恐る聞いた。聞くだけで唇が震えた。
「そんな記録はないね。むしろ、戦争に協力しなかったせいで叩かれたりしたみたいだけど。」
「なんでだ。新本は軍隊を捨てたんだろ。それがどれほどの屈辱だったか――」
その言葉は矛盾しているように吐露は感じた。
己は戦争を望んでいるのか。いや、そんなはずはない。どれほど皆が苦しんだかよくよく分かっているはずだった。
「新本は米帝の奴隷だからね。その米帝が本土を攻撃されて頭に血が上って戦争になったんだよ。中東の国でドンパチ。でも、新本は物資だけの支援だったから。」
その言葉を聞いて、吐露は胸をなでおろした。もう二度と歴史は繰り返してはならない。
「じゃあ、その後はどうなったんだ。もう、戦争はしないのか。」
「さあ。私が知ってるのは2005年までだから。過去も結構適当で。私は記憶力が悪いから、2005年あたりのことしか覚えられなかったんだ。でも、君はこの国を誇っていいと思うよ。私も驚くくらい素晴らしい国だ。私の国もこんなに平和であってほしかった。」
吐露はその言葉を聞いて、オーケンも戦争を体験していることを思い出した。いや、己自身よりも戦争を知っているのだと訂正する。
「この国が気に入ってくれてよかったよ。」
吐露は自然と言葉がこぼれた。
その時、己はこの不気味なブリキを受け入れていると吐露は知った。
「なあ。オーケンは誰かを探していたんだよな。」
「うん。クロ姫だ。パライソス星の姫、クローズ。」
「そいつはどんな外見をしているんだ。」
早くこの身体から出て行って欲しいという気持ちも吐露の中にはあった。だが、この奇妙な友達のためになにかしてあげたいという気持ちも確かに芽生えていたのであった。
「そうだね。髪は銀で、瞳は青。背は低くて、多分、君たちで言う中学生くらいの年齢だね。外見は君の幼なじみくらいかな。この時代の女性は小さいから。」
吐露は姫の姿をイメージしてみた。鋼鉄の体に青い目。そして、銀色の髪。想像すれば想像するだけグロテスクで、そんな存在がこの地球に現れただけで世界的なニュースになりかねない。
「ああ、外見は私の様ではなく、君たちそっくりだ。私たちはパライソス星の環境に適応するために体を改造したから。」
改造した、と何気なく言うオーケンが吐露には信じられなかった。己たちとは文明がはるかに違うことは吐露は理解していたが、そこまでだとは思っても見なかったのだ。
吐露は再び姫を想像する。すると、米帝で発見された宇宙人の絵が浮かんで来た。
「もしかすると、米帝に捕まっているのかもしれない。」
「ほんとかい!」
だが、そうなるととても大変な道のりであった。米帝に渡るなど考えもできない。
「この時代は宇宙人の話が多いから、簡単には信じがたいけど、覚えておこう。メモ、メモっと。」
メモという言葉は吐露には今一分からなかったが、memory、つまり記憶するということなのだと勝手に解釈した。
「ねえ、吐露。わがまま言って申し訳ないが、君の時間が許す限り、この辺りで姫を探してくれないかな。この時代なら外国人は珍しいだろう。私の記憶と照合する限り、姫はこの時代の外国人そのものの恰好なはずだ。この近くにいるとは思ないけど、どうだろう。」
「俺は忙しいから、手短に済ませろよ。」
「ありがとう!」
心の底からオーケンは喜んでいるようだった。だが、吐露の記憶が正しければ、その姫は原爆のスイッチのようなものなはずである。とても物騒なはずなのに、家族に会うような反応を見せているのは腑に落ちなかった。
「なあ、オーケン。その姫はお前にとってなんなんだ?そんな物騒な存在をお前は大事に思っているようだが。」
一瞬、吐露の頭には騎士と姫のロマンスが映った。だが、そんなもの、どこの星にだってあり得る話ではない。
「確かに、私は他の連中とは違う。他の連中は姫をどう利用するかと考えるばかりだったけど、私は、姫が幸せになってくれればそれでよかった。姫はいつも誰かに利用されるばかりで私はその姫がとても可哀想に思えたんだ。だから、仲間も裏切って、姫を遠い星に、姫と外見の似た人々の住む星に逃がしたんだ。」
「お前、意外といいヤツなんだな。」
「そうかな。私は私のするべきことをしたまでだ。ただ、それだけ。」
吐露は背中のブリキと仲良くやっていけそうな気がほんの少しだけした。
「外国人は本当にいないね。」
「志那人や朝鮮人はいるけどな。」
この町に西洋人の姿はなかった。そもそもに銀色の髪の人間を吐露は聞いたことがなかった。外国人であっても珍しいのかもしれない。
「それにしても、活気のある町だ。」
「今の新本はどこもこんな感じだよ。」
実際はどうなのか吐露は知らなかったが、一度どん底に落ちれば後は這い上がるだけなのである。
「私はこの時代に来れてよかった気がする。」
「姫はどうするんだよ。」
呑気なブリキだと吐露は呆れた。だが、心底呆れているのではなく、少し清々しい気分なのはなぜだろうか。そんな疑問は藍色の空に消えた。
「そろそろ帰らないと。飯だしな。」
「今日は私のためにありがとう。」
吐露は感謝されて気恥ずかしかった。ずっと感謝されたかったのに、実際感謝の言葉を言われるとどこか恥ずかしい。
「お前のためじゃないさ。この地球もヤバいんだろう。だから、俺のためだ。」
己のために生き、己のために行動する。それは人間にとって、生物にとって当たり前のことであった。そこに偶然誰かの役に立つことが重なっただけなのである。ただ、誰かのために、そして、自分のためにもなることが両方できるようなことがあればそれはとてもいい事なのだと吐露は思った。
吐露は大きく白い息を吐いて家に帰ることにした。
『地球は狙われている。今、宇宙を漂う幾千の星から、恐るべき侵略の魔の手が。』
歩いている途中、そんな言葉を思い出した。どうして思い出すのか分からない。
オーケンも宇宙人で、この地球を狙うために己を利用しているのかもしれなかった。そうであれば、ウルトラセブンのお話のようで、物事がすっぽりと収まる。
「オーケン。お前はこの地球を狙う侵略者なのか。」
吐露は小さな覚悟で聞いた。
「そうかもしれない。いや、そのうちそうなるかもしれない。詳しいことは私にも分からないよ。でも、今はそうなりたくないと思っている。」
不穏な言葉だった。だが、吐露はそこにオーケンの不安が覗いていることを分かっていた。どんな悪者だって、初めから、子どもの頃から悪い人間だったわけではないのだ。ただ、時を経て、どんどんと何かが変わっていく。それは人間の可能性の一つなのであって、それを予測するのは難しい。ずっと見ていた夢とは全く違うものになることなど日常茶飯事なのだから。
「悪いことを聞いたな。」
ただ、今はオーケンを信じていたい気持ちが吐露にはあった。
「ただいま。」
「お帰り。」
明りのあるところから家族の声がする。みな、すでに食卓に着いているようだった。
「遅れて済まない。」
吐露は急いで食卓に着いた。
「どうしたの?今日は遅かったじゃない。」
「本屋で立ち読みしてたんだ。」
家族はいつも通りだった。そのことに吐露はほっとした。
「そうなんだ。お姫様を探してたんじゃないんだね。」
妹の言葉に吐露は固まる。首をごきごきと妹に向けた。四歳の妹はいつもと変わらない笑顔だった。変わらなさすぎる笑顔が不気味だった。
「そうよね。こんな時代じゃ見つかるはずないもの。」
母親が言った。
「世界を征服した後、ゆっくり待てばいいさ。」
「お前らは一体――」
「吐露。逃げるんだ。」
そう言った瞬間、家族は爆ぜた。居間中に肉片が飛び散る。
先ほどまで家族の頭があった場所には細い腕ほどのブリキがうようよと動いていた。
「なんなんだよ。なんなんだよ。」
「早く逃げるんだ。」
吐露の体は勝手に動いていた。
吐露の背中からグチュグチュと肉を破壊する音が響く。
「どういうことなのか説明してくれ、オーケン。」
「あれは奴らだ。私の敵。彼らは君の家族を殺して、成り代わっていたんだ。」
「いつから。」
「それは分からない。だが、きっと、君が帰ってくる前だ。」
ガキガキガキ。
工場の重機のような音が響く。吐露は急いで靴を履き、玄関から逃げた。その際、後ろをちらりと見た。蜘蛛のような機械が吐露を追ってきていた。体中に赤と桃色の肉片をつけたままで。三匹。地面を這ってきている。
「俺の家族は、どうなった。生きてるんだろう?なあ、オーケン!」
「残念だけど、もうこの世にはいない。私たちはそういう生き物なんだ。その中で今追ってきている奴らは一番性質が悪い。」
「嘘だろ。なあ、冗談だって言ってくれよ。」
「これだけははっきりと言わないといけない。君の家族は死んだんだ。もう生きていない。これは紛れもない現実だ。」
吐露は絶望にうちひしがれていた。こんな中、体が十分に動くはずもない。だが、吐露の体はずっと走って逃げている。
「オーケン。体を止めろよ。お前が俺を操ってるんだろ。」
「そうだ。でも、止まる訳にはいかないさ。止まれば吐露が死ぬ。それは本意ではない。」
「どうして、どうしてこうなるんだよ。」
吐露の言葉にオーケンは答えなかった。オーケンは吐露の体を人々のいる方へと向けていく。
「おい。そんなことしたら――」
「木を隠すなら森の中さ。」
オーケンは人々をかき分けていった。吐露の背後から阿鼻叫喚が響き渡る。それと同時にトマトを勢いよく潰したような、果汁の飛び出すような音が響いた。
「どうして他人を巻き込んだんだ。多くの人が死んだんだぞ。」
吐露は大型のダンプカーの前にいた。運転手は仮眠中らしい。目を覚ませば、目的地まで再び走り出すのだろう。
「吐露が生き残るにはそれしか方法がなかった。」
「お前が生き残るためだろう。」
吐露はショックで頭がフラフラしていた。碌に物事が考えられそうもない。だが、何かを考えていないと、家族の体から蜘蛛のブリキが出てきた時のことを思い出してしまう。
「それは誤解だ。私は吐露が死んでも、少しは生きられる。でも、私の優先順位は君の命を守ることが優先されている。だから――」
「だからって、他の人を見殺しにしていいわけじゃないだろ。」
吐露はダンプカーの扉を叩く。運転手は眠ったままだった。
「私は吐露の命を優先するようにプログラムされている。だから――」
「だからも糞もねえんだよ。」
吐露はもう一度ダンプカーの扉を殴りつけた。拳が傷付き、一筋の血液が流れる。
「君は君のやるべきことが分かってる。だから、ここまで来たんだろう。」
オーケンの普段と何も変わらない口調が不気味だった。
「生物は犠牲の上に成り立っている。それに、誰も彼も救うことなんてできない。一人を助けるためにもう一人を犠牲にしなければならないことばかりだ。そのくらい、吐露だってわかってるんだろう。」
吐露は何も言わなかった。何も言わず、ダンプカーの扉を開いた。すると、運転手はするりと地面に落ちて、目を覚ました。
「ああん?」
運転手が目を覚ました時にはダンプカーは走り出していた。
吐露はダンプカーを走らせていた。詳しい使い方は分からない。なので、オーケン任せだった。
吐露はダンプカーを人々が慌てふためいている場所に突っ込ませた。そこに家族を殺した憎きブリキどもがいることは分かっていた。まだ生きている人々をも巻き込みながら、その人びとの骨を砕き、肉を飛び散らせながら、ダンプカーでブリキを踏み潰した。三匹とも追いかけて潰した。
「俺は人を殺した。でも、放っておいたら、もっと被害が広がる。だから、だから――」
「吐露。早くしないと警察が来るよ。」
「分かってる。」
吐露はダンプカーから飛び降り、夜の道を走った。ランプの明かりが吐露を照らす。
行き先など一つしかなかった。
自分を守るためには誰かを犠牲にするほかに手立てはなかった。
各所の訂正について
作者は基本的に文章の訂正はしないのであるが、この鉄背オーケンに至っては年代のミスがあり、訂正を入れさせてもらった。どうしてこんなにも間違いが多くなってしまったのか自分でも理解できない。そして、年代の訂正を入れていると、ついつい、本文すべてを訂正したくなってしまった。
縦書きPDFは楽である。しっかりと本文を読める。だが、少し面白いと思った作品にポイントをつけようと思ったのだが、付け方がわからない。なんだかとても残念である。私が機械音痴な故なのかもしれないが、もう少し改善をお願いしてほしかったり。
4月19日現在、1967年編の前半はあと三話で終わりとなる。後編がどうなるかは未だに作者もわかっていない。ベトナム戦争編も本当にやるんでしょうか。だが、この作品は終わりまで頑張りたいと思っている。1968年編で一応終わるのではないかとは思っているがどうなるやら。
ともあれ、私は連載しすぎなのでは?と思わないこともない。でも、途中で終わらせるのは絶対に嫌であるので、続けるとした以上、切りのいいところまでは頑張る。打ち切り的終わり方になってしまったらごめんなさい。
あと、続編希望の作品があればご意見ください。続きを書けるかは神のみぞ知る。