表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

罰ゲーム

手札はあと2枚。それに対して相手は1枚。ニヤニヤした顔で僕を見ている。勿体ぶってカードを行ったり来たりする細い指先。悟られないように真顔で応じる。

これかな?と見上げる顔にどうかな?と余裕そうな表情で返す。残った二人の真剣勝負。先に終わった面子は退屈そうに本を読んでいたり、テレビゲームを始めていたりと時間を潰している。手持ちにあるのはハートの6とピエロのジョーカー。僕の顔を伺いながら滑らかに指が揺らめく。


引き抜いた手に持つのは、ふざけた顔したジョーカー。手持ちの六つのダイヤは寂しそうにしている。さっきまでの真顔を壊して、アイツはニヤリと笑った。

しかし、まだ勝負は終わってない。別れた真っ赤な二人を再会させないために、二枚のカードを素早くシャッフルする。アイツは余裕そうな顔をして待っている。その顔を、絶望に染まらせてやる。


差し出されたカードを見比べても、裏面では全く区別がつかない。探るように指を泳がせても相手の顔色は少しも変わらない。舌打ちしたくなるのを堪えてこっちも笑ってやる。全てお見通しですよと笑う。少しでも相手の心を乱せたらこっちの勝ちだ。たかがババ抜き、されどババ抜き。負けた時の罰ゲームのリスクは高い。意を決して引き抜いたカードの表には、また会ったねとピエロが嗤っていた。


ジョーカーを引き抜いたバカ野郎は隠すことなく舌打ちをした。それを見てると笑えてくる。見えないように背中でカードを混ぜて、オレの前に差し出す。こちらから見るとどっちがどっちかわからない。しかし相手の顔色を見ればわかる。少し焦っている。その焦りから心の防壁がボロボロと壊れていく。指を動かせば手に取るようにわかる。少しだけ目が見開く。息が詰まる。指先が震える。余裕を持って引き抜いたそのカードには、騙されたなとピエロが嗤った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ