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プロローグ
『ヒナ』
低く甘い声。
その声で慈しむように名を呼ばれるたび、胸の奥が熱を帯びて、自然と頬が緩む。
初めてあなたに出逢ったころは、こんな未来を想像することもできなかった。
鋭く冷たいと思っていた瞳が、こんなにも優しく私を見つめるなんて。
血に濡れていた手が、こんなにも温かく私を包み込むなんて。
傷だらけだった身体が、こんなにも私に安らぎを与えてくれるなんて。
あなたといるだけで、私がこんなにも笑えるなんて。
あなたの存在が、私をこんなにも輝かせてくれるなんて。
……だけど、今ならはっきりと分かる。
あなたと出逢った、その瞬間から。
私は輝き始めていたのだと。




