18.異世界語
ー時は戻り、レニが聖地を出発して程なくー
「…ア、イ、アトー…」
『惜しいです。正しくはア、リ、ガ、ト、ウです。』
私は今、絶賛レナ先生の異世界語教室で勉強中だ。
聞いたこともない言語に悪戦苦闘しつつも、ここ2日ほどで大分単語を覚えたと思う。
ただどうしても発音が上手くいかず、聞き取りは出来ても喋れないのが現状だ。
…それにしても、地球にいた頃より物覚えが早くなっている気がする。
今まで普通に人並みの記憶力だったのに、今回の異世界語教室は始まって二日ほどで簡単な会話なら聞き取れるレベルまで成長しているのだ。流石に覚えるのが早すぎる。
『…それは魔力の影響かと思われます、あるじ様。』
いきなりキーの声が聞こえて、少しびっくりしてしまった。
そういえば、考えてること伝わっちゃうんだっけ…
「記憶力と魔力に何の関係があるの…?」
『こちらの世界では、魔力は直接身体能力にも作用いたします。地球の小説やアニメなどに出てくる、魔法で能力値をあげるものと同じだとお考えください。本来こちらの世界でも、魔力を使って能力値を上げたい場合は意識的に操作が必要なのですが、あるじ様は魔力量があまりにも多いため、常時無意識に発動してしまっているのだと思われます。』
「ほえ〜、バフがかかってるみたいなものかな?…あっ!それなら体力とか身体の方も強くしたら、聖地から出ても安全ってことだよね!?」
アンシェールの話を聞いてから、何だか外の世界にめちゃくちゃ興味が湧いてしまって、早く遊びに行きたいと思っていたところだ。
もしレオナぐらいの能力値まで上げられれば、少しの間なら安全に出かけられるのではないかと期待したのだが…
『…残念ながら難しいかと思われます。魔力で身体能力を上げると言っても、現在の数値を基に増幅させるため、元の数値が弱すぎてはいくら魔力があっても意味がありません。』
…うっ。そ、そんな弱くないもん…この世界の人が異常なだけだもん…
「運動嫌いなんだよね…特に筋トレとかジョギングとか単調なやつ、途中で飽きちゃうから長続きしないんだよいつも…。」
『…一応、身体を鍛える以外にも方法が無いわけではありません。あるじ様の召喚した眷属達は、常日頃から自身の魔力の一部を母体であるあるじ様へ送り返しております。今はまだ眷属の数が少ないので目立ってはおりませんが、召喚数が増えればその分あるじ様への魔力供給も増えて行きます。そうすればあるじ様の魔力量もどんどん増えて行きますので、元の値が低くとも身体能力を一定以上まで上げることができるかと思われます。』
「…つまり、召喚した眷属が多くなればなるほど、私の魔力も増えていって、かけられるバフの強さも変わるってこと?」
『左様でございます。』
やっぱりやるべきことは召喚って訳ね。
新しい種族の召喚は素材集めがかなり大変なので、一旦レニが戻るまでは今素材が手元にあるトレントやシルフ、サラマンダー達を増やしていくことにした。
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「…そういえば、レノが出発してからもう2日ぐらい経つけど、そろそろ帰ってきそう?」
2日前、レニがサイドポートに向かって出発したと同時に、レノにも周辺の村から食料や生活用品などを買ってきてもらうようお願いしていたのだ。
とはいえ、レオナが持ち歩いていた硬貨は銀貨1枚と銅貨数十枚程度、あとは全てギルドの銀行に預けていたので、それでどこまで入手できるだろうか…。
もう最悪食べ物があればそれでいい…!




