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魔王の入ったアイテムボックス  作者: ぴよぴよまおう
10/10

一家に一人、便利な万能魔王



「ほあぁ……」



終わった。終わってしまった。

あれだけあった沢山の芋の仕分け。今日一日で終わらせるのは無理だなぁと思っていた芋の山が。


宙に浮かんだ長爪の指が、ひゅーん、ひょい。

それで、終わり。



………。

……は?


いや意味わかんない。

私も魔法の存在は知ってるよ。村には魔法使いも居る。

でも、その村に居るお婆ちゃん魔法使いが言ってたんだ。

「魔法は、何でも便利に楽が出来る力じゃないよ」と。


幼い頃に魔法使いに憧れて、教えてもらいに突撃した時だ。

何でも出来る魔法は無くて、ただちょっと風を吹かせるだけでも、お婆ちゃん魔法使いの家にあった椅子を動かすだけでも、とっても難しい魔法を使わないといけない。

だから魔法を使うより、団扇を扇いだり、手で椅子を引いた方が早くて楽ちんなのだそうな。

だから、何でも魔法で済ませようとするのではなく、自分に出来る事は自分の力で行った方が良いのだと。

幼い私の頭を撫でながら、お婆ちゃん魔法使いはそう教えてくれたのだ。



それなのに。

今、この指は何をしたの?



「ふむ。こんなものか?娘よ、これで詫びぐらいにはなっただろうか。」



まさか。

もしかして。

…本当に?


宙から飛び出た謎の指男。

自称:魔王で勇者に親しげで。

おなかが減ってるらしい不審者。


もしかして、本当に……。



………うーん。

でもまぁ、とりあえず。



「………豆の仕分けも残ってるんだけど?」


「そちらもか。まぁ、構わんとも。」



豆の仕分けもやってもらお!!

こりゃあ楽ちんだ!!!ヒャッホウ!!


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