災害あと
お待たせしました
「な……なななっ……!そ、そんなっ……」
「辺りの結晶はもうないはずだっ、何故再生できるっ!!」
違う……奴は辺りの結晶で回復している訳ではない。いつの間にか辺りから残骸が消えている。
辺りの残骸を何らかの手段で回収、魔力で動かなくなった関節を無理やり動かす準備をしているだけだ。なら動力はどこから?
「「まさか……」」
「繧キ繝シ繧ッ繧ィ繝ウ繧ケ豁」蟶ク縲√が繝壹Ξ繝シ繧キ繝ァ繝ウ縺ッ豁」蟶ク螳後Μ繝ァ繧ヲ縺励∪縺励◆」
残骸が……動き出した。誰だこいつを合成獣なんてちゃちな枠組みに収めたのは。こんな……こんな破壊兵器に!!
これは間違いなく人為的に作られた究極の生体兵器だ。ありとあらゆる環境で究極の戦闘力を発揮する全生物の情報を喰らう怪物。
どうすれば勝てる……?どうすれば奴の硬い外郭に阻まれた内部制御機構を壊せる?
「しゅぉぉごぉぉぉぉいぃぃんっ」
「っ!主様っ!!」
「任せろっ!!」
白露の動きを視つつ、的確に奴の部位を削……れないっ!?瞬時に崩壊した残骸を吸着し、動かしているだと……!?
せめて白露に先取りと未来視を共有できればこの窮地もマシになりそうだが、くっ無いものねだりをしても仕方な……
「こ、れは……」
「視える、視える……!未来の軌跡が!!全て視えるっ!!主様はいつもこんな風に戦っていたんですね……ずるいです」
「その速度もずるいと思うが?」
白露が視る未来と俺の視る未来が共有されている?どういうことだ?俺の能力は誰かと共有出来るようなものではない。
なら何故……?思い出した。己と魔物、特殊な技術でお互いの魂を接近させた者達が居る、と母は言っていた。
そして、独孤家の当主は5代目ほどまでその力を振るっていた、と。まさか、これはそれと同質の……?
「そうですね……行きます!主様、どれくらい取れますか?」
「後10秒だ」
「十分です。合わせてくださいね!」
崩れた奴の周囲を白露の動きに合わせて対になるように斬撃と打撃を合わせる。一見意味がないように見えるが重要な意味がある。
先取りは結果を引き起こす動作を後で行わなければ既に発生した効果が無くなってしまう。だからこそ、これをやる必要がある。
「主様!いきます!」
「白露……頼んだぞ」
「もちろんですよ」
奴の内部結晶の崩壊と同時に白露が放ったアミノハバキリに合わせるように黒い魔力を纏って結晶を突き、剣を天に振り上げる。
「どぉおぉぉぉおぉぉぉお!!」
「りゃぁぁぁあぁぁぁぁあ!!」
結晶を跳躍して切り裂き、白露と交差する際に白露から魔力を受け取り、銀の極光で相手を切り裂き、蹴り、切り、飛び、貫く。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「ふー……ふー……ふー……」
いつの間にか倒れていた。横には巨大な水晶の牙が転がっている。奴等が放置する最害獣に勝った……勝ったっ!!
ようやく!ようやく!!あいつらを粉砕できる……!!早く動けっ早くっ!!早くっ!動けよこの体っ!!
「は、ははははははっ!はーっはっはっはっはっはっ、はぁはぁ……はははははははは!!」
「主様?」
「ははははは!けほっけほけほけほっ!!はぁ……はぁ……はぁ……これで、これで決着が着けられるっ!!どんな運命だろうとこの牙と憎悪があれば断ち切れるっ!!」
「そうですね……私達なら出来ます」
白露が真剣な顔で頷いてくれている。過去に決着を付ける戦いに付き合ってくれて本当にありがたい。
「ありがとう」
「ど、どうしたんですか……急に//」
「日頃の感謝だよ」
「嬉しいです……」
切なさと嬉さが複雑に混じり合った表情で白露はそう言った。この顔を見ると心臓が掴まれるような切なさを感じる。
どうしてこんな顔を……白露は今何を思っているんだろう。何を思ってこんな顔をしているんだろう。知りたい……もっと知りたい!!
「うっ……はぁ、はぁ……どぉっ!!」
「主様、もう少し休みましょう?まだ大丈夫ですよ」
「奴等は、もう動いている……裏に辿り着くの、も時間の問、題だ。完成前に来ら、れる訳に、はいかない」
「ぬっ……と、とと。肩使ってください、いえ、使ってもらいます」
白露に腕を肩に掛けさせられ、水晶牙を背負いながら結晶の森跡地の奥へと進む。殺風景だ。死体死体死体荒野死体死体……。
うんざりするほど荒廃している。俺達のせいなのでなにも言うことは出来ないが……。
「ここは……」
「巣、みたいですね……」
次は7月下旬です




