災害
お待たせしました
「戻ったぞ、検死班の意見は?」
「そ、それが……不適合魔力過剰潜血だそうです」
「なんだと?」
「脊髄付近を起点に魔力経路に異常が見られたそうです」
なるほど……神聖楔に機能不全を起こさせた、だと。我々の祝福の源、全ての神の世界と我々を繋ぐ扉。
それを……それを……!!歪める、だと?それをっ、それをっ!!神への侮辱っ、許されないっ!!
「領主様、死体の分布が上層に偏っているのです」
「なに……?」
「それと、魔力の残滓がおかしいのです。通常であるならば死体の魔力は全身から万遍なく世界へと戻っていくはずなのですが、何故か、脊髄付近からのみ戻っていくのです」
やはり神聖楔か。だが、そうだとして神聖楔を使ったとて何故このような外傷が体に現れる?
「魔力に異常は見られるか?」
「いえ、見られなかったようです」
「チッ……図に乗りやがってぇ……!!」
──主人公──
「白露、縄張りの結晶侵蝕率はどうなっている?」
「ほぼ崩壊してます!行きますよ!!」
「頼む!」
「この姿勢にも慣れてきましたね。行きますよ!」
白露から降ろされた地点は巨大なクレーターになっていた。結晶の森はもう面影すら残っていない。
その中心で巨大な何かが丸まっていた。まさか、休眠状態に入ることで隕石を耐えたのか……?
「シュルがぁぁあぁあ」
「っ!!」
「お粗末っ!!」
蛇の毒液を躱して蛇の首を落とした結果を先取りし、奴の腹部へと走り股の下抜けざまに魔力を乗せて逆袈裟斬りをかます。
骨にはそこまでダメージはないk……なんだ?この、異常な魔力の奔流は?奴の腹部から……逃げなくては!!
「ぐるぉぉおぉぉぉおシュュュュュユ」
「なに、が……」
奴の腹部を突き破るように白銀の極光が吹き出し、圧倒的な力で辺りを灼き尽くしていく。一体何が……?
俺達には外部から白銀の極光を打ち込む手段はあっても内部から白銀の極光を打ち出す技術はない。一体なぜ?
「どうしてこのような反応が……さっきの攻撃とこの間までの攻撃の差異はなんだ?主様の攻撃と私の攻撃が同時?いや、単にそれだけとは考えにくい、だとすれば……」
「白露……っ!!後ろ後ろ!」
「シィィィィィィイ……!!この傷跡か」
白露が奴の高速の猛攻を片手で防ぎ、背後の死角からの攻撃を股下を潜って避けながら何か呟いている。
何か気がついたか?しかし、一体何に?くそっ、邪魔な攻撃だ……。毒液を回避し、牙を避けても必ず爪が襲いかかってくる。
「鏡合わせになるように頑張って私に合わせてください!」
「分かった!!」
今の動体視力では白露の全力は追えない。なら、未来視を使うしかない。残り時間……19秒か。
──始まった──
「シュルごぉおぉおぉおぃぃぃいんっ」
白露が奴の突進を避け、木を蹴りつけて側面を殴りつけ、その勢いで上空へと飛び、馬の首を殴りつける。この間、約0.01秒。
「シィィィィイィィィィイ!!」
「ごるぅぉおぉぉぉおおぉっ!!」
ドラゴンブレスを躱した白露の放ったアミノハバキリが蛇を切り落とした。そして手に持っていた糸を引っ張り奴を縛り上げる。
「ご、ごる……」
「次はその獅子の頭だぁぁあ!!」
縛る糸を片手にエリムサルエを何度も何度も打ち付ける。糸が緩んだ瞬間、壊れかけた奴の頭から放たれたブレスが直撃した。
──戻ってきた──
「シィィィィイィィィィイ!!」
「どらぁっ!!」
白露に合わせて側面から剣を叩き込み、馬面を切り裂く。よし、合わせられたっ。銀の極光……っ!!合わせた程度で何故体内から?
「シュごるぉぉおぉぉぉおぉお!!」
内から溢れ出る極光が奴を灼き尽くしていく。蛇の毒液を前転で躱し、立ち上がりざまに振り返りながら蛇に剣を叩き込む。
「ごるぅぅうぅうぅううう!!」
「白露!ブレス!!」
「対策済み、です!合わせてくださいね!!」
「無茶言うなぁ……!!こんなの絶対に出来るやついないぞ。そう、俺以外にはな」
白露縛った顎にエリムサルエを振り下ろすのに合わせて顎下から切り落とし、首に剣を振るう。
普通にやっても硬すぎて切れないか。同時に当てた場合何故白銀の極光が出るのかは分からない。だが、今はただやるだけだ。
「ご、ごるぅうぅぅ」
「逃げ場なんて、ありませんよ」
「ご……」
「駆除、完……っ!!」
まだ、終わっていない。全ての頭を落としてもまだ、終わっていない……!!落とした頭以外は全て処理しなければ!!終わるっ……!
白露も冷や汗を掻きながらエリムサルエを地面に着きそうな程に振りかぶり、亡骸を処分場としている。頼む……終わってくれ……!!
「「だぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあ!!」」
「縺弱℃縺弱℃縺弱?縺弱e繧九♂縺峨♂縺翫♂縺峨♀!!」
俺と白露の攻撃が届くよりも早く脳を直接震わせるかのような音が響き渡る。怖い……怖い、なんだこれはっ!!なんだこれはぁ!!
「諡。蠑オ讖溯?縺ォ驥榊、ァ縺ェ谺?髯・繧堤「コ隱谿句ュ倬Κ蜩√?鞫る」溘↓繧医j縲∬?蜉帙?
蠕ゥ蜈?r髢句ァ九@縺セ縺吶@縺セ縺」
「「どぉぉぉぉおぉぉお!!」」
目の前で理解不能な何かを呟く球体に剣とエリムサルエを対にぶち込んだ。打ち込んだのに……何故壊れない!!
内部から直接白銀の極光を届かせる攻撃だぞ?そんなものを防げる生物がいるはずがない!!いてたまるか!
「貍皮ョ玲ゥ滄未縺ォ闔ォ螟ァ縺ェ鬲泌鴨繝イ遒コ繝九Φ逶エ縺。縺ォ繝悶Φ繧サ繧ュ縲∝精蜿取コ門y繧帝幕蟋九@縺セ繧ケ縲ゆクヲ陦後@縺ヲ謳榊す驛ィ菴阪し繧、繧サ繧、繧キ繝シ繧ッ繧ィ繝ウ繧ケ遞シ繝峨え」
「な……なななっ……!そ、そんなっ……」
「辺りの結晶はもうないはずだっ、何故再生できるっ!!」
次は一週間後です!




