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幼き頃の夢
夢を見た。
スズエとシルヤと一緒に過ごした幼い日の夢。
「アイト兄!これ、あげる!」
スズエはボクに花冠を渡してきた。この花は確かハナビシソウという名前で、ボクの誕生花だっけ?
確か、その意味は……。
「私を拒絶しないで」。
あぁ、そうだ。
ボクは、誰かに愛されたかったんだ。スズエはそれに子供ながら気付いていて、それで一緒にいようねって言ってくれたんだ。
「アイト兄?泣いてるの?」
「大丈夫?」
二人がボクの頬に伝う涙を拭ってくれた。ボクは二人の頭を優しく撫でる。
「ううん。何でもないよ。ね?
――カナエ、カイト」
――これは、まだ二人の祖父母が殺される前の話。
アイト編はここまでで終わります。これを知ったうえで最後の物語を読むとより理解できると思います。
まだ続きますが、ここからはほかのキャラ達の過去編です。もっといえば、「彼女」と会っているタイミングの話です。




