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007 魔法を習う1

木の実を食う。

桃みたいな感じ。美味い。


『その獣も食え』

「いやいや、料理の仕方とか知らないって」

『そうか。ではしばらくはその木の実だけがお前の食料だ』

「マジか?!」

『いやなら自分で採ってくれば良いだろ……あっ、スマン』

「ん? 何で謝ったんだ?」

『弱小だって事を忘れていたわ、プークスクス』


ぐぬぬ……。

本当だから言い返せないが、すげーバカにされたのは腹立たしい。


『だから我が魔法を教えてやろうと言っているのだ』

「……お願いします」

『うむ。任せておけ』


悔しい。悔しいが……ドラゴンの魔法にはめっちゃ興味ある。

悔しさが1なら興味は100だ。

頭も下げよう。


『まずは……重力魔法だな』

「いきなりチート級の魔法かよっ!」

『チートとは?』

「ズルいとか反則級とか、そういう意味だ」

『そうか? 簡単な順にしただけだが』


重力魔法が簡単?!

魔法学校がビックリして騎士学校になるレベルだぞ?!


「そ、そんなに簡単なのか?!」

『あぁ。手順を説明してやろう。

 まず重力を司る精霊と契約する。次に練習する。以上だ』

「簡潔な説明! そして意味が判らない! 重力を司る精霊って何?!」

『そこら中に居るではないか』

「見えません! 知りません!」

『マジかー。テンション下がるわー』


ドラゴンがギャルみたいになった。


『しょうがない。我が仲介してやろう』

「お願いします」


聞きたい事は山のようにあるのだが、ここは順番に進めよう。

質問攻めしても良い事は無いからね。俺、学習した。


『……ふむふむ。どうやら契約しても良いらしいぞ』

「マジで?!」

『ああ。ただし、年に一度捧げ物をしろと言っている』

「しますします。無茶な物を要求されなければ」

『何々……今回はホワイトドラゴンさんの仲介なので、サービスする?』

「助かります」

『今なら蒸したサク芋2個で手を打とう! 30分以内に契約なら、更に風の精霊も付いてきます! との事だ』

「テレホンショッピング!」

『どうするのだ?』

「契約します!」


サク芋2個で年間契約なんて安すぎる!

サク芋は日本で言うところのサツマイモみたいなやつ。

安くて年中手に入る、庶民の味方なのだ。


『では契約だな。……うむ、契約出来たようだ』

「早っ! えっと、何の変化も無いけど、出来てるのか?」

『ああ。ちゃんと契約出来ている』

「それで、重力魔法はどうやって使うんだ?」

『現状の重力が6で、最小が0最大が20だ。だから使いたい時は「俺の体の重力を2にして」と頼めばOKだ』


それって魔法か?!

ただのお願いじゃね?!


『予め決めておけば、ハンドサインでも可能だぞ』


精霊って優秀!


『獣を狩る場合は「あの獣の重力を20にして」と頼めば倒せるだろう。

 まぁ、20にしたら潰れてしまうので食えなくなるがな。8くらいにして動きを止めて剣などで殺せば良いだろう』

「剣なんか持ってないんですけど?」

『沢山あるぞ。我を倒そうと冒険者が来るのでな』

「それで剣があるのとどう繋がるんだ?」

『罰として全ての装備と金を置いていかせるからだな』

「……それって、生きて帰れないんじゃないか?」

『人を殺しに来ておいて、命があるだけマシだと思わんか? 運が良ければ帰れるだろう?』


そう言われればそうだけどさぁ。


『そうだ! お前が街に戻る時に、ついでに山のようにある装備を街に返却してきてくれ。邪魔でかなわぬ』


ドラゴンにお使いを頼まれました。

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