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伯爵令嬢、溺愛される  作者: 深海
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記憶の中の思い出

思い出せない思い出てありますよね

私も小さい頃こと、思い出せないことあります。

「そなたと初めて会ったのはあの夜会ではない」


「(何時、お会いしたかしら、私、覚えていない...)」


私は冷や汗をかいた。


お会いしたか覚えていないだなんて失礼にも程がある。

こんな美しい殿下のことを覚えていないだなんて


「そなたは幼かったから覚えていないと覚悟していたが」

「(幼少の頃、ですか)」

「殿下、申し訳ございません、10年前の我が伯爵家主催の茶会の時でございますね?」

「その時だ」

「(えー...6歳だと、覚えていない気がしますわ)」


全然覚えていません!!!!

私、全然思い出せません!!

というか、平然とお父様会話してますけど、なんでお分かりになったのですか


「私が伯爵家の庭で迷子になっていた時にアンネリーゼ嬢が探しにきてくれた」

「え、わ、わたくしですの?」

「あぁ、忘れるはずもない、金色の髪、菫色の紫の瞳...アンネリーゼ嬢、そなただった」


エリオットは懐かしげにアンネリーゼを見つめ微笑んだ

アンネリーゼは私、その時、何を喋ったのかしら...と考えていた。

うーんうーんと悩んでいたらエリオットは手をそっと掴んで


「その時の話はまた今度いたそう、本日は急にお呼びして、申し訳なかった」


すっと手の甲に...キスを落とされました。

私は動揺して顔真っ赤になった気がしました。

顔が熱いから多分赤い。


「いえ、急でしたけれども私は殿下とお話できて、嬉しいですわ」

「アンネリーゼ嬢、またお会って貰えないだろうか?」

「は、はい!殿下」

「外務大臣、よろしいか?」

「え、えぇ、殿下」


では、とエリオット殿下は政務に戻っていかれました。

こほんと陛下が咳をされ、私達は向き直り


「アンネリーゼ嬢、エリオットをよろしく」


と言われ、私達は王宮出ました。


伯爵家に戻り


「アンー!!!大丈夫だったか??」

と兄様は私を抱きしめてくれたけれども

私の頭の中は殿下のことしかなかった


「兄様...」

お母様が私の顔を覗いてハッとした顔をした

「あらぁ、アンちゃん、顔真っ赤よ?」

「何!?熱か!?」

「実は、な」


お父様がおふたりに事情をお話になって


「はぁ!?エリオット殿下の婚約!?アンと!?うちと結んでなんの得が!?」

「まぁまぁまぁー!アンちゃん、おめでとうございます!」

「よくない!よくないよ、母上!アンが苦労にするに決まってる!」


だんだん!と兄様は机を叩いた。

お父様はこら、やめなさいと叱り

お母様はニコニコと私を見つめ


「アンちゃんはやっぱり殿下が良いのね、あの時の事を思い出すわ」

「あの時?やっぱり、私、忘れているの...」

「アンネリーゼ、茶会の時は2人ともいなくなって大変だったんだよ」


覚えていない、私はすっかりと抜け落ちている


その思い出が何故か、ない


「父上、母上、何時の、話ですか?」

「10年前、うち主催の茶会をやったのだけれども、丁度、王妃様とエリオット殿下をお呼びしたことがあってね」

「エリオット殿下がお庭に出てしまって迷われた事があったのよー」

「アンネリーゼは殿下を見つけたんだ」

「アンが?」


アンネリーゼはあの頃はとてもお転婆でね

周りの目を気にせずお庭の花を眺めたりするのが好きな子だった

あの時、殿下に出会ってからぴたりと今のようにしっかり子に変わった


「お父様は、私が殿下と何を話していたかは」

「すまない、私もわからない」

「お母様もわからないわー」

「それで思い出して婚約、か...私は反対です!アンがよくも知らない殿下と結婚なんて!」

「お母様は好きだわー、殿下かっこいいものー」

「アンネリーゼ、しばらくは殿下のご都合に合わせてくれないか?」


そう、なりますよね...

色々と謎な事が多いので気になるには気になります。

もう一度お会いしてみてお話を聞いてみたい


「私はお会いしたいと思っております」

「アン!」

「アンちゃん」

「アンネリーゼ、結婚抜きにしても、よく考えて殿下とお話なさい、本当は王命だから逆らう事はできない、でも、アンネリーゼが嫌がる事は私は賛成できない」


私はお父様の言葉に頷いて、部屋に戻った。

この頃の私は知らない。

これからどんどんと殿下とお会いする日が多くなる事を


また王子様、チョロとしか出てこんでしたわーもっと出したい

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