080 翌朝
「とりあえず、今日は無事起きれたか……」
いつもの時間より少し早めに目が覚めた僕は、少し勝ち誇った気分で目覚ましを解除した。
まずは身支度を調えて、朝食を摂る。
昨日は、寝坊から始まって、慌ただしい一日だったので、せめて今日からはヤヤに振り回されるにしても、多少落ちついた気持ちで対処したいと思っていた。
昨日の永田さんとのやりとりもそうだけど、陽菜ちゃんとの話だって、上手く考えが纏められなくて、状況や話の流れにかなり流されてしまったと思う。
流されるまま、なし崩し的に結果に至ってしまうよりも、やはり僕なりに考え、行動した行く末として結果に辿り着きたかった。
その為には、まずは落ち着いた行動を心掛けようと、思ったところで、玄関からガチャリと鍵が解錠される音が聞こえる。
「ちょ……」
思わず焦りの声が出たが、でも対処しないわけにもいかないので、部屋の隅にあったホウキを握って、部屋の壁に体を押し付けて、玄関側からは見えにくい位置に移動して、玄関の様子を覗った。
直後、玄関扉が勢いよく開かれる。
「レンタ! 迎えにきたよ!」
言うなり制服に身を包んだヤヤが、中へと飛び込んでくる。
思わず廊下に顔を出して「ヤヤ?」と驚きの声を上げてしまった。
すると、僕を視界に収めたらしいヤヤが、笑顔満面で、土足のまま、僕の方へと歩み寄ってくる。
「待て! ストップ、ドンムーヴ!! フリ~~~ズ!!」
「はぇ!?」
僕が突然声を張り上げたことに、驚いた顔をしてヤヤが動きを止めた。
ヤヤの動きに慌てていた僕ではあったが、動きを止めてくれたなら、目的はほぼ達成しているので、まずは指摘することにする。
「良いか、ヤヤ、まず、一般的な日本の住宅では、土足厳禁だ。靴を脱いで家に入る。そのタイルの貼ってある土間が靴を脱ぐ場所で、今君が立っている木の床部分は本来靴を脱いでから歩く部分だ!」
「え? あ、そうなの、わかったー」
言うなり靴を脱ぎ始めたのは素直で良かった。
が……。
「ちょ、ちょっと待て! スカートがめくれるから、座って脱げ!!」
立ったまま脱ごうとするので、バランスを崩しかけて立て直そうと、片足で跳びはねる度に短いスカートの中が見えそうになる。
「そもそも、何でそんなに短いんだよ!」
常識を教えるように永田さんに言われたせいか、ツッコミというか、苦情というか、ヤヤに対する指摘が止まらなかった。
だが、ヤヤの返した言葉は、そんな僕を止める。
「これが普通なんだよね、陽菜!」
「陽菜……って、陽菜ちゃん?」
僕の聞き返しに答えを示すように、開かれたままだった玄関ドアから陽菜ちゃんが顔を覗かせた。
「あはは、レン、おはよう」
修正報告
2021.07.31
前:せめて今日からは八弥に
後:せめて今日からはヤヤに
前:その為にには
後:その為には
前:言うなり制服に身を打つんだヤヤが、赤へと飛び込んでくる。
後:言うなり制服に身を包んだヤヤが、中へと飛び込んでくる。
前:僕の法へと歩み寄ってくる
後:僕の方へと歩み寄ってくる




