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067 予測

 陽菜ちゃんの問いに、僕は心の底から何を言っているんだという思いを込めて「は?」と聞き返していた。

 そんな僕に、陽菜ちゃんは深く息を吐き出してから、改めて言い直してくる。

「だから、彼女と付き合うつもりとかじゃないの?」

 陽菜ちゃんの真剣な目から判断して、どうやら大真面目に聞いているらしいことは感じ取れた。

 となると、真剣に応えないといけない。

「陽菜ちゃん、冷静に考えて欲しいんだけど、突然、自分の作った人型ロボットで、出会ったばかりの人間を空に飛ばすヤバイヤツをどう思う?」

 僕の言葉に、陽菜ちゃんは目をパチクリと瞬かせた。

 それから顎に拳を当てて「うー、それは……」と表情を曇らせる。

 だが、そこで納得して終わりとはなら無かった。

 少し前までの勢いはなく、ひねり出すような感じで、陽菜ちゃんは「でも、彼女、凄く美人でしょう?」と尋ねてくる。

 対して僕は大袈裟に溜め息を零して、目を閉じると首を左右に振った。

「確かに、ヤヤはスゴイ顔も綺麗だし、スタイルも良いと思う」

 そこまで言った瞬間、陽菜ちゃんから怒りのオーラが放たれるのを感じた気がするが、目を閉じていたお陰で直視はしていない。

 寸前の自分の判断に、拍手を送りつつ、会話の流れとは言え、女の子の前で他の女の子を褒めるのはやっぱり地雷なのだと、深めに心に刻み込んだ。

 ともかく、陽菜ちゃんの怒りが爆発する前に、会話を推し進める。

「男の中には、顔とかスタイルが良ければそれでいいってヤツもいるけど、僕は、中身を重視したい」

 僕の断言を聞いて、少し怒りのオーラを引っ込めて陽菜ちゃんが「……中身?」と説明を求めてきた。

 会話の流れを途絶えさせぬように、僕は直ぐその説明に移る。

「僕は一緒にいて安心出来る相手がいい……その……例えば陽菜ちゃんみたいに」

 僕が例えで名前を出したのが、よほど想定外だったのであろう陽菜ちゃんは「へ!?」と声を裏返らせて、驚きの声を上げた。

 そんなに驚くようなことは言ってないと思うんだけど、男女では考え方が違うらしいし、仕方が無いのかも知れない。

 まあ、だからといって、ヤヤが高嶺の花だから、陽菜ちゃんで妥協したなどと誤解されては困るし、そう受け取られてしまうと傷つけてしまうだろうから、ちゃんと断言した方が良いと僕は判断した。

 なので、陽菜ちゃんがヤヤより安心出来る理由を告げる。

「陽菜ちゃんとは付き合いも長いし、性格が良いのも知ってるからね。会ったばっかりのヤヤとは、友(・)達(・)と(・)し(・)て(・)は(・)やっていけるだろうけど……ね?」

 だから、見た目だけでヤヤに惚れたりしないよと、僕は心の中で付け足した。

 けど、付け足したのが心の中だったから、陽菜ちゃんはそこを的確について質問してくる。

「じゃ、じゃあ、その……長い付き合いになれば、わからないじゃない?」

 陽菜ちゃんの指摘に僕は「確かに」と頷いた。

 直後、陽菜ちゃんの表情が暗くなる。

 すぐに言った言葉を翻したように見えて、呆れたのかもしれないので、僕が考えることを伝えることにした。

「でも、長い付き合いにはなら無いんじゃ無いかな?」

修正報告

2021.07.06

前:陽菜ちゃんは不覚息を吐き出してから

後:陽菜ちゃんは深く息を吐き出してから

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