↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/175

054 Check Answer

「そ。それはかまわないけど……」

 エルの問いになんとなく嫌な予感を感じつつも、僕はそう答えた。

 一方、エルは僕の承諾を受け『それでは』と前置きしてから、話し始める。

『レンタさんにも、すれ違いの内容について理解していただくために、マスターの発言内容をより詳細にお話しします』

「う、うん」

 確かにヤヤの発言の内容がわからなかったから混乱が生じたのかも知れないなと思うので、嫌な予感は拭えないものの、ともかく情報を得ようと頷いた。

『マスターが連想したのは、旧約聖書の創世記における楽園追放に関わる一連の物語です』

 イヴという名前が出てきていたので、僕にもなんとなく楽園エデンから追い出された話まではイメージ出来ている。

 そこまでは繋がったんだけど、何故、それが突然出てきたのかがわからなかったのだ。

 すると、僕の考えを完全に把握しているエルが、僕の疑問の答えを口にしてくれる。

『楽園追放において、アダムに、禁断の果実を口にするように唆(そそのか)した蛇の名前が『サマエル』とされています』

「あ~~~」

 あまりにも綺麗に嵌まった説明に、思わず感心して、ポンと手を叩いてしまった。

 蛇の名前が『サマエル』で、ヤヤの造ったロボが『アダム』なら、楽園追放が連想されるのは当然だと思う。

 僕だって、蛇の名前を知っていたら、連想したろうし、そもそも名前として提案しなかった。

 そう考えたところで、エルが『次にレンタさんの思考過程ですが』と口にしたので、思わず固まってしまう。

 これからヤヤに、エルが僕の考えたことを説明するという事態に、頬が一気に熱を持った。

 エルの体……ロボットの体なのに、羞恥心で頬が熱くなる感覚を味わえるなんて凄いなぁと、僕は恥ずかしさの余り思考を逃避させる。

『呼称に関して問われた際、エルに何かを付け足すのが良いと、レンタさんは考えました』

『なるほどね』

『その際に、エルに組み合わせる言葉として、英単語を選択され、ご自身の名前の漢字を元に候補を出しました』

『ふむ』

『名字である夏川から、サマーとリヴァーです。名前の方は該当する英単語を思い浮かべることが出来なかったため、この二つの単語が候補となりました』

『そっか、サマー・エル、略して『サマエル』ね!』

 ヤヤが謎を解き明かしたと言わんばかりに声を弾ませた。

 その声が無邪気に聞こえるほど、自分の思考過程が恥ずかしくて、僕はフリーズ時間を自動延長することになる。

 ヤヤの発想が楽園追放なのに、僕は英単語を思い浮かべてくっつけるというアホさ加減なのだ。

 だが、そんな僕に対して、エルとヤヤは優しく声を掛けてくれる。

『レンタの思考過程は面白かった。自分にない考え方というのは勉強になるよ』

『レンタさんが持てるものを総動員して、マスターに応える姿はとても感心しました!』

 だけども、何故だろう言葉を掛けて貰えるほどに、心が削られる気がした。

修正報告

2021.06.11

前:エデンから追い出された花島では

後:エデンから追い出された話までは


前:えるが僕の考えたことを

後:エルが僕の考えたことを

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。