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実は召喚したくなかったって言われても困る  作者: 極楽とんぼ


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1371/1371

1371. 20階(15)

 多少時間は掛かったものの無事にエルダートレントの残った蔓を切り落とし、苗を掘り起こして飛行型運搬具(リヤカー)にイチゴと一緒に積み込んだ隆一達は20階へ向かった。


「お。来てるな。

 ここは……鋼ゴーレムだったかな?」

 20階へ降りる階段から適当に歩き始めて比較的直ぐにゴーレムを感知した隆一は足を止めて魔力を練り始めた。

 金や銀のゴーレムはそれなりに人気なので他の探索者に倒されている可能性が高いが、不人気な鋼ゴーレムは今まで入った殆どのテリトリーで倒されずに残っていた。

 ここも倒されずに残っているらしい。

 まあ、隆一の鍛錬の為には丁度いいだろう。


「考えてみたら、ダンジョンマスターにラインアップを指定しているならまだしも、野良ダンジョンだった場合って特定のタイプの魔物が不人気で倒されなかったらそれが出なくなるとか、そればっかりになるとか言った中の魔物の分布が変わるなんてことはあるのか?」

 クロスボウ型足止め用魔道具も問題なく使えることを確認しながら隆一がお守り役の二人に尋ねる。


「不人気すぎて探索者がこないせいで迷宮そのものの魔素濃度が変わったから魔物のランクが上がるという事は時折あるが、何種類か出るうちの一種類だけ放置されるからそれでリポップの確率が変わるという事はあまり聞かないかな?」

 デヴリンが軽く首を傾げながら応じる。


「とは言え、20階みたいな感じで皆が金と銀のゴーレムを探して倒し鋼ゴーレムを放置していて、金や銀のゴーレムを倒した後のリポップで常に一定確率で鋼ゴーレムが出るとしたら、テリトリーが無いタイプの迷宮だったら結果的にはどんどん鋼ゴーレムが増えることにはなるな」

 ダルディールが不人気魔物が増える流れを指摘する。


「そういうのって探索者ギルドが調整しようとしたりしないのか?」

 例えば、王都迷宮で考えるならば金のゴーレムの割合が減ってしまったら探索者の損益に直結して、ここで探索したがる探索者が減って困るとか?


「ゴーレムでそういう調整はしないな。

 迷宮内ではなく外でだったら、希少で重要な薬の材料になる素材を食べまくるような魔物が増えすぎてきた場合はそれを討伐するよう依頼を出す場合もあるが」

 ダルディールが探索者ギルド側の内幕を告げた。


「そうか。と言うことは、迷宮内の魔物は攻略前でもお互い薬草を食ったりしないのか」

 ヴァサール王国の迷宮は殆どが攻略後なので、攻略してない迷宮における魔物の摂食行動に関してあまり詳しく聞いていなかった隆一だった。


「攻略前の迷宮だとテリトリー争いで殺し合う事はあるんだが、餌を食べるという行動は殆どないので希少な薬草を食べられて困るということも迷宮内ではほぼないな」

 ダルディールが隆一の言葉に頷く。


「食べないってことは生殖活動をして子孫を増やすこともなさそうだが、それでもテリトリー争いをするとは不思議なもんだな。

 魔物の性質そのものは変わらず、単に肉体的な摂食の必要性だけ欠落しているのかな?」

 食べる必要が無くても食べたがる魔物も居そうだが。

 というか、それで言ったらそれこそ人間こそが食べる必要が無くても楽しみとして食べたがる一番の生き物だろうが。


 スイーツなんて、食べる必要が無いのに渇望される一番の例と言える。

 まあ、それのお陰で人生にメリハリがつくと考えればいいだろう。

 魔物にはメリハリを楽しむ知恵がないと期待しておこう。


「さて。

 自力でどれだけやれる様になるか、頑張っていこうか。

 ヤバくなったら宜しく」

 クロスボウ型足止め用魔道具を鋼ゴーレムに放ちながら隆一がお守り役の二人に頼んだ。


「任せとけ」

 相変わらず鞘に入ったままの剣を持ちながらデヴリンが応じる。


 シュパ!

 ボーラ型の足止め用魔道具が宙を飛び、鋼ゴーレムの足に絡まる。

 残念ながら脚と脚の間が開いていたせいで単に右脚にぐるぐると絡まっただけだった。


「ちっ!」

 もう一度足止め用魔道具を放つ。

 今度はいい感じに両足に絡まった。が、重くて安定性が良いのかゴーレムは倒れずにそこで立ち止まっただけだった。


 「氷槍アイスランス!」

 練っていた魔力を放つ。

右腰にあった核の側にあたったが、十分ではなかったらしく、腕を振り上げて隆一の方へ叩き下ろそうとしている。


 まだ届かない距離な筈だが、地面の石を跳ね飛ばす可能性があるので急いでもう一度攻撃魔術を練る。

火槍ファイアランス!」

 今度はちゃんと当たったのか、もしくは冷却と焼却の組み合わせが良かった(悪かった?)のか、鋼ゴーレムの腰に皹が現れ、動きが止まった。


「お。

 上手くいったかな?」

 魔力視で確認しても魔力の塊は無くなっている。


 「大分と上手くなってきたじゃないか。

 これも関節部分だけで良いのか?」

 デヴリンが右足を切り落としてゴーレムを地面に倒しながら聞いてきた。


「いや、今から集めたら荷物になるから、鋼ゴーレムの素材は最後の一体だけでいいや」

 何も持って帰らないのは中々切ないが。


「やっぱ金ゴーレムを探すべき?!」

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― 新着の感想 ―
半導体も無い大昔から金や銀が貴金属扱いされていたのって ちょっと不思議な気がします 金は腐食しないからまだ分かりますけど 銀は何故なのか
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