45 グループ指名日と女子トーク
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日付変わっちゃいました;
少し短いですが、幕間的な女子トーク
※誤字修正しました。ご指摘ありがとうございます
指名日の朝、私は自分とエーギンハルト、ヴィンツェンツ、シーヴェルト、ディートリヒ、イヴァンの名前を書いた紙を教師に提出した。
先週の金曜日には、貴族子息の名前が連なった打診リストが届いていたが、それは全て丁重にお断りした。伝える必要はないとのことだったが、気になったので週末のうちに手紙を送ってある。
「明後日にはグループ決定ね。ふふ、楽しみね」
「フィリーネ、面白がらないで……」
昼休み、私とフィリーネは1階にある回廊の隅にあるベンチに座って昼食を摂っていた。庭園のベンチは日差しを遮るものがないので、7月に入る頃からこちらに移動したのだ。ここは屋根もあるし、風通しも良い。フィリーネは早々と昼食を食べ終えるとブラシを取り出し、私の髪をいじり始める。
私は最後のエッグサンドを口にしながら、いつか切り出そうと思っていた話を口にした。
「それよりフィリーネ、シーヴェルト様とのこと……教えてよ」
「んん、べつに大した話なんてないわよ?」
むしろ知らなかったことに驚いたみたいな言い方をされてしまう。どうも、私は本格的に鈍かったらしい。でも、教室で話している姿など見たことは一度もないのだが。夜会でも並んでいる姿は見ていない。
とはいえそれは私が侯爵令嬢で登場が遅いせいかもしれないと思い至る。シーヴェルトは殿下の護衛のような役割があるためか、夜会では常に彼の横に立っているからだ。だが、さすがにフィリーネのエスコートはしているに違いなかった。
「何でシーヴェルト様に私の話をしたの?」
「逆よ。私がシーヴェ……っと、シーヴェルト様に誘われたから、もう去年の約束があって予約済みっていう話をしたの。そうしたらとても困られていたから、貴女を推薦したのよ」
「いつもの呼び方で良いわよ?」
「だめよ、ここは外だから」
どうやらいろいろあるらしい。聞いてみると、ほぼ結婚まで決まっている仲ではあるが、殿下に婚約者がいないという理由でふたりは婚約者同士ではないらしい。
「あら、イヴァン様は婚約者がいらっしゃるようだけど……?」
「殿下が作られていないからという理由で婚約を遠慮するなんて言うのは、エーギンハルト様とヴィンツェンツ様、それにシーヴェルト様だけよ。3人共、盲目的に殿下を慕っていらっしゃるから。……でも、どうしてイヴァン様?」
「……同じ演奏会のグループだから」
なんとなく攻略対象をひとまとめにしてしまう悪い癖がまた出てしまった。私は慌てて取り繕うが、グループの話はタイムリーだったので、フィリーネは特に疑わなかったようだ。
「ディートリヒ様も婚約者はいらっしゃらないようだけど、彼は神官長のご子息だからね。きっと卒業されたら何年かは修行に入られるでしょうし、婚約や結婚はその後になると思うわ」
「そうなの」
ついでにディートリヒのことも教えてくれた。
攻略対象の6人のうち、悪役令嬢役で分かっているのはシーヴェルトの彼女と、ヴィンツェンツの妹、イヴァンの婚約者か……。
あれ、ヴェロニカ嬢は一体誰の悪役令嬢なんだろう。やっぱり殿下? でも、今の所とくに接点があるわけじゃないよね……。婚約者だった過去もなさそうだし……。
「殿下は婚約者を作られていないのよね……」
「ええ、陛下と王妃様は恋愛結婚だからって言われているけれど……」
「違うの?」
「そうね。昔は婚約者候補と殿下のお茶会なんてものもあったわ。でも、そういうのはもう随分と開かれていないわね」
「へぇ……それってフィリーネも参加していたの?」
「ええ、一応伯爵令嬢だからね。でも、私はその頃から……シーヴェルト様と付き合っていたし。そのことは殿下も知ってらっしゃるから」
「へっ? その頃って……」
「お茶会に初めて招かれたのは6歳だったかしら……って、私の話は良いのよ」
待って、そんなに前からっ!?
俄然2人の恋物語が気になりまくるんだけど!?
でもフィリーネは語る気はないらしく、うっすらと赤い耳のまま話を進めてしまう。
「ヴェロニカ様も参加されていたわよ。でも、いろいろあって……」
「いろいろ? トラブルかしら?」
「まぁ、そうね。ヴェロニカ様って昔からああだから、エーギンハルト様たちに拒絶されてしまって……」
殿下のお相手の筆頭になるであろう、同い年で家柄も釣り合う侯爵令嬢が苛烈な性格だった。それは、側近や宰相、護衛候補の少年たちには耐えきれないものだったのかもしれない。殿下に盲目な彼らでは、ふさわしくない等と平気で言いそうだ。
そして、現在もヴェロニカは将来の王妃にふさわしい性格とはとても思えなかった。
「いろいろあるのね」
「子供の頃からずっと一緒だからね」
その輪の中に自分がいないことがすこし寂しい。大変なこともあっただろうが、フィリーネとシーヴェルトのことなど、楽しそうなこともたくさんあっただろうに。
「ねぇフィリーネ。シーヴェルト様とのこと……いつか聞かせてね?」
「……ええ、いつかね」
頬を染めつつフィリーネは了承してくれたので、私は満足げに微笑んだ。
フィリーネとシーヴェルトの話書きたいです。
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