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ヒーローは危機一髪!

更新遅くなりました!

「デート・・・ですか?」

「うん!デート。」

意味がわからないまま宮谷の言ったことを復唱すると、宮谷は可愛らしく返事をした。

いや、全然可愛くないし!!女子力負けたとか思ってないから!!!

「すみれちゃんの都合のいい日でいいからさ、デートしよ?」

さらっとデートしてくんない?から、しよ?になってるのは気にしないことにしよう。

「嫌ですよ。」

「やぁ〜、辛辣〜!」

あはは、と宮谷が笑う。

だってやなんだもん。この人怖いもん。絶対本性出ちゃうんだもん。

「ん〜、じゃあデートしてくれたら桃ちゃんと誠くんの仲を取り持ってもいいよ」

「え"」

これは私にとっては思ってもない提案だったんだけど、なんせ宮谷にはメリット無くない?ていうか、宮谷は桃ちゃんのこと好きなんじゃないの?

「嘘」

「嘘じゃないよ〜、俺があの二人の仲を取り持つ代わりにすみれちゃんが俺と一回でもいいからデートしてくれればいいって話。」

「だってあなたにメリットがないわ。」

「ん〜、そう言われると弱いんだよね〜。

・・・俺とすみれちゃんって考え方が似てるじゃん?」

唐突に変わった話に私は首を傾げる。

私と宮谷の考えが似てる・・・?えーと、どこが??


「俺もすみれちゃんもメリット、デメリットがあるかないかで考えるし、意外と自分のことを客観的に見てる。」

・・・そう言われてみるとそうかも。

嬉しくない。


「そんな嫌な顔しないでよ〜、もう傷つくな〜。」

またまた、あはは、と笑う宮谷。

ん〜、その話とさっきのデートしよ?となんの関係が?

「でもさ、」

と、突然宮谷が人懐っこい笑顔を引っ込める。

「ただ、違ったのはさ、俺は本当に信頼できる人がいなくて君にはいるってこと。」

そんなことない、と言いかけて宮谷のことを何も知らない私は否定もできないことに気づく。

「いいんだ、本当のことだから。」

淡々と言葉を吐く宮谷を見る。

どこか悲しそうで、でも本当に綺麗な顔。

「でさ、」

ん?宮谷の声が急に明るくなった。嫌な予感・・・!!


「これからはすみれちゃんと信頼関係を築いていきたいなぁ、って。」


うげぇ、悪い予感的中・・・。

口説きよったよ、この男・・・。いきなり雰囲気変わったと思ったら口説いてきやがったよ。ちょっと心配してた私が馬鹿でした。

「私のタイプは一途な人なんです。」

ちょっとむかついた私は敢えて無表情で答える。

「じゃあ俺がぴったりだね!」

間髪入れずに元気よく答える宮谷。

どの口がそれを言う!!お前、この間花園さんといたの知ってんだぞ!こんちくしょう!!

「俺、すみれちゃんのこと好きだよ〜」

「はいはい。」

これでもダメか〜とか言いながら笑ってる宮谷の顔とさっきの寂しそうな顔がかぶる。


「別にいいですけど。」


「・・・え?」

「お出かけ、いいですよ。」

「デートしてくれるの?!」

「いえ、お(・)出(・)か(・)け(・)ならします。」

「あ、そこは譲ってくれないのね」

今度はケラケラと笑い始めた。こいつ・・・、失礼だろ!!

「まさかOKが貰えるとは」

「別に。気分ですから。」

こいつと信頼関係を築くつもりは全くありませんけど!!

必要以上に仲良くなってほかの女子に刺されたら嫌ですもの。

素っ気なく答えたにも関わらず宮谷はいつもよりにっこにっこで笑いかけてくる。(当社比2倍)

「へへ〜、嬉しいなぁ〜!これは絶対優勝しなきゃ〜。」

ヘラヘラ笑ってるくせに目がガチなんですよ!怖いんですよ!!私のチキンスキルが限界を超える前にこの部屋を出なければ!!

「それでは、私、クラスの男子応援しなきゃいけないので。」

「え〜、」

なんだよ!まだ用かよ!!何回引き止めるんだよ!!

と、後ろを向くと耳元に宮谷の整った顔が近づいてくる。

近い!近い近い!!!!!

「他の男の事応援して欲しくないなぁ」

だ〜か〜ら〜!!囁くなぁ!!!!!手を握ってくるなぁ!!

やたらいい匂いすんなぁぁ!!!


別に元々あなたを応援する気はありません!!と言おうとして口を開いたのに出てきた言葉は「あ・・・、う、別に・・・」でした。

もう、やだぁ・・・、なんで私ここまで慌てなきゃいけないの〜!

咄嗟のことすぎて仮面かぶってる暇もないんだよぉ〜!!


「も〜う、可愛いなぁ!!離したくなくなっちゃう」

もう!こいつ、やだ!!パーソナルスペース近すぎるんだよ!

私、そういうの慣れてないんだよ!


頭がオーバーヒートしそうだった私は宮谷と以上に距離が近いまま宮谷の足をかかとで思いっきり踏みつけた。

どうだ!私の会心の一撃!!!

「ば、バーカ!!距離が近いんじゃ!!」

私はそれだけを精一杯叫んで、急いで空き教室をでた。

今度こそ言い逃げしてやったぞ!!!!!ふんっ!


















「やべぇ・・・、想像を遥かに超えて可愛い。」


◇◆◇




「誠様!遅れてすみません!!」

体育館に戻ると男子の試合は既に始まっていて休憩時間に入っていた。

「いや、大丈夫だ。それよりすみれ、大丈夫だったのか?」

心配気に問いかけてくるまーくん。

きっと周りに人がいなかったら質問攻めにされてたんだろうな〜と思いながら私は元気に答える。

「大丈夫でしたわ!何とかやり遂げました。」

「そうか・・・、ありがとう。」

そう言ったまーくんが珍しく人前で笑った。

途端に周りの女子が「おふっ、」とか「あ、これやばい」とか「なんであんなに可愛くてカッコイイの。」とか「ちょ、鼻血が・・・」とか言って騒ぎ出す。

分かるよ、私も前世ではそうだった。

私が周りの顔を真っ赤にさせている女子を見ているとまーくんがこっそりと耳打ちしてくる。

「じゃあすーちゃん、なんでそんなに顔が赤いのよ?」

「え?」

私の顔が赤い?

・・・いや、まーくんの気のせいでしょ。

断じて!あの空き教室であったことが原因ではないですよ!!

ええ、全く!!



------------------------------------------------------



さて、休憩時間が終わり(代わりに女子が暫く顔を真っ赤にさせていたけど)試合が再開された。

なんせ、うちのクラスには完全無欠のまーくんがいる。

今回の試合はまーくん以外の人がボールに当たってしまって絶体絶命だったんだけど、そこからのまーくんの快進撃がすごかった。

なんせ、10人ほどいた敵を1人で全滅させた。

ていうか、うちの男子・・・弱すぎるよ。

と思わないわけでもないけど桃ちゃんがまーくんを見て顔を真っ赤にさせて「すごい・・・」って言ってたし良しとしよう!





男子の試合が終わった私たちは待機場所へと戻る。

ふふふ、ゲームではこの後イベントがあるんだよね。

確か、桃ちゃんが体調不良になっちゃってそれでまーくんが保健室まで付き添うっていうっていう・・・。


桃ちゃんが体調不良になるのは嫌だけど軽い立ちくらみだけみたいだし、まーくんに任せるか。


確かそこで桃ちゃんの優しさに触れて気になりだすっていう感じだった気がする。

まーくんはもう桃ちゃんのこと好きなんだけどね。これもゲームとズレてるな。何でだろう・・・。


「すみれ様・・・?」

「ん?なに?桃ちゃん」

「いえ、考え込んでるようでしたので・・・。次、また私たちのクラスの男子が試合ですよ!応援しましょう!!」

「そうだね!」

いかん、いかん、こんなに可愛い桃ちゃんを横に考え事なんてしてる暇ない!!



と、私あることに気づく。

「ねぇ、桃ちゃん。次の試合はどこが相手?」

「え〜と、確か宮谷様たちのクラスでしたよ。」

だよねぇ・・・。うぅ、応援しずらい。

「すみれ様、いいんですよ?」

「え?なにが?」

私がうんうん唸ってると隣でにっこりと桃ちゃんが微笑む。

あぁ。宮谷の笑顔と全然違う・・・。天使の微笑みだ。


「宮谷様のこと、こっそり応援しちゃっても。」


「え?」

「相手チームですけど好きな人のことは応援したいですもんね。」

「え?」

いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、ちょっと待てよ?誰が誰を好きだって?


「私が、宮谷様を、好き、だと、思ってるの?」

「ええ。違うんですか?」

「違うに決まってるじゃない!!!あんなチャラ男、好きなわけないでしょう?!!」

「えぇ!!そうなんですか?てっきり好きなのかと・・・」

「違うよ!!断じて違う!!桃ちゃん、二度とそんなこと言わないでね!!」

「は、はい・・・。」

若干桃ちゃんが私にびびってる気もしなくもないがこれだけは訂正しておかねば!!

「ま、まぁ、何はともあれ試合見に行きましょうか。」

あ、桃ちゃん話をそらしてくれたんだね、ありがとう・・・


「そうだね。」

私は桃ちゃんの提案に同意して試合を見に行った。







コートでは既に何人かボールに当たって外野に行っていた。

「頑張れ〜!誠様〜!!」

私も必死に応援する。周りがいつも無表情の私が応援してるのを見てぎょっとしてるけど今はなんだか気分がハイになっていてそんなことは気にならない。

「み、みんな頑張ってください〜!」

と声をかけるのは桃ちゃん。あぁ、男子の顔がへにゃんへにゃんに緩んでる。分かるよ、桃ちゃん可愛いもんね。


するとその様子を見たまーくんから黒いオーラが。

ちょっ!まーくん独占欲強すぎない?!!


まーくん、そのままおおきく振りかぶってぇ〜、相手チームのコートにボールを〜・・・投げたぁぁぁぁーーーーー!!

でもそのボールは敵チームには当たることなく真っ直ぐに外野の方まで飛んでゆく。

バスンッ!!!!


まーくん、それわざと相手チームに当たらないように外したよね。外野の人に当たるように投げてるよね。それ、味方ですからね?


一応あんまり固くないゴム製のボールでやってるのにまーくんの投げたボールは安全からは程遠い音がした。

女の嫉妬も怖いっていうけど・・・


「男の嫉妬怖ぇ・・・」

思わず素で呟いてしまった私に桃ちゃんが首をかしげてどうしたんですか?と聞いてきたので何でもないよと答えた。


外野の人はまさかそんな勢いでボールが回ってくると思ってなかったんだろう。

顔を真っ青にさせていた。


まーくん・・・、やり過ぎだよ。後で怒らないと。


と、コート内に宮谷を見つけた。

あ、あいつ笑ってやがる。あいつの事だから絶対まーくんがあんな乱暴な攻撃した理由わかってんだろうな・・・。

あいつにも後で叱らないと、ね。


とか思ってるうちに驚くべきスピードで試合が進む。なんて言ったってこっちのチームには完全無欠のまーくんがいて相手チームには運動神経の良い宮谷がいる。2人とも動きがキビキビしてるしやたらとキラキラしてるからどこにいるかわかりやすい。


女子の声援もすごいことになってるし・・・。


そうこうしてるうちにあっという間にまーくんと宮谷はそれぞれの敵をなぎ倒して数分もしないうちにまーくんと宮谷の一騎打ちになった。







「誠くん、負けてくれない〜?」

「そういう訳には行かない。だいたいお前達のチーム、一回も負けてないだろ。ここで俺達が負けたら2位になってしまう。」

「でもさ、俺も負けられないんだよね」

「ほぉ、お前も優勝したいとは。意外だな。」

「ふふふ、優勝したらいい事あるんだよ〜。だからね、絶対負けられない。」


コート内でまーくんと宮谷が何かを話しているが話の内容までは聞こえない。

んん〜、何話してるんだろ?気になる・・・。

と、宮谷の雰囲気が鋭いものに変わった。


あ、まーくんやばい。

私がそう思った頃には既に2人の試合が再開していた。

2人とも豪速球の球を投げまくる。


よく肩いかれないなぁ・・・、

「が、頑張れ〜!!」

そういった私は一体どっちの応援をしていたんだろう?



残り時間30秒をきった頃、試合が大きく動いた。

引き分けで終わるかと思われた試合だったけど、宮谷がボールを避けた瞬間に不敵に笑った。

「いっくよ〜」

ビュン



ポス・・・

「え?」

誰かの呟き。そしてその後に大きな歓声が体育館をつつんだ。

ボールが当たったのはまーくん。

当てたのは宮谷だった。


「お前、今まで本気じゃなかっただろう」

「あはは、ヒーローは危機一髪で勝つもんでしょ」

そう自慢げにつぶやく宮谷の声が微かに聞こえた。




◇◆◇


試合の後、まーくんに労いの言葉をかけた私はトイレに行こうと一人で歩いていた。

と、向かい側から宮谷と同じクラスの男子が歩いてきた。

「さっきの試合すごかったよな!」

「それな!!龍宮時様も凄かったけど宮谷もなかなかやばかったよなぁ。」

「そうそう!でも不思議なんだよな・・・」

「え、なにが?」

「俺、中学校宮谷と一緒だったんだけどあいつ、女子にどんなに応援されてもこういう行事とか本気出さなかったんだよ。」

「へ〜・・・、でもあいつ最後なんか必死じゃなかったか?」

「そう!で、龍宮時様が相手だからだと思ったんだけどそれだけじゃないらしいんだよなぁ」

「何それ、気になるんだけど〜」

「な〜!」



すれ違いざまにそんな会話が私の耳に飛び込んできた。

「まさか、ね・・・」








更新時間まちまちですみません!

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