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それから、未来

完結です!

それから2年の月日が流れ、私達は卒業式を迎えた。


この学園では卒業式の前日に卒業記念パーティーというものをやるのだけれども、そこでまーくんがある発表をした。

それは桃ちゃんとの婚約。


この2年という月日でまーくんはハイスペックにハイスペックを重ね、ついにチートになった。

口調もいつの間にか攻略対象らしい男口調に変わり、(パニックになるとたまにオネェ言葉でるけど・・・)桃ちゃんとの婚約に誰も異議を申し立てられないように与えられた仕事以上の働きを沢山してきた。

その様子にお母さん視点から私がうるっときてしまったのは内緒だ。

頑張ったのは桃ちゃんも。

桃ちゃんは顔を真っ赤にしながらも私に「礼儀やマナーを教えてください」と申し込んできた。それからは自主練なども沢山して今では立派な淑女として皆の高嶺の花だ。

そんな桃ちゃんの健気さに私が悶えたのも内緒だ。


何はともあれ、2年間凄まじい努力で周囲に認められた我が偉大なる友人達は卒業記念パーティーでの婚約発表も沢山の人から祝福された。

もちろん、私も。



え?私はどうなったのかって?

・・・んー、何も無かった、かな〜。

強いて言うなら体育祭の時に零斗に絡んでた女子に少し苛められたのとなんか桃ちゃんとは正反対の話聞かない意味わからん女子から「零斗先輩を解放してあげてください!」って涙ながらに語られたり、私が浮気したとかいう噂流されたくらいだけどまぁ、まーくん達の苦労に比べたらこんなの屁でもないわっ!


いや、本当にね、意外と大丈夫だったのよ。

私、苛められて泣くような性格してないし、何よりもその後ですっご〜く素敵な笑顔の零斗が仕返ししたみたい・・・。

なんか、いじめられた相手に同情しちゃうくらいのやつね・・・。


体育祭の時に零斗に絡んでいた女子達は私のいじめに気づいた零斗が徹底的に仕返しをして怯えた様子で謝ってきたので流石にかわいそうになって許したら何故か懐かれた。

電波系のよく分かんないうるさい女子は私が論破した後に追い打ちをかけるように零斗が「君、なんなの?邪魔なんだけど」という言葉を絶対零度の声で放ち、電波系ヒロインは「私の理想とちがーーーう!!!」みたいなことを泣きながら叫んで逃げてたし、私が浮気とかなんとかの噂は零斗の真っ黒な笑顔の「絶対にない。(デマ)流したやつ、潰す」という言葉によってパタリとやんだ。


もうね、意外と平和でしたよ。私は。

友達もね、少しずつ出来たの!!取り巻きじゃないからね?私の大事な友達だよ?!!桃ちゃんとも身分差を気にせずに仲良くしてくれるし、私のことを励ましたりしてくれるいい人達だ。

・・・取り巻きじゃないから!!!ココ大切!!



まぁ、そんな賑やかな日々を送ってまいりました私。

昨日はちょっとパーティーしながらもうこの生活も終わるのか、なんてほろっときたりもしました。

前世の私からは考えられない充実ぶりで本当に楽しかった!!


あ!大事なこと言い忘れてた!!

なみさん、ついに捕まりました☆

お相手はもちろん、雅にぃですよー!

外掘を埋めに埋めまくった雅にぃは私達が2年生、なみさんが3年生の時に告白した。なみさんは何が何だかわからないまま返事をしたそうなのだけれども、後日、なみさんに「本当に良かったの?」と聞いたら「別に・・・」なんて呟いて頬を赤くして乙女の反応をしてたのでまぁ、これで良かったのかなと思う。


ちなみになみさんが卒業してすぐに2人は婚約した。

婚約するには早くない?っていうか婚約する人多くない?と思うかもしれないけど、ここはあくまで異世界。

私が元暮らしていた所とは少し事情が違うし、何よりも私達は殆どが令嬢や、御曹司。婚約は結構している人が多いと思う。


もう、雅にぃは卒業したら仮面を脱ぐ気満々で「キャラ変するか〜」なんてニタニタしてた。





まぁ、という近況報告を終えてと。

卒業式を終えた私たちは桜の木の下で写真を撮った。

思えば学園祭もコスプレして写真撮られたり、2年の体育祭では杉原までもが本気を出してもはや学園祭のレベルじゃなくなったり・・・、修学旅行は前世とレベルが違いすぎてビックリしたり・・・。まだまだ語りきれないたくさんの思い出がある。



・・・あと、零斗の両親のこと。

私は零斗と付き合ってから数ヶ月後、零斗を説得して零斗の父親に会いに行った。

零斗のお母さんは会うことはできなかったし、会うつもりもなかったけど、零斗もちゃんとした大きな会社の御曹司だ。

いつまでもお父さんとこんな関係を続けるのはどっちに取っても辛いと思う。

だから、説得した。


なんとか折れてくれた零斗と共に零斗のお父さんに面会した。

零斗のお父さんは零斗にソックリなのにすごくやつれた雰囲気をしていて言い方は失礼かもしれないけどこれでよく会社を運営出来ているな、と言うほど覇気がなかった。


最初、零斗と零斗のお父さんで話し合う時間を作った。

いきなり二人で何を話せばいい?と零斗に聞かれたけど「今まで思ったことを汚い感情も全部話しちゃえばいいよ」と言ったら零斗は何か吹っ切れたように笑った。

正直、ちょっと吹っ切れすぎかな?と言うくらいには吹っ切れていたみたいで、零斗のお父さんが「いくら何でも変わりすぎだろ・・・」と唖然としていた。

その後、私も挨拶をすると、零斗のお父さんは零斗そっくりに微笑んで「こんな俺が言うのも酷い話だけど零斗を救ってくれて本当にありがとう」と言ってくれた。


いきなり和解、という訳には行かなかったけれど少しずつ距離が縮まって今は殆ど軽口を叩きあったりしている。


2年間、小さな変化から、そんな大きな変化もあった。



私が愛すべき後輩からたくさんの花束を受け取ってちょっと不覚にもうるうるしていると零斗が私を呼んだ。

「すみれ、ちょっと聞いてほしい話がある。」

「なにー?」

この2年の間で零斗は私を「すみれ」と呼ぶようになった。

聞くところによると呼び捨てしてる女子は私だけとかなんとか言われたけどそこは気恥しいので割愛!


私はうるうるとした目のまま涙をこぼさないようにゆっくりと零斗の方へと向く。

振り向くとそこには柔らかなあたたかい笑みを浮かべた零斗が立っていた。

その笑顔に周囲が色めき立つ。

「俺は貴女と出逢って沢山の知らない世界を知りました。貴女がいてくれたお陰で新たな一歩を踏み出すことが出来ました。

貴女の事が大好きです。その想いは未来永劫変わらない。

俺はこれからも貴女と共に未来をつくっていきたいです。

俺が一人前になる時が来たら、その時は俺と、結婚してください。」


あぁ、もう!

頑張って、我慢していたのに。

零れないように下を向かなかったのに。

こんな事言われたら、涙が止まらない。


ポロポロと泣き出した私を見て零斗は優しく笑う。

そして、ゆっくりと跪いて小さな箱を取り出した。


その箱の中身は、綺麗な指輪。


いつの日にかプレゼントされた指輪よりも更に豪華になっていた気がしなくもなくてこれを指にはめるのか〜、と思うとちょっと怖かったりもするけど、その指輪はやっぱり私の名前と同じ、すみれをモチーフにされている指輪で―――。

改めて愛されてるんだなぁ、なんて思ってしまった。


「今度はちゃんと想いを伝えてから渡したよ。」


こっそりと2人にしか聞こえない声の大きさで囁いた言葉の意味に気づいて私は驚く。

あの時の指輪、そんな意味があったの・・・?


驚きながらも私は零斗の口が口パクで「返事」と言っているのに気づいて急いで姿勢を正した。



「よろこんで」



今まで一番幸せに思えるこの瞬間を、今までで一番の笑顔で過ごした。







◇◆◇



蘭聖学園。

名だたる令嬢や御曹司が通うことで有名なこの学園ではたくさんの伝説が残っているが、2組の生徒が最も有名な伝説として在校生から語り継がれている。


1組目は世界屈指の大企業の御曹司と庶民の女子のカップル。

2人は周囲の大人を黙らせるだけの力をつけ、そして、全校生徒から婚約を祝福されたという伝説のカップルだ。

更に御曹司と庶民というシンデレラストーリーなだけに女子生徒から憧れとして語り継がれている。

ふたりの寄り添う姿は仲睦まじく、周りをあたたかい気持ちにさせていたと言われる。



2組目はお互いが大きな会社の御曹司と令嬢のカップル。

一件、普通のカップルに見えるが、このカップルは生徒達の間ではとても大きな存在として語られている。

一つの理由としては御曹司は令嬢と出会う前は酷く荒れた生活を送っており、家族とも不仲だったというのに令嬢と出会い、御曹司は大きく変わったのだと言う。


御曹司は誰も信じることのなかった瞳はあたたかな色をのせた綺麗な瞳に。決して本心を浮かべることのなかった愛想笑いは、喜怒哀楽のわかりやすい接しやすい雰囲気に。


二つ目は令嬢の変化。

令嬢も同じように御曹司と出会い、変わったのだ。

鉄の女と呼ばれた彼女は人形のように美しかったが決して笑うことはないと言われていた。にも関わらず、御曹司と関わるようになり、豊かな表情で花がほころぶように美しく笑うようになったという。


彼女達の周りにはいつもたくさんの人たちがいて、いつも幸せそうに笑っていたそうだ。


そして何よりも語り継がれる大きな理由は2人の在り方だ。

どちらかと言うと御曹司の彼が令嬢の彼女に一方的に愛を伝えていたようだが、彼女も嫌がりながらもなんだかんだ言って幸せそうに笑っていたそうで、いつでも2人で支え合うように笑いあっていたという。


・・・時には漫才のようになりながらも。



この2組のカップルは後に、それぞれ経営者としても大きな業績を上げ、公私ともに幸せな人生を送ったと言われている。









<END>

「・・・ねぇ、零斗。」

「なに?」

「私達、蘭聖学園で伝説にされてるらしいわよ。」

「へぇ・・・」

「なんか伝説のカップル何だって」

「事実が正しく伝わっているようでよかったよ。」

「・・・え、何その黒い笑み?!え?なんでそんな意味深に笑ってんの?!!」



ウェディングドレスをきたある花嫁とその花嫁を溺愛するある花婿の結婚式直前の幸せな(?)会話。


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ということでこれにて完結です!!

今まで読んでくださった皆様、本当に心の底から感謝申し上げます。

元々チャラ男が報われる話が書きたかったんですけど、乙女ゲーム要素が薄かった気がしなくもないです・・・w

当初の予定より長くなってしまったこの話ですが書いていてとても楽しかったです!


最後になりますが、読んでくださった方、本当にありがとうございました。

またお会い出来ることを願って。

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