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攻略対象(チャラ男)と出会いました

本日二話投稿です!

前世を思い出す(+悪役令嬢ポジションに気づく)という衝撃体験から数日後、なんと、私は努力してヒロインと友達になったのだ!!!


ぶっ倒れてからすぐに迎えが来て私は家に帰ることになった。

部屋でやりたい事、やらなきゃいけない事のリストを作り、思い出したことをノートにまとめたりしているうちにあっという間に時間はすぎていった。


次の日、回復した私は学園へと向かった。もちろん、いち早く現状を確認するためね!

やっぱりまーくんは倒れた私をお姫様抱っこで保健室に運んでくれたらしく、学園に行くとかなりの噂になっていた。

まあ、今世の私は悪役令嬢らしく、有り得ないくらいの美女だから噂になるのは無理もないのかなぁ、と少しうぬぼれてみたり・・・。


ここで心配なのがヒロインはこの噂を知っているかどうか・・・。

一応言っておくと私とまーくんの間に愛だとか恋だとかほれたはれたの関係は一切ない。

今までもなかったしこの先もないだろうと私は断言できる。


これも一応言っておくと、まーくんはこんな口調だけど恋愛対象は女の子だ。

それなのにどうして私がそう断言できるのかと言うとまーくんも私もお互いのことを恋愛対象に入れていないから。


この間なんて入学してすぐの頃に「二人は付き合ってるんですか?」って聞いてきた女の子に対してまーくんは真顔(ちなみに学園ではまーくんは氷帝って呼ばれてるw)で「付き合ってない」って答えたあとに女の子から見えないところで爆笑していた。

曰く、

「すーちゃんと、私が付き合ってるですって!wwwww

ちょ、お腹いた、いwww恋愛対象なんかに見れるわけないじゃんねwww」

だそうです。はい。爆笑されましたね。ちょっと私、こんなきつい顔してても豆腐メンタルなんで、あの、はい、あのー、そこまで笑います?!


まぁ、恋愛対象に入らないのは私も同じなのだけども・・・。

お互いいい所も悪いところも知っていたし、家の環境的にも私達は小さい頃から一緒にいた。

強いて言うのなら、親友という言葉がしっくりくる感じかなぁ・・・。ちなみにまーくんは私の記憶が戻った後、雰囲気変わったねとだけ言ってきたけどその後は何も言われてない。


まぁ、ということなのでヒロインにこの噂が入ってるとしたら非常にまずい!

どれ位まずいかと言うと、宿題のすべてが夏休み前日までに一つも終わってない時くらいまずい状況だ。

あれ、困るよね〜。夏休み長い!きゃっほーーー!!とか思ってるとすぐに過ぎていくよね。気づいたらもう日数なかった的なね・・・。それに気づいた時の虚無感よ・・・・・・。


みんなはちゃんと宿題やろうね!!って、今はその話じゃなくて!

こっちは命かかってるんだから気をつけていかないと。


てことで、すぐさま作戦を考えた私は何だかんだでヒロイン改め、桃ちゃんとこの数日で大分仲良くなれた気がする。

意気投合しすぎてちょっとまーくんに歯ぎしりされるくらいには仲良くなれた。

仕方ないじゃん?私、前世一般庶民なんだもん。どっちかと言うと桃ちゃんとの方が話の話題が合うんだもん・・・

だからまーくんや、そんなにギラギラとした目でこちらを見ないでおくれ。軽く殺意込めないで・・・、怖い・・・。


というまーくんとの死闘(?)もあったのですが、なんとか仲良くなれました!

最初は死亡フラグ回避できるみたいな下心もあったんだけど、話してみると桃ちゃん普通にいい子だった!


これもゲームとは少しずれてるんだけども桃ちゃんかなり天然が入ってるようでこっちもひやひやしながら見守っている。








はい!そして今!!

元々は昼休みを使って私、まーくん、桃ちゃんの3人で学校の裏庭でお茶会をしていたのだけれども、私は用事があると言って二人っきりにさせてきた。

ちなみに、まーくんがオネェ言葉を使っても桃ちゃんは何の困惑もなく受け入れてくれた。

そのことで改めて桃ちゃんに惚れ直したまーくんは現在猛アタック中〜。

そんな中、邪魔者の私がいたんじゃまーくんもやりずらいでしょ?

まーくんからしたらお母さんとか兄妹に見られてる気まずさがあるんじゃないかと思って私は退散してきた。

ん〜、我ながら気が利いてるぅ〜!これだったら死亡フラグ回避も夢じゃないね!まーくんの恋の応援もできるし!


なんて機嫌よく私が校内を歩いていると不意にボソボソとなにか声が聞こえてきた。



「いやー、やっぱりゆりちゃんが一番だわ〜」

「ふふ、零斗(れいと)様ったらそんな事言って。他の方にも言ってるのでしょう・・・」

ふふふ、とお上品に笑うオプションまでついた会話が私の耳に入ってきた。


あ、言い忘れてたけどここ、お嬢様お坊ちゃまばっかでもやることやる人は何人かいるんですよね〜、・・・くそ!

私は自分の機嫌が一気に急降下するのを感じた。

学校でイチャイチャするんじゃねーよっ!!!もう〜っ!

こちとら、前世も今世もそんな浮いた話なかったわ!!


な〜んて、おおよそお嬢様らしくない考え方をしながらキッと声のするほうを睨むと丁度空き教室から男女が出てくるのが見えた。

あ、やべ!と思った私は急いで目をそらした。

ちらりと見えた影と男の人が呼んでいた名前から考えるに、一緒にいる女子は花園ゆりさんかな?


花園さんも結構大きな会社の令嬢なんだけど私、あの人なかなか好きになれないのよね。なんか・・・、ケバい。

男の方は誰だ・・・、と思ってそぉっ〜と覗き見した私は男の正体に顎が外れるくらいびっくりした。


だってその男、攻略対象だったんだもの!!


スラリとした体つきに長い足、少し着崩された制服に若干赤のかかった明るすぎない茶髪。そしてどこか猫っぽい目とあまりに整いすぎた顔。

ゲームで見た通りの『宮谷 零斗』がそこにいた。





宮谷 零斗。単純にその性格を表すとしたらチャラ男だ。

ちなみに私は前世ではこのキャラクターはあんまりプレイしていない。

だから私が主に見たのは龍宮時 誠ルートの時なんかに見た、当て馬ポジションの宮谷 零斗だけなんだよね・・・。

元々、チャラ男という性格があまり好きじゃなかった私はゲームを買った時からこの男のルートをプレイする気はなかったし、なんと、このキャラどのルートでも当て馬ポジションとして出てくる。だから私の中では報われない恋をしている人という印象が強すぎて攻略する気がなかなか起きなかった。


うーん・・・、でも確かこの男、チャラ男になったきっかけがあるんだよね・・・。なんだっけな?過去になんかあったらしいってことは覚えてる。

どっかのサイトで見た気がするんだけどなぁ・・・

まぁ私、攻略対象はまーくん以外近づかないって決めたし?

喋ることもないだろうから気にせず行こ!



ぐっ!と拳を握って気合を入れる。

「よぉ〜し、頑張る・・・「そんな所で何してるの〜?」びゃあ!」

突然後ろから話しかけられた私は全く女の子らしくない声を出して跳ね上がった。

と、とととととと突然後ろから声かけたら危ないんだぞ!心臓に悪いんだかんな!!!大体まーくんと桃ちゃんしか友達のいない私に話しかける人って誰?!


と文句を言おうと振り向いた私は声をかけた人を見て固まった


そこには今!なう!関わらないと決めた男がいた。

「宮谷 零斗・・・」

「え、俺の名前知ってるの〜?嬉しい〜!」

さすが、イケボですねぇ!人気声優の声がそのままに私の目の前で喋ってますよ!!!

と、内心はテンション高めなんだけどそれを表に出さないように答える

「有名ですから。」

「君も有名だよね?北条すみれちゃん。うわ〜、やっぱり可愛いねー。あ、いま暇?」

「いえ、全く。あなたに構ってる時間は1ミリもありません。」

とここまで私、一切の表情筋を動かしておりません。


実は私。まーくんや桃ちゃんみたいな親しい友達への態度と親しくない人への態度が全く違う。

私の素を知ってるのは本当に僅かしかいないために私は学園では「鉄の王女」なんて言う全く可愛くないあだ名がついている。

普通、笑わないとか表情筋使わないとかだったら「氷の王女」とかもっと可愛らしいっていうか繊細な名前で良くない?

何?鉄って!可愛くないわ!なんかごついわ、この野郎!!

ていうかーー、まーくんが氷帝っていうあだ名なのになんで付き合ってるんじゃないかって噂されてる私が鉄なのよ!そこは2人とも氷でいいじゃない!!氷のカップルみたいな感じでいいじゃん!!

まぁ、今更訂正させて桃ちゃんに勘違いされたくないからいいけど!?許してあげるけど!!


と、話がそれた。

今は私のことなんてどうでもいいわ!どうやってこの状況から脱出しよう・・・?

「そうつれないこといわないでさ〜、ちょっと俺と遊ばない?きっと楽しいよ〜。」

目の前の男―――宮谷 零斗は私の言葉にも一切表情を崩さずにニコニコと笑っている。一見、人懐っこい笑顔に見えるその顔は私が前世でしていた笑顔と全く同じだった。


いつも、心の中では皆と馴れ合うつもりなんてないって意地張って、相手に本心を気取られないように同じように笑って。

・・・・・・いつも心だけで泣いている顔。


「貴方・・・、辛くない?」

「え?」

「自分を偽るのは辛いよ。つまらないよ。」

だってこれは私の実体験だもの。

私、捨てられたり仲間はずれにされることはもうなかったけど生きててつまらなかったもの。


貴方は、大丈夫?


「え〜、なんのこと?楽しいよー、充実してる。何、心配してくれてるの?」

私の思わず口から出てしまった問いかけに目の前の男は一瞬表情を崩したもののすぐに元の笑顔に戻った。

「いえ、別に。」

「・・・君は」

「すみれ!!」

宮谷 零斗が何か言いかけたその時、遠くから頼りになる声が聞こえた。

「ま、誠様!」

声の主は頼れる幼なじみのまーくんだった。

まーくんと私は人前では「すみれ」「誠様」と呼びあっている。

まーくんが「すみれ」と呼んだということは私の今の状況に少なからず気づいたのだろう。

と、名前を呼んだまーくんはズンズンとこちらへと近づいてきた。

「すみれ、ちょっと話がある。」

「わかりましたわ。それでは失礼致します、宮谷様。」

「え、あ、うん。」


現段階ではまーくんと宮谷 零斗に個人的なつながりはない。

結局、宮谷は何も言わずにその場で突っ立っていた。


宮谷はもう桃ちゃんと会ってんのかね〜?

宮谷ルートやってないから分かんない!確か当て馬ポジの時はまだなはず・・・。


なんて考えながら私はまーくんに腕をひかれてその場を後にした。


できる限り1日1話更新したいです!

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