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とある少年達の日常  作者: 蝶佐崎
第一章:4月
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第3話



 下校中の俺達もちょうど揺れを体験していた。かなり強い揺れだ。

 揺れに我慢できず、晶子が座った。


「今、かなり揺れて……」

「地震にしては、奇妙な揺れでしたね」


 本屋に寄ったところだ。今、鉄柵のそばにいる。しばらくじっと待っていても何も起きないのでまた歩き出した。

 が、晶子が立ち止まった。


「……何か、聞こえない?」


 男二人も止まり、聞く。

 低い声。地を這うかのような、叫び声。怨念が籠るかのように。




 オオオオ大オオオオおおおおooおおおおオオオオおおおOOオオオoおオオオオオおオオオオオオOおoおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!




 背筋の毛がぞわりと逆立つ。嫌な汗が吹き出す。暁が辺りを見回し、呟く。


「誰もいない」


 その時、|俺(彰)は見た。

 鉄柵の向こう、谷に聳える塔の隙間から、手が不自然な角度で突き出ていた。

 天に救いを求めるが如く。寝転がって手を出さなければいけない角度で。

 俺の視線に気付いた晶子も見て、凍り付く。暁も、眼を見開く。

 俺達の耳元で、誰かが囁いた。


「彼女ヲ、寄越セ」


 誰からともなく、俺達は駆け出した。






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