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私の中で眠る承認欲求という怪物  作者: 百合香


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みのりのパンティーは、黒のレースだった。

 「へんたーーーーーーい」

誰か男子が叫んだ。何事か?


「お前今日の数学の時間、みのりのパンツみてだろ?」

「佐藤のこと?いつもチラチラみてんだろ?ぁあ?」

「調子にのんなよ?おとなしいくせに。」

「俺見たぞ、お前が寝たフリして、チラチラ見てたの」


 どうやら横溝君が責められてるようだ、私のパンティーを見たんじゃないかと、


 なんということだ、ここは中学の教室かイチイチそんな事で騒ぎたてるな、子供じゃあるまい、手を伸ばしてくる大人の男性より、チラチラ見るくらい、まだマシじゃないのか?と私は思う。


 そんなことより、文句をいってるお前らこそ、私は知ってる、影で浮気や女と見れば、誰かれ、かまわずセックスする。それこそ気持ち悪いではないか!


 「私、見られてないよ!とりあえずもう!いいじゃんお弁当にしよーよ!」


「まぁみのりがいうなら、、」

「佐藤がいうなら!しかたねーか、」

「ちっ、」 ガンっ


1人の男子が横溝君の机を蹴った、すっかり横溝君は憔悴しきって恥ずかしいのか、赤い顔をしてる。みんなそんなに怒るな!私はみんなのものだ!1人のものではない!


 「まったくぅ、みのりはさぁ誰にでも優しいんだよねぇ」

 「そこが!みのりの良いとこだよねぇ」

 「みのり?ってさ?イライラとかしないの?」

 「ねぇーみてみてぇ、私、今日フルーツサンド作ったんだぁ」


 お昼休み、私のまわりに女子がお弁当を持って集まってきた。私は女子にも好かれるために努力をしてる普段は遥を、隣に置いてるが、クラスの連中とは仲良くしなければいけない。なので、私は流行りの物を手に入れ!そしてその情報をいち早く、クラスの女子たちに話すのだ!


 そして、そっと耳うちをするのだ、誰にも内緒だよと、女子というのは、内緒話が好きだ、特に秘密の共有は絆を生み出す。そして彼女達はゴシップが好きだ!誰々と誰々が付き合ってるという、くだらない話がすき。だから私は、常日ごろから目を光らせ、いろいろな情報を手に入れなければ、ならないので!大変なのだ。


 お昼休みは情報の交換の場だ、私のまわりには5、6人の女子が集まるのだが、その中に遥はいない。


 遥は私の邪魔をしたくないそうだ、遥曰く、

「みのりちゃんは人気者だから、私が側にいたら、みんなが、可哀想だよ、私目立たないからさ、誰とも話さないし。だからお昼は私一人で大丈夫。」


と言っていた。何とも健気な子だが私は、それでいいと思っている。


 「ねぇみのりの今日のディッグドッグの投稿も、めちゃくちゃ可愛いかった!なんていうか?天使?みたいな?」


「私も思った!もうなんか今すぐ!ギュってしたい」


「それなら!俺も思ったぜぇ!」


「うっさい!男子は黙ってろ?」


 いつものやりとりだ、だが今回の投稿は伸び悩んでいる、そんな悩みをクラスメイトに話したって、しかたない。放課後、たまには教室の後ろで踊って投稿してもいいかもしれない。だが友達と一緒にいるのは、勘弁だ、なぜなら、一定数コメントで隣の友達も可愛いって書かれたら、私はその友達を憎み殺したくなるかもしれない。


 そんなことは避けたい、いつだって私の中の怪物は自分ファーストなのだ、


「ねぇーねぇー!私もディッグドッグやってんだけど!こんど一緒に撮ろうよ」


 これも勘弁だ、私は頼まれたからといって、被写体になるほど、安い女ではいたくない。


「うん!今度時間あるときね、そういえばさ!知ってる?3組の担任の米田っちさぁ!2組の里中美保と付き合ってんだって!」


 私はやんわりと濁し、ゴシップニュースへと話をかえた。


「げ!キモ!まじ?米田っちって40いってる、オッサンじゃん?」


「里中美保も凄く大人しい女の子でしょ?うちの望月遥みたいな?あぁいう子ほど、オッサン好むのかね?」


 なんと遥に、とばっちりが行ってしまった。私は遥の方を向いた、遥はこちらの話を聞いてたか、聞いてないかの表情で、お弁当をつついてる、今日のオカズはブリの照り焼きみたいだ、遥は魚が好きだ、口からは、、、いつも、、あ、いや何でもない、


 「ちょっとカナぁ!」

 「あ!ごめん、ごめん!望月遥はみのりの親友だもんね!遥の事バカにしたわけじゃないからね!」


 私は苦笑いしながら、お弁当をつついた、


 ややあって、お弁当が終わり、女子たちは、各々、メイクを整い始める、私もそれにならい、机に鏡を置き、崩れたメイクを少しづつ直す。リップを塗る前に歯を磨きに行かねば。


 私は歯磨きセットを持ち。女子トイレに向かった。


 女子トイレの前で急に後ろから声がやってきた。


「あの!!佐藤さん!」


 振り返るとそこには横溝君が、顔真っ赤にして立っていた。


「あの、かばってくれて、ありがとうございました。」


 かばう?私があの時に私はスカートの中を見られてないと主張した事への礼かと思ったが、ここはトボけたほうが良さそうだ!


「なんの?こと?それより?どしたのよぉ顔真っ赤にして?横溝君はトマトの生まれ変わり?なの?」


 と私はフランクに弟のカズキに話すみたいに接してあげた、私は常に優しい女の子でなければならない。


「あのさっき、あの、見てないって言ってくれて、、あの、、その、ありがとうございました。」


 そんなに恥ずかしがられたら、こちらまで恥ずかしくなってくる、ここで私の中で眠る怪物が唸りをあげていた。


「ふぅーん、でもさ、横溝君は見てたよね?ちゃんと?」


「えっと、、あ、、はい、すいません。」


私は口角をあげて、ニヤリと笑ってみせた。

この子はもう私の怪物の手の中に落ちている。


「で、、、?何色だった?」


「あ、、、、えっと、、、その」


「言わないと、あの男子達に言おうかなぁ?私やっぱり見られてたぁーって」


「あの!黒です!!く、、黒のレースです」


「やっぱりちゃーんとぉ見てたんだ!変態さんだねぇ」


 私はコッソリと耳うちをして、言ってあげた、彼はその場から逃げるように去っていった。だが私には分かる。いや私の中の怪物が分かってしまう。


 彼の中で眠るのは、女性からの罵倒やイジメられることで快楽をえるという、マゾな心の持ち主であると、今日彼は、私の言葉が、離れないであろう。そして私という存在にまた夢中になる。


 私の心の中の怪物はいつだって承認欲求をえるために支持を出してくる。いや私は勝手に操られてるのかもしれない。


 私は、歯を磨く、自分の体の一部の歯を磨くのと同時に、さっき承認欲求を食べて満腹になった怪物の歯も一緒に磨いてるような錯覚になった。

ここまで読んでくださり!ありがとうございました!

引き続き宜しくお願い致します。

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