表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガーディアン  作者: 月神世一
ガーディアン入隊

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/85

ep 35

【いざ、デュフランへ!】

アルトゥンの南門をくぐり、リューネ、ラビィ、ドラゴ、そして依頼主のワカバと積荷を載せた荷車の一行は、デュフランへと続く街道を歩き始めた。荷車は頑丈だが馬がおらず、主にドラゴがその竜人族の怪力で押し引きし、リューネとラビィが補助する形で進んでいく。

街道の両側には緑豊かな草原が広がり、遠くには森や山々が見える。天気は良く、旅の始まりとしては上々だ。しかし、三人のガーディアンの表情に油断はない。ワカバと貴重な積荷を守るという責任が、彼らの肩に重くのしかかっている。

「モンスターの脅威は、私たちが身をもって知っている。ゴブリンやワームだけじゃない、ブルホーンのような強力な魔物や、リザード族のような知性を持った敵もいる。油断は禁物よ」

リューネは、改めて気を引き締め直し、剣の柄を握る手に力を込めた。

「ああ! モンスターは強いダゴ! 特に群れで来るとヤバいダゴ! 油断したら一瞬でやられる!」

ドラゴも、以前のブルホーン襲撃でのギルドの惨状を思い出したのか、真剣な表情で頷く。

「了解! ボクが先行して警戒にあたるね!」

ラビィは、パーティーの目となり耳となるべく、一行の少し前方を、軽やかな足取りで進んでいく。時折立ち止まっては、自慢のウサミミを様々な方向へ向け、神経を集中させて周囲の音や気配を探っている。

「……よし、今のところ異常なし! 安全確認! このまま進むよ!」

ラビィの合図を受け、一行は再び歩き出す。リューネは荷車のすぐそばでワカバを警護し、ドラゴは力強く荷車を押し続ける。

【休憩タイム】

太陽が中天に差し掛かる頃、ラビィが安全な開けた場所を見つけ、一行はしばしの休憩を取ることにした。ドラゴが荷車を止め、額の汗を拭う。

「ふぅ、少し休憩しましょう。皆さん、お疲れでしょう? 特にドラゴさん、荷車をありがとうございます」

ワカバは、水筒を取り出しながら、労うように三人に笑顔で話しかけた。道中、彼女は不安な様子を見せることなく、むしろ明るく振る舞おうとしているように見えた。

「ありがとうございます、ワカバさん。では、少し休憩させていただきます」

リューネは礼儀正しく答え、周囲の警戒を怠らないようにしながら腰を下ろした。

「ぷはーっ! 喉渇いたダゴ!」

ドラゴは巨大な水筒をごくごくと飲み干し、持ってきた干し肉を大きな口で頬張り始めた。

「ボクも、携帯食を食べるね。ニンジンバーが入ってるといいなー」

ラビィはリュックから、ギルド支給の少し味気ない携帯食を取り出し、もそもそと食べ始めた。

リューネも、携帯用のパンを手に取り、軽く食事を済ませる。和やかだが、どこか緊張感の漂う休憩時間だった。

【ゴブリン出現!】

短い休憩を終え、一行が再び歩き始めた、その矢先だった。

先行していたラビィが、血相を変えて駆け戻ってきた!

「リューネ! ドラゴくん! 大変! ゴブリンだよ!」

ラビィの緊迫した声に、リューネとドラゴは即座に臨戦態勢を取る。ワカバも息を飲み、荷車の陰に身を隠した。

「数は!?」リューネは冷静に尋ねる。

「5体! すぐそこの茂みから! こっちに向かって来てる!」

(5体なら、今の私たちなら!)

リューネは即座に判断を下し、指示を出す。

「ドラゴはワカバさんと荷車の護衛を最優先! 絶対に近づけさせないで! 私とラビィで迎撃する!」

「了解!」ラビィは素早く弓を構える。

「任せるダゴ! ワカバさんはオレが守る!」ドラゴは両手斧を構え、荷車の前に立ちはだかる。

指示と同時に、茂みから棍棒や錆びたナイフを振り回し、奇声を上げる5匹のゴブリンが飛び出してきた!

「させない!」

リューネはゴブリンたちの前に立ちはだかり、剣と盾を構えた!

【ゴブリンとの戦い】

ゴブリンたちは、小柄ながらも数は5匹。油断すれば、すぐに囲まれてしまう。リューネは冷静に相手の動きを見極め、盾で巧みに攻撃を受け流し、剣で的確に反撃していく。数ヶ月の訓練で身につけた剣盾術は、確実に彼女の血肉となっていた。

ヒュン! ヒュン!

後方からは、ラビィの援護射撃がゴブリンたちを襲う! 彼女の矢は、ゴブリンたちの足元を狙って動きを止めたり、武器を持つ手を狙って攻撃を妨害したりと、リューネを効果的にサポートしていた。

「ギャウッ!」

「チクショウ!」

連携の取れたリューネとラビィの攻撃に、ゴブリンたちは徐々に数を減らしていく。しかし、追い詰められたゴブリンも必死だ。

一匹のゴブリンが、ラビィの矢をかいくぐり、雄叫びを上げてリューネに飛びかかってきた!

「危ない!」

リューネは、迫る棍棒を盾で受け止め、衝撃でわずかに体勢を崩すが、即座に足元のゴブリンを力強く蹴り飛ばした!

「うぐっ!?」

体勢を崩して無防備になったゴブリンの胸に、リューネは渾身の突きを叩き込む!

「これで……終わり!」

ゴブリンは短い悲鳴を上げ、地面に倒れて動かなくなった。

残ったゴブリンたちも、リューネとラビィの勢いに完全に押され、次々と討伐されていった。

【戦闘終了】

辺りに静寂が戻る。リューネは剣についた血を払い、鞘に納めると、周囲を素早く見渡し、他の敵がいないことを確認した。

「よし……これで全部みたいだね」

彼女は仲間たちに声をかける。

「ラビィ、ドラゴ、怪我はない?」

「大丈夫だよ! ちょっとびっくりしたけど!」ラビィが弓を下ろして答える。

「オレも大丈夫ダゴ! こっちは誰も近づけさせなかったダゴ!」ドラゴも胸を張る。

リューネは荷車の陰から顔を出したワカバに向き直った。

「ワカバさん、ご無事ですか?」

「は、はい……おかげさまで……」ワカバはまだ少し顔が青いものの、ほっとした表情で頷いた。「ありがとうございます……。皆さんがいてくださらなかったら、どうなっていたことか……」

彼女は深々と頭を下げた。

「どういたしまして」リューネは笑顔で答えた。「私たちガーディアンは、依頼主の方と荷物を守るのが仕事ですから。まだ道中は長いです。気を引き締めていきましょう」

こうして、リューネたち「戦乙女・ローズ」は、最初の襲撃を無事に退け、ワカバ一行の護衛任務を続行することになった。しかし、これはまだ旅の始まりに過ぎない。この先、どのような困難が待ち受けているのだろうか? 三人は、気を引き締め直し、再びデュフランへの道を歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ