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さんびゃくにかいめ
朝から茹だるような暑さと、昨日の夜からある謎の熱を持った体を引きずって道を歩く。今日もなんだかスモッグがかかったような空で、少しテンションが下がる。それでも、天高くまである立派な入道雲をみあげて、視界の隅にあった太陽のまぶしさに思わず目をそらす。
湿度の高い熱気を運んでくる爽やかとは言い難い風が頬を撫でる度に汗がにじみ出て、手で扇いで見るが、焼け石に水である。そんな風に揺れる稲たちがざわざわ騒いでいるのを尻目に見ながら、思わぬ突風に帽子を押さえる。そんな突風に飛ばされるように、ひゅるりとどこかに消えていったクロアゲハを羨ましく思いながら、歩く。どこか不安定な感覚で、まるで夢みたいだった。たまに、歩いている感覚、自分の声や人の声、すべてが夢みたいに見えたり、聞こえたりすることがある。時には、目の前で確かに起こっていることなのに、どこか昔に撮ったビデオを眺めている。そんな気分だ。今日は、暑いのにどこか他人事のように感じていた。そんな一日だ。




