●「魔法学院」
「アルト、貴方ってなんでもないことでも褒めるわよね。私はあんな魔法、ここに来る前から使えたわよ?」
「最初から魔法使いの師匠がいた貴方と、一緒にしちゃ駄目よ」
「あーら、常に成績トップの天才サマは、お優しいのねぇ?」
「もう、からかわないで。それにね、アンバー。ちゃんと頑張っている人は……褒められるべきじゃない?」
――魔法使い見習い、アンバーとアルト
北の魔法学院、魔法練習場での会話
世界各地にある、魔法学院。
そこでは将来有望な素質ある者を招き、教え育てる。
しかし、どうしても生まれや経験、魔法への理解などで、能力に差が出てしまうものだ。
魔法を操ることは、それだけで才能である。
そのため、魔法使いは己の才能に絶対の自信を持ち、他者を見下す傾向にあるようだ。
だからだろうか、北の魔法学院など、変わり者ばかりを集める一部の場所を除き、魔法学院の中は陰気で剣呑とした空気に包まれている。
外から見れば荘厳で厳粛な学院も、内側は競争と妬み、差別と偏見で溢れている。
「ねぇアルト、卒業試験も一位を目指すわけ?」
「ええ。一番じゃなきゃいけないの……私は」
「ふぅん? ま、私はフェルトの馬鹿より上なら、なんだっていいけどね。どーせまた、三人揃って成績優秀者って感じになるんでしょうけど」
「……ええ。そうなると、いいね」
――魔法使い見習い、アンバーとアルト




