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第3話 健康で文化的な最低限度の生活

第3話目、修正完了

 俺とヤスがゴブリンの集落にやってきてから数日が過ぎた――


「俺が組長の藤沢組、構成員はゴブリン。 この集落の生活の改善、改善、改善……」

 俺は、ムキムキ、ムチムチゴブリン率が高くなったこの集落を眺めながら、どうしたもんかと頭を悩ませる。


 能力者のヤスが名前を付ける事により、ゴブリンがムキムキ、ムチムチになった。

 ヤスの奴、何時の間に能力なんて身に着けたんだ?

 名前を貰っただけで進化してしまうゴブリンってのも不思議な存在だな。

 まっ、女はエロい体つきになって目の保養になるので、深く考えないで、ありがたいと思うことにしよう。

 生活の改善していく為の労働力としてムキムキ達は役にたってくれるだろうしな。


「衣・食・住を整えていくか……」


 着るものは…… 後でいいな。

 食は…… これは、早急に手をつけたい。 俺の為にも!

 住…… 草と木で作ったテント見たいのじゃなくて、ちゃんとした家を作ろう。


「そんじゃ、優先は、食事と住居の改善で決まりだな」

 方針は決まったが、道具が必要だよな?

 買いに行くか?

 財布にいくらはいってたかな?


「そういや、ヤスは?」

 アイツにも協力させよう。

 俺と違って毎日狩りや、ゴブリン達と仲良くしてるしな。

 なんでそんなに順応出来るのか疑問だが……

 俺一人悩んで、ヤスを遊ばせとく訳にもいかんからな!


俺は、近くを歩いていたムキムキゴブリンに手招きして、こっちに来るよう促した。


「なんですか? 組長」

 小走りでゴブリンが来てくれたので、俺も立ち上がる。

「すまんね、お前の名前は?」

「サブロウです」

「さぶ……」

 ヤスの奴、コイツに組長と同じ名前をつけたのか?

 まぁ、確かにチンパンジーっぽい顔しているな。

 だからって、薬に手を出したクソ野郎の名前をつけられて、可哀想に。

 せめて、日本の三郎組長死ねばいいのに。


 昔の恨みをちょっと考えつつ、本題に入ろう。

 ヤスがどこにいるか聞く。


「サブロウ、ヤスしんない?」

「若頭なら、あっちで、若い奴等集めて何かやってましたが」

 サブロウが向こうの方を指差して教えてくれた。

 よし、あっちだな!

「そうか、ありがとう」

 俺は礼を言うと、サブロウに教えてもらった場所へと向かった。


 集落の中を走ってサブロウの指示した地点にくると、ゴブリン達が忙しそうに働いていた。


「ノコギリで一生懸命木をカットしている。

 向こうでは、カットした木を鉋がけしてるな。

 そっちは、トンテンカン、トンテンカンと柱に釘を打ってる。

 家でも作ってんのかな? 兎に角、みんな頑張ってる!

 さて、ヤスは、どこだ?」

 一体どこにいるんだよ、ヤス。

 俺は、更にヤスを探しまわっ

「ブフォォォォオオーーー!」

 あ、危ねぇ、普通に通り過ぎるとこだったぜ!

 ……何で、道具あんの?


「そっち、図面と違うだろうが! ちゃんとしろ、バカ!」

 ヤスの怒声?

 今、ヤスの声が聞こえた!

 俺は、声のした方角を見る!。

 すると、黄色いヘルメットを被った現場監督いや、ヤスがそこにいた。


 お、おまっ

「ヤスッ! ヤスッ! ヤーース!」

 ヤスに向かって走る俺は叫んだ。

 説明してもらおうか!


「あれ? 組長どうしたんでやんすか?」

 キョトンとしてヤスに言われたよ。

 どうしたって、俺の台詞だろう!

「ヤス! あいつ等が使ってる道具とか、お前のヘルメットとかどうしたんだ? どこにあった?」

 それに、そこのスコップとか!

 そんなもん、ゴブリン達が持ってる訳ないだろう?

 普通に、ホームセンターで売ってるよなの使ってるじゃん!


「どうしたって、親分。

 解んないけど、なんか欲しいと思ったらね、出てくるんすよ」

「へぇ、そうなんだ…… って納得できるか!」

 意味が解らない。

 なんなの、その便利な設定は?!

 あっ!

「じゃ、じゃあ、家とか出せるか?」

 そんな便利機能があるなら、道具より、直接家を出せば良いのにと思った。

 なぜなら、賢いから。


「ったく、兄貴ったら。

 あのね、世の中そんな都合よくいかないっすよ」

 確かに。

「そ、そうか? ……なんかスマン」

 ヤスの言う通りだな。

 うん。

 その道具も十分都合がいいじゃねぇか!

 ちょこっとイラっとした。


「そうだ、俺も手伝うよ!

 それと、呼び方統一してくんない? 親分なのか組長なのか兄貴なのか」

 ふふふ、俺が来たら百人力よ!

 任せなって感じで、俺は腕まくりしてヤスに言ってやった。


「あ、大丈夫です、作業の邪、いえ、組長にそんな事させらんないから、向こうで休んでてくださいっす」

 ヤスに断られた。

 俺に気を使いやがって、ホントに優しい奴だよ、お前は。

 邪魔っていいそうになってたような気がしないでも無いが、ここは、素直に向こうに行ってよう。


 そして俺は、とぼとぼと歩いた。


 ミドリ達がいた。

 凄くいいお尻。

 さ、触ったら怒られるよな?

 うん。 そんな馬鹿な事は考えない方がいい。

 告げ口されて、ムキムキゴブリンにぶん殴られたら死んでしまいそうだからな。


「何やってるんだ?」

 お昼ご飯の用意中なのか?


ピコーン!


 俺は、閃いた!

 賢いから。

 って事で、ヤスのところに戻るのだ!



 作業現場に戻ると、相変わらず忙しそうにゴブリン達が作業していた。

 ヤスは…… あ、いた。


「ヤス、調味料とか出せないか?」

「組長? ……やってみるっす」

 一瞬また来たの? 的な顔をされたような気がしたが、真剣な俺の顔を見たヤスは、俺の願いを聞いてくれた。


「うぬぬぬ~~」

 ヤスが唸ってる…… あっ!


ボンッ!


 白い煙と破裂音がした! 次の瞬間地面に、


  ・塩

  ・砂糖

  ・醤油

  ・味噌

  ・ポン酢

  ・マヨネーズ

  ・ソース類

  ・鍋、フライパン、包丁、キッチングッズ


 が、現れた。

 

「す、凄い! 出たよ、出た、出たぁーー!」

 ホントに出たよ……

 なんなの?

 どうして?

 ヤス、優秀すぎだろう?!


「兄貴の、ヒロちゃんライスが食いたいっす」

 驚いている俺にヤスがお願いしてきたな。

 ヒロちゃんライスか……


「オメーは、あれが好きだなぁ」

 俺は、笑顔でヤスに言ってやった。

 可愛い奴だ。 

 ちなみに、ヒロちゃんライスってのは、冷蔵庫の残り物を使ったチャーハンの事だ。

 ヤスは、俺の作るヒロちゃんライス、旨い旨いって食ってたっけ…… 懐かしいな。


「……ヤス、つくってやりたいが」

 材料がな、無いんだよ。


ボンッ!


 俺の横に、米や、野菜が落ちてた。


 ヤスを見ると、満面の笑みを浮かべていた。

 ふふふ、ヤスの奴め……


「なんで、家はでないの?」

「だから組長、無理っす」

「そ、そうか?」

 なんか納得できないな。

「兎に角、出してくれてありがとな。

 ミドリ達呼んできて、出してくれたの運ぶから、ヤスは作業に戻ってくれ」


 俺は、ミドリ達を呼びに行って、にオープンキッチン( 単なる地べた )にヤスが出してくれた食材やら、調味料やらを運んでもらった。

 料理は、そこで作る決まりらしい。

 他の場所と何が違うのかさっぱりだが、決まりらしいから従う。


 建築現場から木の切れ端をもらってきた俺は、キッチンと言う名の地べたに置く。

 まな板の用意が出来たって訳。

「後は、水が必要だな……」

 米を炊くのに水だが、ここのきったねぇ水は、勘弁してほしい。


「綺麗な水あるとこ知らない?」

 俺は、近くで調理作業中の女ゴブリンに聞いた。

 胸はミドリ程じゃないが、顔が可愛い。

 ホント、女のゴブリンといると癒されるな。

「あっ、組長。

 溜めた雨水以外なら、あっちに湧き水あるけど案内しましょうか?」

 俺を見上げて可愛いゴブリンが教えてくれた。

 案内してくれるって、優しいなぁ。

 しかし、湧き水なんてあったのか……


「それじゃ、お願いするよ。 遠いのか?」

「すぐ、そこですよ!」

 なんだ、それならさっさと汲んで来よう!

「そうか! 頼んだぞ、えーと、名前は?」

「ジュンコ」

 元気一杯にジュンコが言った。

 18歳くらいかな?

 ホントに可愛い。

 俺は、いやらしい期待を胸にジュンコと一緒に出発した。



「はぁ、はぁ、ちょっと早い、早いよ、ジュンコ~~、サブロウ~~」

 森に入り、山登りを始めてから一時間は歩いている。

 目の前には、ジュンコと水瓶を持ったサブロウが、どんどん歩いていく。


「やられた、奴等と俺では、すぐそこの感覚が違うんだ」

 泣き言を言いながらも必死で俺は歩いた。

 歩いた。

 転んだ。

 立ち上がった。

 歩いた。

 兎に角、歩いた。

 こうして俺は、フラフラになりながら、やっとの事で水場についた。


 目の前に綺麗な水がコンコンと涌き出ている池がある。

「み、水だぁ!」

 俺は、喉がカッラカラになってた!

 もつれる足で必死に池に走った!


ゴクゴク


「!」

 なんだ、この水…… うめぇぇ!


「ぷはぁーー!」

 たらふく水を飲んだ俺が水から頭を出した。

 綺麗で美味しい水。

 なんか、体力も回復したような気分にさえしてくれる最高の水!

 歩いた甲斐があったと思った。

 しかし、

「これを汲んで、またあの行程を戻らなくちゃなんないんだよな……」

 うんざり。

 魔法でサクッと戻れたりしたら良いのだが、そんな都合の良いものは無いらしい。


「組長、戻りましょう」

 ジュンコの笑顔。

 サブロウが大きな水瓶を背負っている。

 俺一人が挫けてる訳にもいかないか……


「おっしゃ、帰るか!」

 俺は、立ち上がった。

 水を飲んだからか体が軽い。



◇◇◇



 俺達がゴブリン集落に戻った時には、昼をとうに過ぎていた。


「ジュンコ、サブロウ、ありがとな! 俺、ちょっとヤスのトコ行ってくるから!

 ジュンコの可愛いお尻に別れを告げて、俺はヤスの元へと急いだ。


「ヤスーー! ちょっとお願いがあるんだけど」

 ヤスに家作りを中断してもらい、別の物を作るようにお願いした。

 俺の話を聞いて少し悩んだヤスは、作業の分担を割り振って俺の依頼の物を作製する班を編成してくれた。

 そして、その班の者達がさっそく作業に取り掛かってくれた。

「そんじゃ、頼んだぞ!」

 邪魔にならないように、俺はキッチンに戻る。


「こりゃ、もう晩飯の準備だな」

 言いながら歩いてキッチンに到着した俺は、鍋に米をいれて汚い水を使って洗う。

 そして、貴重な綺麗な水で仕上げの洗いをしてから、その水を入れて炊き始めた。


 ん?


 女達が俺の様子をじっと見ていた。

 作業に集中していたので気がつかなかったが、ずっと見てたのかな?


「ああ、みんな暇ならさ、そこの鍋にお湯沸かして。 あ、綺麗な方の水ね」

 俺に言われてムチムチエロボディーのゴブリン達がお湯を沸かしにかかってくれた。


 野菜を切る。

 女達が見る

 肉を切る。

 女達が見る。


 作業をじっと見られてやりにくい。

 だが、俺も腹が減っているので、いくらエロい体をしているといっても構ってる余裕など無い。


 こうして、ヒロちゃんライスとみそ汁が出来た頃には、真っ暗になってた。

 集落の奴等の分を作るのに大分時間がかかった。

 途中で、俺を見ていたゴブリンの女に手伝ってもらったのだが、飲み込みが早い。

 危なっかしいとこは、手伝ったが、頑張ってくれたし助かった。


 異世界に来て、やっと美味しいと思える食事が出来た。

 みそ汁の味も懐かしい。

 水が良いのか、凄く美味しい。

 それに、ゴブリン達、ヤス、皆が美味しいと言ってくれた。

 凄く嬉しくて、ご飯が何倍も美味しくなった気がした。

 今日の俺、頑張ったよな?

 

 片付けをしたら、俺は倒れるように寝てしまった。

 疲れたのだろう。




数週間が過ぎた――


 ヤス棟梁の手掛ける家が形になってきた。

 そして、本日、念願のアレが完成したと、俺の耳に入ったのだ!

極道って……?

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