第八話 そのうち義姉妹の契りでも結びそうですね
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説明回にゃなりませんでしたw
勇者召喚と言う儀式がある。
それは言い換えれば異世界から奴隷を召喚する儀式なのである。
王家の男が召喚する場合は女が、王家の女が召喚する場合は男が現れる。
そもそも勇者とは名ばかりで、奴隷では衛生的、道徳的に良くない物である為異世界から連れてこようと言うことになったのだ。
今では勇者は救世主となってはいるが初代魔王の時は、魔王でさえも哀れむ扱いを受けていたという。
更に勇者召喚は等価交換にて成り立つ。
この世界の住人が魔力を目一杯込めた場合、向こうではそれに見合うように回りを巻き込んで潜在能力の高い者が召喚される。
巻き込まれた者は消滅もしくは不完全な召喚をされる。
○
「え、え!?私戻ってる!?戻ってる!!」
「……これは予想外」
ま、喜んでいるみてェだし良かったぜ。
俺としては同郷っつゥのも助けた一因な訳ではあるが、女の子を放っておくのは男としてどォなんだ?ってのが助けた要因の大体を占めている。
「リア、適当に服貸してやってくれねェか?」
「うん、いいよ」
「レイナール、風呂湧かしてきてくれるかァ?」
「了解!」
取り敢えずこんなモンで良いよなァ?
寧ろ他に何かするコトが……合った。
そう言えばシアにお仕置きすんの忘れてたなァ……、クククク。
「おい、シア」
「……なんでしょう?」
「ちょっとコッチに来やがれ」
「……」
トテトテと近寄って来た所に……、亀甲縛りィ!!
「キャウ!?」
「ンでもって転移ッ!……っと、ふぅ」
「え、えと何で良い仕事をしたって顔をしているのか解らないんだけど……」
あ、そう言えばこの幽霊少女のコト完全に忘れてたなァ……。
……リアとレイナールに頼んだのに忘れててもしょうがないよなァ?
……本気でどォして忘れていたンだろォか?
「取り敢えず自己紹介しとくぜェ?」
「あ、うん」
そんな今更?って顔されてもなァ……。
「俺の名前は……そォだな、葵って呼んでくれ。名字は好きじゃねェから」
「了解、私は飛鳥紅梨だよ」
「現状を説明……する必要あっかァ?」
「よろしく頼むよ」
「テメェが今居る此処は俺こと魔王の城だ」
「……え?ちょ、どういうコトだい?」
……ま、パニックに陥るのもしょうがねェな。
こんな平々凡々な容姿をしている自分と殆ど年の変わらない青年が魔王だっつったら俺も吃驚するしなァ……。
「そしてテメェは巻き添えになった」
「……もっと解らなくなったんだけど」
「ま、簡単に纏めて言うとさっき会った勇者が居ンだろ?」
「ええ」
「アレを召喚した時に巻き添えでお前が不完全な召喚をされたって訳だ。アイツが色々不足していた所為でなァ」
「……へ?」
「コレを読め」
そういって手渡したのは俺が調べていた勇者召喚の本だ。
詳しく説明するのは時間がかかるから簡単に言うと勇者召喚は一対一の交換と言うことだ。
「持ってきたよ~」
おお、リアが戻ってきたな。
「ン、サンキュなリア」
「いやいや、葵のお願いなら出来るだけ何でも聞きたいもん」
「お、おう」
こういうコトを言われるとどう反応していいのか困っちまうなァ……。
しかもデフォで頬を染めた微笑付き……。可愛いな、コンチクショー!!
「れ、レイナールは出来たか?」
「アイアイサー、旦那!何でどもってるのかは後で聞くとして用意は完璧だよっ!」
「出来るなら聞かないでくれ」
「うん、それ無理♪」
……私刑宣告だな。
……ま、取り敢えずは用意できたし風呂に入って貰うか。
「飛鳥、疲れてるだろうし風呂入って来いよ」
○
相も変わらず姫様はガクガクブルブルして動けないし、テメェはたけしかっつの……。
アリアは幽霊が居なくなったことで元に戻っている。
ンで、ヴァイスはずっと寝ていやがるんだよな……。
一回腹蹴って起こしてやろうか……?
ま、俺は女性を蹴る趣味はないから、よほどのことでない限り蹴ったりはしねぇけどさ。
「……アリア、今回りに居るのって」
「……山賊のようですね」
「……ヴァイス使えないな、コンチクショウ!」
「……激しく同意しますよ」
禿同禿同。
意味の解らないコトは置いておいて、どうしたものか……。
「ッ!?勇者様、上ですッ!!」
「何ッ!?」
○
「上から来るぞ、気をつけろ!……なんてな?
いや、あまりにも頼りなかったから聖剣を一本勇者の上に落としたんだよ。
「……あれ、国宝級ですよ、旦那?」
「へェ。ま、それぐらい良いじゃねェか。あんなのでダメージを受ける国じゃねェだろ」
「いや、未だ各国に散らばってる筈だよ、葵」
「あ、全部回収済みだから」
……そんな化け物を見るような目でコッチ見んな。
流石の鋼のハートを持つ俺でも傷つくんだぜェ……?
「確か、竜や下級の神が護ってる筈なんだけど……」
「全員ぶっ潰したけど、何かしら問題があったかァ?」
「葵って規格外なんだねぇ……」
「うん、旦那のすごさを改めて感じたよ」
因みに魔王城に来るまでに全剣を取ってきた。
いきなり護っているのが竜で驚きが隠せなかったんだが、爺さんより弱かったから楽勝だった。
下級神を八体と、竜種を六体合わせて十四だから、剣十四本分の遺跡を廻ったコトになるなァ。
「ま、そんな訳で聖剣なんてやってもコッチは痛くも痒くもねェ訳だ」
「……確かに聖剣とは言っても魔族の弱点って訳じゃないからね」
○
「……これは?」
「……聖剣ですね、勇者様」
「……なんで上から降ってきたのかは後で考えるとして」
「……そうですね」
「行くぞッ!!」
「ハイッ!」
○
あの本に書いてあったコトとかを考えると、私は何の意味もなく巻き込まれたってコトだよね。
……あ~、なんか涙が出そう。
もう、お母さんにもお父さんにも、大切な弟にも会えないんだよね……。
「……入って良いかな?」
「え、えと、確かリアさんでしたっけ?」
「そうだよ。葵にメンタルケアでもして来てやれって言われたんだよ」
「……話聞いて貰えます?」
「ふふ、その為に来たんだよ?」
少しでも話せばスッキリするかな……?
取り敢えず話せるだけ話してみよう。
●
「という感じで……」
「……辛いよね、もう家族に会えないってなると」
「……はい」
リアさんは何も言わずに聞いてくれた。
そのお陰で少しは……いや、物凄く気持ちが楽になった。
「そうだ、葵なら何とかしてくれるかもしれないよ?」
「……葵さん、出来ますかね?」
「時間はかかるかもだけど、葵なら何とかしてくれるよ」
「どうして、そんな風に言えるんですか?」
「それはね……」
○
「……リアなら上手くやってくれると思うが、心配だよなァ」
「大丈夫だよ、旦那。リアなら上手くやるよ」
言われなくても解っては居るんだが、要らぬ心配って物をしちまうなァ……。
畜生、コレが現代の日本人の男子高校生って奴かァ……。
「……なんか解らないけど一つ言わせて貰うよ。旦那、知らない人まで巻きこんじゃ駄目だよ?」
地の文に直感でツッコムなんて……、レイナール恐ろしい子ッ!
「大丈夫だ、問題ない」
「それは確か問題ある時に使うセリフだったような……」
……なんで知ってるんだ、コイツ。
ま、良いか。ツッコンで貰えるネタだって解ったしなァ……。
「ただいま~」
「お、帰ってきたか」
「ねぇ、この子帰れるようになるまで城に置いてあげて良い?」
「ん?もとよりそのつもりだが?」
そうだよねー、って顔するぐれェなら聞くなよ。
多分、飛鳥の為なんだろォけどなァ。
ま、取り敢えず適当に魔導本から元の世界に戻るための魔術を探すとして、見つかるまでは俺の侍女として働いて貰うってコトが一番かねェ。




