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三十四話、悪魔登場

「終わりましたよ」

 ソラがこっちに来る。ソラが持つ剣の血は、まだ鮮やかだ。

「おう、加勢を頼めるか?」

 俺はソラに言う。正直、この人数相手に、剣を振るうのも飽きて…………間違えた。だるくなってきたところだ。変わらないとか聞いては駄目だ。うん。


 あらかた片づいた。いや、すごい大変だった。普通の人間でも、数でこられたらやっかいだなぁ、と思い知った戦いだ。

「この村も焼くか?」

 俺はソラに聞く。

「はい。私は問題ないです」

 ソラは答える。この村との決別はついたのだろう。モトハルだかって人のことは、結構残っているかもしれないが、ある程度は吹っ切れたのか、俺はそう思った。だが、運は悪いもので、

「我が僕なる人間を、このような惨き死体へと昇華させたのは、お主等か?」

 声がした。声がした方向を向く。黒い、尻尾の先はとんがっている。手に持つは黒い槍。浮いている。角が生えている。悪魔だ。元の世界のファンタジーとかでよく見た悪魔だ。俺は悪魔を見た瞬間そう思った。悪魔を現実で見れたのだ。結構幸せだ。ソラはどうかな、と、横を向いてみると、あらかさまに顔面蒼白になっていた。

「あ、悪魔……あの魔王など、一つの呪文で討ち滅ぼし……下界の神と呼ばれる……悪魔?」

 解説乙と言いたいところだ。というか、そんなに強いのなら、憑依させた人間ももう少し強くすることができたのではないだろうか。俺はそう思った。というか、悪魔は誉められて嬉しかったらしく、実際は誉めているんではなく、恐怖していたのだと思うが、まぁ、兎に角悪魔は喜んで、

「そち、なかなかいいことを言うのう。我の僕とならんか?」

 勧誘しているし。どんだけゆるーい雰囲気なんだよ。突っ込みたくなった。まぁ、突っ込んでたら話は進まないと思うから、質問させていただこう。

「えー、悪魔、でいいのか?」

「ああ、我は悪魔だぞ?」

「そうか、ありがとう。そして、俺らを殺しに来たのか?」

 そう俺が聞くと、まぁ、俺が速攻で殺しても良かったんだが、凄く緩い雰囲気の中、殺すのも躊躇われるし、と、また話が飛びそうになった。

 というか、悪魔が驚いて、冷や汗をかいている。

「すっかり忘れてたわい」

 悪魔よ、それでいいのか。本当にそれでいいのか。俺は頭を抱えた。なんとも適当な悪魔だ。まぁ、敵だと宣言したわけだし、颯爽と殺してあげようか、

 俺は瞬速ともいえる速度で、剣を抜き、悪魔へと振るう、が、

「そちよ、我をなめるでない。我だって悪魔の端くれであるぞ」

 いとも簡単に防がれた。この悪魔もなかなか強いようだ。

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