【後日談】③マイク
7秒くらいで終わります。
ちょっとした冗談だった。
ちょっとクラスメイトの女の悪口を言って、みんなにも笑い飛ばして欲しかっただけだ。
なのに、あの女は俺を批判した。
「品性下劣」
それを言われた時、何も言い返すことが出来なかった。
……その通りだったから。
冗談だよ、ごめん、と謝ろうかと思ってるうちに、彼女は去っていき、ビクターに、
「エミリアがごめんな。彼女は空気読めないからな。次は彼女抜きで集まろう」
と言われ、乗っかってしまった。
エミリアがいない場は気楽だった。
下劣な話題もみな笑ってくれるし、諌めて水を差す者もいない。楽しかった。
でも、ほんの少しだけ、心の片隅に罪悪感はあった。だけど、気が付かない振りをした。
彼女が消えてからは何となく下品な話もしづらくなった。仮にしても、誰も笑ってくれない。
やがては、互いに罵り合うようになってしまった。
エミリアという、標的がいなくなったせいかもしれない。
誰かをターゲットにして、自分は安全地帯にいるという環境。今にして思えば、歪んでた。
ビクターとエミリアが婚約解消したと耳にした時、これでもう終わったんだと、実はほっとした。
俺はもう下品なことも人の悪口も言うのはやめた。
明日はアンナ。




