14
一本目は、しいて言えばりんごジュース。(炭酸なし)
二本目は、しいて言えばブドウジュース。(炭酸なし)
三本目は、コーラ。どこをどう味わってもコーラ。(炭酸強め。)超好み。どストライク。
私はこの世界で、初めて、満面の笑みを浮かべた。
うっまー!久しぶりの炭酸が喉を滑る感覚が最高。前世で炭酸は、ありふれたモノだったけど、コッチにきてからは、水が当たり前だった。やっぱり、炭酸は美味い。この深い味が最高。ウエストポーチに入れられてたせいか生温いが。うん。目をつむろう。
ニコニコしながら聖水を飲み続ける。
腰に手を当て、首を大きく後ろにそらし、風呂上がりのコーヒー牛乳を飲むように、最後の一滴まで味わった。フッハー!と息を吐き出して。
固まり続けるシスターと男の人が目の前に。
……。あれ?私。生きるか、死ぬかって状況じゃなかったっけ。あれれ?瓶を握り締めて思う。
私、美味しさに負けた。うん。完敗だ。
急に羞恥に襲われて、顔が赤く火照っていくのが分かる。たぶん今、真っ赤になっている。風呂上がりのオッさんポーズは、さすがに。ちょっと。私。
うつむいて、顔を隠すとぎゅうぎゅうとにぎっていた瓶が目に入った。えっと。
男の人に瓶を差し出した。あと。
「…あの、ありがとうございます。ご馳走様でした。」
前世のクセでペコリと頭を下げ、お礼を言って離れた。本当に美味かった。うっとり。
「…あ。はい。」
とりあえず、差し出され瓶を受け取り、とりあえず返事を返す。未だに、状況が飲み込めないらしい。突発事項に弱いタイプか?…まぁ、悪魔に必ず効くとされる聖水を美味しそうに飲み干されれば、当たり前かな。
ひとまず先に正気に戻ったシスターは、男の人に質問をした。
「この子は、悪魔なのですか?」
自分の見た出来事を信じられない男の人は、かすれた声でシスターの問いに答えた。
「……わかりません。」




